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リスクがある国だからこそ、本気の人が集まってくる-株式会社フューチャースピリッツ 谷孝 大氏が、中国企業と友好関係を築いてきた方法とは?

Posted on 2014年06月17日
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インターネットの黎明期である1996年に創業し、その後15年以上にわたり、インターネットビジネスを展開する際に必要なソリューションの提供をしてきた株式会社フューチャースピリッツ代表取締役の谷孝氏。ホスティングサービスを中心とするネットワークソリューション事業、及びWebプロデュース事業、クラウドサービス事業を、京都本社、大阪支社、東京支社の全国3拠点で展開。現在は海外にグループ会社を設け、中国及びマレーシア、タイで事業を行う。

初めての海外進出は、わくわく感しかなかった

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フューチャースピリッツの事業内容について教えてください。

サーバーのホスティング、クラウドサービス、Webプロデュースを三本柱に事業を展開しています。 そのなかでも、お客様のWebサーバーやメールサーバー、データベースのサーバ-をデータセンターで24時間365日管理するサーバーのホスティングが事業の中心。これは大学一年生だった19歳の時に起業をして以来、15年以上携わっているサービスです。 さらに、グループ会社ではショッピングカートASP、決済代行サービスも展開しています。海外には中国やマレーシア、タイに現地法人を置き、他拠点もアジアを中心に進出準備中です。

大学生で起業しようと思われたのはなぜでしょうか?

私が大学生だった時にちょうどインターネットが出てきたのですが、世界中に情報発信できて、世界中の情報と一瞬で繋がる仕組みに感動し、これを使って何かしたいと思い起業に至りました。 今の事業のきっかけは、まずはインターネットを使って何かやろうとしている人のお手伝いをしようと思い、Web制作やサーバー管理を始めたこと。 子供時代に父親を亡くし、若くして亡くなった父親の分までしっかり生きたいという想いと、高校生の時に体験した阪神大震災から、生かされた者としての使命を意識するようになったことも、今しか出来ないことをやろうという、背中を押すきっかけになったと思います。

“人対人”の付き合いで、中国ビジネスは進んでいく

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海外に進出した経緯を教えてください。

2007年頃より、中国マーケットに注目をし始めたお客様から中国国内での弊社のクラウドサービスの利用に関するお問い合わせをいただくようになったことがきっかけです。 私自身何度も上海に足を運ぶうちに、昔ながらの雰囲気が残されつつも急成長を続ける街の様子に魅了され、進出を決めました。

初めての海外進出をされる時に、迷いはなかったのでしょうか?

全くなかったですね。会社が伸び続けるには、常に背伸びやジャンプを必要とすることに挑戦しなければならないと思っています。 また、私は親の仕事の関係で4歳から8歳までをアメリカで過ごしたので、海外に行くことに対してあまり抵抗がなく、むしろ新しいことができることにわくわくしていました。 新しいものを見たり立ち上げたりすることが好きなので、中国進出を決めたのは、まさに会社を起業した時と同じような感覚ですね。

中国ではどのような事業を行われているのですか?

中国国内のデータセンターを利用し、現地に進出されている日系企業様のWebサーバーやメールサーバーの運用管理と、日本人スタッフによるお客様サポートを行っています。 進出当時、多くの日系企業が既に、現地向けのWebサイトを開設していましたが、日本にサーバーを設置すると、日中間のインターネット回線が細いため、Webサイトの表示スピードが大変遅くなる問題がありました。 また、中国国外のWebサイトは、中国政府によってアクセスが遮断されるなど、不安定なため、中国国内のデータセンターにサーバーを設置し、Webサイトを開設する必要があります。 ただ、現地のデータセンターを利用した場合は、技術力が高くなく、また現地の事業者ではサポートが不十分でした。 さらに、ICPサイト登録と呼ばれる、Webサイトを開設する時には政府の当局に届出を行わないといけない法律もあり、とても手続きが煩雑な状況でした。 そのため、現地のデータセンターを利用しながらも、日本品質でサーバーの運用保守を行い、当局への手続き等も全て日本語で対応出来る弊社のサービスのニーズがありました。

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中国進出をする際に、苦労されたことを教えて下さい。

最初は独資で会社を設立し、事業を進めようと考えたのですが、ライセンスの問題などで難航しました。 その動きをしている中で、縁があって、日系企業の関連会社で、クラウドサービス事業を行っている企業と資本提携することが出来、進出を決めてから3年後の2010年に実現することができました。

資本提携された中国企業との関係は、どのようにして築かれているのでしょうか?

中国企業の経営陣とは、互いが協力して双方の利益を最大化する共存共栄の関係を作ろうと話していますね。 万が一相手との関係が悪化するようなことがあっても、それは自分側に問題があったと思えるぐらい深い信頼関係を構築しています。 また、弊社の技術力をベースに、相手にとって取り替えがきかない存在になれるよう努力しています。そのためには技術力を常に高め続けなければなりません。

反日暴動などがあることを考えると、中国での事業はリスクが高いように思えますが、いかがでしょうか?

確かに、日中関係の悪化などさまざまな問題がありますが、中国が確実に伸びている巨大なマーケットであることも事実です。 実は、一昨年の反日暴動後は、中国進出を希望される企業からの問い合わせ数が減りました。 しかし実際の契約数はあまり変わらずに伸びていったことを考えると、より本気で中国市場に取り組もうとされている企業の割合が増えたのだろうと思います。 カントリーリスクは中国に限らずどこの国にもありますが、それでも挑戦をするという気持ちをお持ちの会社であれば、必ず事業を成功させることができると信じています。

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