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相手を動かしたければ、まずは自分がその現場に飛び込むこと-株式会社ベーシック秋山勝氏がシンガポールで讃岐うどんを展開する理由

Singapore
現在、インターネットを中心に全22ジャンル・50サイト以上を企画運営する株式会社ベーシック代表取締役の秋山氏。月間利用者数は30万人を突破し、設立以来10年連続増収増益。ウェブ比較メディアを中心に、シンガポールでの讃岐うどん店の展開など、新たなビジネスモデルの展開を積極的に行っている。  (左)代表取締役:秋山氏(右)フランチャイズ事業部長:古閑氏

株式会社ベーシック  代表取締役

2014.03.11

机上の空論ではなく、実体験で語る。

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御社の事業内容を教えてください。

インターネットのメディア事業をしています。元々は引っ越し見積もりや留学など、ある業界に特化した比較サイトから始まり、最近はスマートフォンのアプリやスマートフォンケースの事業を立ち上げて多角化を進めています。

今期で11期目を迎えるのですが、メインはメディア事業です。現在、フランチャイズ企業と加入希望者をマッチングする、フランチャイズ領域で業界ナンバー1のポータルサイトも運営しています。

現在、どのような形で海外展開を進められているのでしょうか?

去年「Japan Food Culture」(以下JFC)という会社を立ち上げ、日本国内のフランチャイズ企業の海外進出の支援や、海外からの加盟希望者とのマッチングをお手伝いする事業を進めています。

この事業で海外進出をしようと思ったきっかけは、現在運営しているフランチャイズ領域のポータルサイトで多くのお客様から海外進出の相談を受けたこと。

特にASEAN地域が注目を浴びていたので、2012年の7月にシンガポールとマレーシアに初めての視察に行ってみたんです。行ってみてわかったことは、とても活気があり、日本食が非常に人気、そして親日的なこと。

食べ物だけではなく、日本の商品に対する興味や関心は本当に強いと実感しました。それを実感したことで、海外進出の支援事業をすることを決断しました。

この事業を成功に導くために現在シンガポールで讃岐うどんのフランチャイズ店を1店舗、直営店を2店舗運営しています。

なぜ讃岐うどんのフランチャイズをすることで海外事業を成功に導けるのでしょうか?

弊社がやりたいことは、多くのフランチャイズ企業の海外進出を支援すること。

「市場があるから海外に行きましょう」と言っても、そのためには現地での会社設立や人材獲得、パートナーとの交渉などのハードルがたくさんあり、「簡単に言われても……」となりがちです。

それに、机上の空論で物事を言うことはしたくなかった。

だから、まずは我々自身が海外に出ていって、ひとつのモデルを確立しようと考えたんです。そこでもし成功すれば、そのノウハウを使って、より具体的で役に立つサービスが提供できるし、他の企業様も「後に続こう」という気になるかもしれない。

まずは自分たち自身が海外進出の橋頭堡となるべく、自社での店舗を持つことを決めました。

スピード感のある行動が、周りを本気にさせる

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なぜ、最初の店舗が“シンガポールで讃岐うどん”だったのでしょうか?

シンガポールはASEANのビジネスの中心地で「ASEANのショーケース」とも呼ばれています。域内からビジネスを探しにくる方々も多く、波及効果の期待出来るこの地を選びました。

また、市場を見て回って気づいたのが、すし、ラーメンはたくさんあるのに、うどんに特化したお店がないこと。これだけ日本食が親しまれているのであれば、うどんは絶対にいけるはずと考えました。

さらに、現地の方は揚げものが大好きだと聞いて、様々なうどんの中でも、セルフスタイルで自分の好きな天ぷらを取って楽しめる讃岐うどんが最良と判断。

日本に戻った翌日から、本場香川のお店で、我々のやりたいことをご理解頂けるうどん店探しが始まりました。

加盟されている讃岐うどんのフランチャイズ企業はどのように見つけられたのですか?

せっかくやるのだから本場の味を持っていきたいと思い、まずは本場で讃岐うどんを食べることから始めました。

香川でレンタカーを借りて片っ端から試食。1日5杯のうどんを食べ、自分たちが心から美味しいと思えるうどん店探しをしました。なかでも「ここはうまい!」と我々の意見が一致したのが「たも屋」さん。

早速、同店の黒川社長に直談判をお願いしたところ、「面白いし、やる意義がある。自分が出来ることならなんでも協力しますよ」と、我々のビジョンに共感しご快諾頂いてプロジェクトがスタートしました。

すぐさまシンガポールの物件探しに入り、2ヶ月という短期間ではありますが、じっくりと勝機がある場所を見極めて、物件契約を結びました。

それから従業員を探したのですが、店長として働いてくれる、飲食業経験がある日本人を知人を通じて探しました。その結果、2012年の11月にやっと任せたいと思える人に出会い、翌年の1月には現地入り、3月には一店舗目をオープンさせました。

立地条件が非常に良かったので、スタート時からすぐ軌道に乗っていますね。

現地視察に行ってから1年経たないうちに店舗の立ち上げをするなんて、非常にスピード感がありますね。

そうですね。この展開によって、フランチャイズ業界の方たちに非常に驚かれると同時に、一目置かれるようにもなりました。スピード感は、本気度として相手に伝わっていき、「こいつは本気なんだな」と思ってもらえると、対応も変わります。

普通は海外展開となると、入念に準備して検討を重ねてから行動に移すのでしょうけど、それだとすごく当たり前の行為になってしまいます。私たちのような、フランチャイズの直営店を初めて運営する立場の人間がスピード感を持って行動すると、危なっかしいからか、周りが応援してくれるんです。

後から本当に実感しました。立ち上げの関係者は熱心に力を注いでくれました。だからこそ短期間で一店舗目が立ち上がったのだと思います。

なんでもローカライズすれば良いわけではない。

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現在シンガポールに展開している店舗が好調とのことですが、その理由はなんだと思われますか?

現地の人のスタイルに合わせて提供するのではなく、日本のスタイルのままの讃岐うどんを提供したことでしょうね。

現地で事前リサーチをしてみると、現地の人たちは柔らかい麺を好むとか、コシがある讃岐うどんとは逆の結果になったんです。でも、JFCとしてやるべき軸は、Japan Food Cultureという名前からわかるように、「日本の食文化を世界に出していく」こと。

あまりローカライズしてしまうと、伝えたい日本文化を伝えられなくなるおそれがあるので、ここはそのままで勝負しようと決め、コシがある讃岐スタイルを貫きました。

コンセプトとして大事にするものをしっかり持ち続けたのですね。

そうですね。あと、屋台文化の強い現地に讃岐スタイルが合っていたというのもあります。

日本ではあまり厨房を見せたりしないと思うんですけど、アジアだと見せているところが多くて、自分の目の前で焼いてくれるとか、自分で作れるとか、そういうライブ感が大好き。

だから、好きな天ぷらを自分で選んで取れる讃岐うどんの販売方法は、現地の人の好みに合致しているようです。

現地でヒアリングをしていた時に、「アジアの人は揚げ物が好きだし、日本食の中でも天ぷらは高級なイメージだから喜ぶはず」、「現地で15ドル以上の金銭感覚がある天ぷらを、讃岐スタイルで1ドルから食べることができたら価値を感じるはず」という話で盛り上がっていたのですが、やってみたら本当にその通りで驚きましたね。

こういった結果を出したことで、「私たちも海外展開をやりたい」という声を徐々にいただくようになりました。シンガポール国内だけではなく、ASEAN全体でこの波を作り、「ASEANでのフランチャイズ展開といえば、株式会社ベーシック」と言われるようになりたいですね。

これからこの事業は、より一層面白くなっていくに違いありません。

 

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