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バリ島の魅力あふれる10日間!神聖な祭りガルンガンとクニンガン

Posted on 2016年11月17日
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絶大な人気を誇る観光地、バリ島。 美しい海やおいしい食べ物、そして人々の温かさに魅了されたことがある方は多いのではないでしょうか?   


私は以前からバリ島のボランティア活動に携わっており、今夏も現地を訪れました。


その際遭遇したのは「ガルンガン」という祝祭。バリ島に長年伝わるこのお祭りでは、バリの奥深い魅力を堪能することができました。 


 


今回はそんな「ガルンガン」について詳しくご紹介いたします!

 

人々の生活に根付くバリ・ヒンドゥー

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世界一のイスラム教人口を有するインドネシア。しかしバリ島の人々の約90%は、ヒンドゥー教を信仰しているといわれています。

街の交差点には必ずといっていいほどヒンドゥー教の神々の像が祀られており、あちこちで「チャナン」というお供え物を目にするのです。

 

バリ島のヒンドゥー教が特徴的なのは、土着の精霊信仰と融合し人々の生活に深く根付いていること。

インドのヒンドゥー教と区別するため「バリ・ヒンドゥー」と呼ばれることもあります。

 

そんなバリ・ヒンドゥーには、伝統的な暦に従って開催される宗教行事がたくさんあります。

代表的なものは「ニュピ」という旧正月や、お寺の創設を記念する「オダラン」といった年に1度の祭礼。

その他数多くある個人の通過儀礼の際にも、親戚や村人が総出で盛大に祝います。

 

このような儀礼には、男女ともに正装で参加することが一般的なルール。観光客も見学をする際には、正装するか、露出を控えて腰布(サルン)を巻いた装いが望ましいとされています。

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「日本からそんなものは持ってきていないよ!」という方もご安心ください。というのも、バリの街の生地屋や縫製屋では、簡単にオリジナルの衣装を作ることができるのです。

 

また観光案内所や寺院で借りられるほか、スーパーで安く手に入れることもできるので、旅の記念に購入してみてはいかがでしょうか?

祖先の霊と過ごす聖なる10日間:ガルンガン

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今回私が遭遇した「ガルンガンとクニンガン」は、日本でいうお盆のような行事。

現地では1年210日周期の「ウク暦」が採用されているため、このお祭りは年に2回巡ってきます。

 

バリ・ヒンドゥーには、すべてのことには両極のものが存在するという教えがあります。

この教えを意識して行われる「ガルンガン」は、善の「ダルマ」が悪の「アドハルマ」に勝利したことを象徴する日。期間中は先祖の霊がこの世に戻ってくると信じられているため、人々は盛大にお祝いをするのです。

 

ガルンガンの前日は「プナンパハン」といい、早朝に生贄用のブタを堵殺するところから1日がスタート。

新鮮な肉で「ラワール」という代表的なお祭り料理を用意し、翌日に向けての準備を行います。

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準備が整った後は、各家庭で作った竹飾り「ペンジョール」を家の前に掲げます。

これは先祖の霊が降り立つ際の目印とされていて、空に向かって立派なペンジョールが立ち並ぶ様子はまさに圧巻。

 

お待ちかねのガルンガン当日は、先祖の霊を迎えるため正装に身を包んだ人々が寺院へと出かけます。子どもたちが獅子舞のような村の守り神「バロン」とともに町を練り歩く様子も印象的です。

祖先の霊と過ごす聖なる10日間:クニンガン

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ガルンガンが開催されるのは、決まっていつも水曜日。

この日から数えて10日目に当たる土曜日に行われるお祭りが、クニンガンです。

 

この日のメインイベントは午前中のお祈り。神々や祖先の霊が天上界へ帰っていくと考えられている正午を過ぎると、一連の行事は終了です。

クニンガンの「kuning(クニン)」は黄色を意味しており、当日は黄色く色づけされたバリ料理が食卓に並びます。

 

ガルンガンからクニンガンにかけての期間は多くの学校や公的機関が休みになり、人々は儀礼や親族との交流に専念するのだとか。

バリ島の奥深い魅了を堪能しよう!

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誰もかれもが身なりを整え盛大に祝うお祭り・ガルンガン。

神々の島バリに暮らす人々の心と、長年受け継がれてきた豊かな文化にふれたことで、観光客の私でさえ神聖な気持ちを経験することができました。

 

今後バリ島への渡航を検討されている方は、ぜひこのお祭りに合わせて足を運んでみてはいかがでしょうか?

2017年のガルンガンは、4月5日、クニンガンは4月15日に開催されます。

 

素敵な光景に出会うことで、もっとバリ島を好きになること間違いなしです!

 

 

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Ambassadorのプロフィール


岸野彩花

宮城県出身。東京外国語大学インドネシア語専攻。東南アジアの活気と多様性、とにかくおいしい食べ物に魅了され、東南アジアに渡る度に一回り大きくなって帰国する。弱い立場におかれやすい子どもへの支援に関心をもち、府中市やインドネシアでボランティア活動に携わる。

岸野彩花さんが書いたノート


インドネシア に関するノート