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日本語教師が教える!日本語ビギナーの外国人とスムーズに会話をするコツ

Posted on 2015年07月16日
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Xin chào!  ベトナム在住の鼈宮谷(べっくや)です。 突然ですが、身近に日本語を話せる外国人の方はいますか?私は今、ホーチミンで日本語教師として働いています。

 

日本語教師とは、日本語を母語としない外国人に日本語を教える仕事です。

東南アジアを訪れると、「日本語を勉強している」という人に会う機会がとても多いです。

特にベトナムは、日本への留学生数が中国に次ぐ第2位(約26,000人※日本学生支援機構調べ)に躍進するなど、日本企業や日本文化に対する興味の度合いが高い国と言えるでしょう。

海外に住むなら、できるだけ現地の言葉を覚え、その国の文化を尊重するという姿勢は大事です。

でも、日本語を勉強している人に出会ったときは、会話の練習相手になると喜んでもらえることもあります。

そこで今回は、日本語ビギナーと日本語でのコミュニケーションをとりやすくするコツをご紹介します! 

1、主語を意識して入れる

日本語は、主語を抜いても文が成り立つ言語です。

ですが、日本語ビギナーと会話するときは、「私は」「あなたは」「○○さんは」など、主語をはっきりさせると親切。

質問されているのか? 誰のことを話しているのか? という混乱を防ぐことができます。

 

例)

A「何時に会社へ行きますか?」

B「8時に行きます」

A「Bさんは何時に会社へ行きますか?」

B「私は8時に行きます」

2、語尾は【〜ます】【〜です】の形で

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日本語の大きな特徴は、多様な語形変化。

例えば「行く」という言葉ひとつとっても、「行かない」「行きます」「行く」「行けば」「行こう」「行った」「行って」など様々な形があります。

外国人が初めて日本語を勉強するとき、基本的に動詞は「〜ます」、形容詞は「〜です」の形で覚えます。

なので、「ます」「です」の形を意識して使うだけで、ぐっと通じやすくなります。

 

例)

「日本へ行ったことがありますか?」

 →「Aさんは日本へ行きましたか?」

 

「今日デパートに行くんだ。日曜日だから人が多そうだなあ」

 →「私は今日デパートへ行きます。日曜日ですから、たぶん人が多いですね。」

これが自然な日本語か? というのはさておき、「意思の疎通」を優先するなら後者の文を使うといいでしょう。

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3、一文一文を短く!

日本語は、先述の通り語形変化が多い上に、格助詞や終助詞の使い方によっても意味ががらっと変わってくるという厄介な性質を持っています。

なので、なるべく複雑な文型は使わず、短文を並べると通じやすくなります。

また、このときも「〜ます」「〜です」を使うとなお良いでしょう!

 

例1)

「おなかがすいたんですが、ここでごはんを食べてもいいですか?」

 →「私はおなかがすきました。ここでごはんを食べます。いいですか?」

 

例2)

A「明日の飲み会、行くよね?」

B「うーん、あんまり体調がよくないから、行かなくてもいいかなあ?」

A「明日の飲み会、行きますか?」

B「うーん、私はちょっと体調が悪いです。行きません。いいですか?」

 

4、質問の答えは最初に

例えば「はい」「いいえ」で答えられる質問にはまず「はい」「いいえ」を。

それ意外の質問は、答えを最初に伝えるようにするとわかりやすくなります。

 

例)

A「あなたは会社員ですか?」

B「今は学生ですが、来月から会社員です。」

A「そうですか。どんな仕事をするんですか?」

B「本当はマーケティングをやりたいんですが、まずは営業の仕事をする予定です。」

A「あなたは会社員ですか?」

B「いいえ、私は学生です。来月から会社員です。」

A「そうですか。どんな仕事をしますか?」

B「営業です。でも、本当はマーケティングの仕事をしたいです。」

5、【数字】が絡む表現を使う場合は、

同じ「1」を表す言葉でも、日本語には様々なバリエーションがあります。

例えば、1日:ついたち、1つ:ひとつ、1人:ひとり、1歳:いっさい、1時:いちじなど……。

これがなかなか覚えられず苦戦する日本語学習者はとても多いです。

数字は伝えたい情報のカギになる場合が多いので、念のため普通の読み方(いち、に、さん)に直して確認すると良いでしょう。

例えば「9月2日(くがつふつか)の4時(よじ)に会いましょう」と約束する場合、数字の部分を一度普通の読み方(きゅう、に、よん)に直すか、ジェスチャーを入れて確認すれば聞き間違いを防ぐことができます。

【番外編】教えると喜ばれる日本語

これは日本語に限らずですが、恋愛絡みのことばはみんな知りたがります。

「きれい」「かわいい」「イケメン」「彼氏・彼女」「好きです」などなど、教えるととても盛り上がります。

それから、日本語のスラング。「マジで?」「ビミョー」などなど、汎用性の高いスラングは喜ばれます。

(目上の人には使わないでください、と必ず伝えましょう!)

ちなみに、この前学校で「社畜」ということばを教えてみたら、予想以上におもしろがってくれました。

次は「リア充」を教えてみようかと目論んでいます。

 最後に、個人的に好きな日本語「木漏れ日」。

この意味をもつ言葉は、日本語にしか存在しないと言われています。

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いかがでしょうか?

いつも使っている日本語。改めて外国人と話してみると、その奥深さや難しさに気づくことができます。

と同時に、日本語をすらすらと話せる外国人の方に出会うと、尊敬の念を感じざるを得ません。

東南アジアを訪れる機会があれば、ぜひこれらのポイントを押さえて、現地の方と日本語で話してみてください!

ライター

鼈宮谷 千尋/Chihiro Bekkuya

大学卒業後4年間勤めたPR会社を退職し、日本語学校新規立ち上げのためベトナム、ホーチミンへ移住。WEBマガジン「Travelers Box」エディター/ライター、リトルプレス「WORLD YOUTH PRODUCTS」エディター。旅するように身軽に生きていきたい。

 

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鼈宮谷千尋

大学卒業後4年間勤めたPR会社を退職し、日本語学校新規立ち上げのためベトナム、ホーチミンへ移住。WEBマガジン「Travelers Box」エディター/ライター、リトルプレス「WORLD YOUTH PRODUCTS」エディター。旅するように身軽に生きていきたい。

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