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正社員、派遣ではない第三の働き方がある– ランサーズ秋好陽介氏に聞くフリーランスという選択肢

Japan
仕事をしたい人(ランサー)と、仕事をお願いしたい人(クライアント)とをマッチングする、クラウドソーシングサイトを運営する会社、ランサーズの社長。正社員でもない、派遣社員でもないランサーズという第3の働き方を提唱する。

ランサーズ株式会社  代表取締役社長

2013.10.01
後編:フリーランスの新しい需要と、価値をつくる

海外でフリーランス活動をすれば、仕事は週に2日だけでも裕福な生活ができるんですよ。

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- ランサーズ登録者における、海外在住者の割合はどれくらいですか。

2013年8月現在で、ランサーズに登録しているフリーランスの会員は17万人。そのうち、1~2%にあたる2,000名弱は海外在住の方で、割合は増加傾向にあります。ランサーズのビジョンは、「時間と場所にとらわれない、新しい働きかたをつくる」です。

日本という枠にあまりとらわれる必要はないと考えていて、たとえば、ランサーズユーザーの中にはハワイに居住しながら日本のクライアントとインターネットで連絡を取り合い、ウェブサイト制作の仕事をしている方もいます。うらやましいですよね。

フリーランスで働く個人にとって、海外へ踏み出す一歩は、なかなか大変なことでした。僕らみたいな企業が安定した仕事を提供することで、「時間と場所にとらわれない働き方」の事例を、もっと増やしていければと考えています。

- 海外に在住していても、報酬は日本で働くのと同じ相場でもらえるのですか?

ウェブサイトで提示された報酬を、日本円でお支払いしています。どこに住んでいても、すべてインターネットで仕事が完結するので、報酬に違いはありません。海外の物価の安いところに住むと、ちょっと裕福な生活ができますね。

たとえば、我々はフィリピン・セブ島のコワーキングスペースと提携しているのですが、週に2日だけ働いて月収20万円という人がそこにいます。生活費は月6万円程度で済むので、20万円も稼いでいれば、かなり良いところに住めるんですよ。週に2日だけ働けば、残りの5日はリゾート三昧。空いた時間で英語を勉強する、そういう生活もアリということです。

一方で、日本の地方に住んでいてランサーズだけで年収800万円まで稼ぐ方もいます。どちらの生活を選ぶかは個人の自由ですが、いずれの方もクライアントとは会ったことがないというのだから、非常に未来的ですよね。

正社員、派遣と並ぶ、ランサーズという第3の選択肢を成立させたいんです。

- ランサーズが支援したいのは、人生の多様化なのでしょうか。

大きな目標は、働き方をつくるというところですね。世の中には働き方の仕組みとして、正社員か派遣かという大きな2つの選択肢がある。そこに、ランサーズという働き方を、第3の選択肢として成立させたいんですよ。

正社員、派遣、ランサーズみたいに横軸に並ぶものにしたい。個人として、正社員や派遣とは違う働き方をやっている人はそれぞれいるんですけど、仕組みとしてはまだ頼るべきところがないんですよね。フリーランス個人個人の不安を取り除き、支えてあげるプラットフォームを作りたいんです。

会社員として働くのも、派遣として働くのも、ランサーズとして働くのもOK。その中に、海外でゆっくり働くという選択肢があっても良いですよね。具体的な数字の目標としては、ランサーズの仕事だけで生活できる人を1万人にまで増やすこと。

現状は17万人のフリーランスの方々が登録していて、そのうち1,500~2,000人が毎月コンスタントに報酬を得ています。月額で最低でも20~30万円をもらっている人が150人くらい。2016年までに、この150人を1万人に増やすのが目下の目標です。その頃には、登録ユーザーは200~300万人を想定しています。

- なぜ、フリーランスの支援という仕事に取り組んでいるのでしょうか。

学生時代、フリーランスでウェブの仕事をしていたんですよ。最初にその仕事でもらった報酬が5万円。時給制のアルバイトだと、それだけもらうには30~40時間は拘束されないといけないというイメージ。それが、ホームページをつくって納品したら、見ず知らずの会社からお金が振り込まれていて。

自宅にいながらにしてお金がもらえるなんて「ウソだ!」と思ったんです。ATMに行ってもおろせるわけないよと疑ったんですけど、おろせた。当たり前なんですけど、ネットってすげぇって思って、あの感動をみんなにも味わってほしいというのが、僕がランサーズをやっている情熱の源泉ですね。

海外で働く方の事例を見て、うらやましいという気持ちになることはありますが、僕は自分自身が海外に出るよりは、フリーで活動している方々が幸せになるためにはどうしたら良いか、海外の生活が成立している例をどうしたら増やせるか、その支援をしていくことに取り組みたいんです。

フリーランスで頑張っている人たちの生活を支えたい、それだけです。

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-2013年5月には増資、そして6月には鎌倉から渋谷へ会社移転と大きな動きが続きましたが、その意図を教えてください。

僕たちが、まず地方で働くモデルケースになって、フリーランスの方々を勇気づけたいという思いがあって、以前は鎌倉に本社を置いていました。

…なんですけど、逆にフリーランスの方を支援する側としては、鎌倉に来てください、というのはアクセスの面でちょっと厳しいじゃないですか。また、この1年で登録ユーザーが倍増して、運営の人間が海外や地方へ出る機会も増えました。トータルで考えると、支援する側としては人の流通が活発な場所にあった方が、より適切な支援がしやすいということで、渋谷へ移転しました。

増資については、創業以来ずっと自己資金でやってきたのですが、ビジネスの段階的にこう動けばこう成長するという総論検証はできたかなと。あとは各論、スピード感をもって、具体的なサービスを展開していく段階に入ったと判断しました。

使い道についてですが、ひとつは採用ですね。もうひとつは、フリーランス支援。保険や福利厚生といった生活の支援。確定申告指導や、ランサーズで仕事を受注するためのコツといったセミナー。あるいは、前述したセブ島のコワーキングスペースのような、海外に出る方の支援。

これらは直接収益になる事業ではないのですが、フリーランスの方々を下支えすることは長期的にとても大切なことで、我々が先駆けて取り組むべきことを考えた結果ですね。フリーランスで頑張っている人たちの生活を支えたい、その想いを形にする為の大事なプロセスを踏んだと思っています。

後編:[フリーランスの新しい需要と、価値をつくる]は10/8掲載されます。

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