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社会に必要とされ、たくさんの笑顔があつまる会社にしたい ‐ ASIA HERB ASSOCIATION BANGKOK CO.,LTD. CEO 加瀬由美子氏

Posted on 2015年06月30日
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タイの伝承療法「ハーバルボール」との運命的な出逢いから、タイでスパ・マッサージ事業を展開することになったASIA HERB ASSOCIATION BANGKOK CO.,LTD.の創業者 加瀬由美子さん。『健康と笑顔の創造』をビジネスの基軸とし既存のスパ事業にとどまらず、オーガニック農園や、プロダクト製造販売、健康維持増進クリニック、スパホテル経営なども手がける。2016年には、タイ初のクリニカルスパホテルをバンコクに開業予定。

確かな歩みが事業の拡大へと繋がる

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ハーブが大好きでタイに来られた加瀬さんが「経営者」となったことで 何か変わられましたか?

私は学校の成績簿にいつも「協調性がない」と書かれるようなマイペース型で、もともとは自分が楽しければそれでいいという、単純に自分の事しか考えないところがありました。 ただ、会社で一緒に働くスタッフが増えると共に、頼りにされ必要とされることも増え、 そんななかで、「もっと学びたい」「リーダーとして、また、人として成長したい」という 気持ちは強くなったと思います。失敗もとても多かったですが、チームで協力し成功を共有できた体験は、貴重で多くの気づきをもらいました。恥ずかしいですが、もっと立派なリーダーになりたいと日々思っております。

様々なバックグラウンドをもつ大勢のスタッフを指揮する立場として、 どんなことを考えていらっしゃいますか?

弊社には、国内外、タイの方はもちろん、日本、中国、カンボジア、ロシア、フィリピン、ミャンマーなど多国籍のメンバーがいます。大変ありがたいことに、タイでは、日本人というだけで大切にしていただけることが多いのですが、ふっとまわりを見回すと最近は日本人ではなく、他国の方々の優秀さに驚かされることが多くなりました。 タイでは日本以上に様々なバックグラウンドがあり、「働く」ということに対して求めるものがそれぞれ大きく異なるケースも多いため、そのような多様なスタッフに対して、会社として求める人材はどのような人か、会社としてそれぞれの職務に対して求める成果はどのようなものかを、より具体的にハッキリと示すことはとても重要だと思います。 国籍にとらわれず、本人自身の能力、会社への貢献度、将来性などに重きをおいた「社内評価基準」の作成にも力をいれており、学びたい人に対しては積極的なトレーニングを行い、本人がどうすれば社内ステップアップできるかをクリアにみせることで、本人が自分自身の目標として正面から取り組んでいただけたらと願っています。 また、わたくし共の会社をキャリアの「通過点」としてステップアップできる方はいいのですが、現実的にそこまで考えにくいセラピストさんやメイドさん達については、終身雇用をベースとして生活の安定をお約束するなかで、活躍していただけたらと思っています。時々甘いといわれることもあるのですが、わたくし共はチームで仕事をしますし、サービスというのは調和が大切なので、企業のなかに「家族感」を失いたくないと思っています。

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オーガニック事業などはどのように展開されてきたのですか?

開店当初は自分で近くの生鮮市場へ出かけハーブを仕入れ、それを使ってハーバルボールをつくって、自宅兼店舗で提供していました。ある日、お客さまが皮膚に違和感を感じて発疹がでたことからハーブを成分検査に出したところ、農薬がたくさん検出されました。自分では高品質のものをご提供しているという自信があっただけにショックでした。 そこから心機一転、原材料のハーブ探しを再スタートしました。最初は原材料のハーブに農薬をかけない無農薬農法からはじめ、数年後にご縁あって「オーガニック農法」に出逢いました。オーガニック農法でうまれたお野菜やハーブのもつ生命力は驚くほどパワフルです。でも、農業は栽培計画を立ててもその通りにいかないことの方も多く、オーガニック農法が良いことはわかっていても、目の前の生活もあり、なかなか踏みだせないという農家さん達が多いという現実もあります。 タイでも健康志向の方も増え、弊社の関係する農園は、おかげさまで需要が供給を上回るようになりましたが、農作物は工場生産品とは違い、栽培計画を立てても必ずそのようにいくわけではありません。毎日の食の安全のために生鮮野菜をきちんと育てるためにも、一方で、 付加価値の高い農作物を作り、加工品に形を変える努力をすることなど、重労働だということで農業に従事する方が減っているなか、農業の世界も新しいシステムを学んで、きちんと利益を生みだせる仕組みを構築することは、非常に重要だと思います。 わたくし共は、現在ラオスでのオーガニック農園経営にも関わりをもち始めておりますが、ラオスでオーガニック農園をする理由が、単なる安い労働力確保からということではなく、新しい価値を生み出せるものにしたいと模索しております。

全て自然な流れでビジネスが広がってきているのですね。 今後の展望をお聞かせください。

昨年より宿泊型スパとしてホテルの経営においては、ホテルのレストランでは、自社オーガニック農園の野菜やハーブを使い、客室の石鹸やシャンプーなどのアメニティも自社製品を置いています。なんでも自前でということではないのですが、生産者の顔が見えるというのは、私がお客さまならやはり安心なのではないかと思うと、素材についてはやはり目が届くものをと思ってしまいます(笑)。今後もスパホテル、スパレジデンスなど、わたくし共のもっている強みをいかした健康的なライフスタイルを提案できる空間づくりや、一昨年合弁させていただいたロート製薬さんと協力して、日本基準の高い安全性と安定性のあるハーバルプロダクトを展開していく計画でおります。 今させていただいている事業の質を高める努力を怠らず、時代の変化をチャンスととらえ、しなやかに、挑戦の気持ちをもち、日々を大切に歩んでいけたら幸せです。

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