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校舎、ついに完成!スタッフ・子どもたちとの夢が、また走り出す【教えて!噂の彼氏の海外事情】

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ここ数回、開校してからの学校運営について書いてきました。今回は、運営と同時進行している校舎の建設について書いていきます。かつて勃発した、校舎の建設問題の続編です。


 


■過去記事(涙の土地問題 2部作)


1)青年校長5年目。土地の売買で起こったトラブル(リンク)


2)青年校長5年目。焦りまくった土地問題の行方は……(リンク)


 


 

建設資材は大丈夫?

開校後、運営でバタバタとしているところではありますが、土地問題によって遅れてしまった校舎の建設も同時に進めなければいけません。土地の売買契約が終わり、新校舎の工事請負契約も済みいよいよ着工です(設計書類は事前に日本の建築士に見ていただきました)。


建設開始から注意した点は、建設資材のチェックです。
仕様書に記載されている資材よりも安価なものを実際に使用したり、予定していた太さの鉄骨よりも細いものを使用したりすることで費用を浮かせて利益にする業者が、バングラデシュにはたまにいると聞いていたので、それを未然に防ぐために日々確認をしました。


やりすぎだと思われるかもしれませんね。でも、ちょうど私たちの学校建設開始と同じ頃の2013年4月、ダッカ近郊で8階建てビルが倒壊する事故が起こっていたのです。実際に近くで事故が起きている現状から、ここは譲れませんでした。
確かに、毎日運ばれてくるセメントやブロックの型番号から鉄骨の太さ、本数に至るまですべて確認する作業は楽なものではありませんでしたが、生徒やスタッフの安全を考えると、これは必要不可欠な作業だったと思っています。


 


 

校舎に想いを…

建設も順調に進み、基礎ができ、柱が立ち始めた頃のことです。ある現地教職員の声掛けから、教職員みんなで放課後に新校舎の建設状況を見に行くことになりました。


校舎はまだ形にもなっておらず、基礎から鉄骨がむき出しになっている状態です。みんなで建設状況を見ながら、たわいもない話をしてきれいな夕焼けを見たのを覚えています。


 


その夜、ある現地教員の、フェイスブックの書き込みを目にしました。建設途中の写真と共に書かれていたのは、「これらの柱は単なる建物の柱でない。子どもたちの夢の柱です」という言葉でした。
まさかこんなことを現地教員が想ってくれていたとは……! 予想外で、胸がとても熱くなりました。


当時、私たちはまだ一学年ぶんの生徒しか受け入れておらず、仮校舎で授業を行っていたために職場環境は決して良いといえるものではありませんでした。生徒や教職員に対しても、着工が遅れてしまったことで迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ちが私にはありました。そんな矢先に、現地教員の想いをこのフェイスブックを通して知ったのです。


彼らは私たちを信じてついて来てくれて、この学校・校舎に夢・希望をもって働いている。少しキザな言葉ですが、想いをズバッと表現するベンガル人が私は好きですね。これを機に、この新校舎にかける私の想いもより大きなものとなりました。


 


 

ようやく竣工!!

日々建設現場に足を運んでいたこともあり、特に大きな問題もなく建設は進みました。


そして2013年12月、とうとう竣工。土地の問題などいろいろありましたが、無事2階建て校舎ができました。将来的には生徒人数増加とともに教室数を増やし5階まで建て増しする予定です。


 


この時、ようやくスタートラインに立つことができました。そしてここからが、本当の始まりだったのです。


 


 

経験した日: 2018年01月26日

Ambassadorのプロフィール


Katsu(古澤勝志)

宮城県仙台市出身。大学在学中はプロキックボクサーとして活躍。卒業後はある私学教員をやりながらタイ、カンボジア、ネパール、ミャンマーなどアジアの教育支援に携わる。その後、とある公益財団法人の仕事としてバングラデシュでモデル校となる学校建設・運営を任され、生徒数約1800名の学校をバングラデシュで立ち上げ運営中。

Katsu(古澤勝志)さんが書いたノート


バングラデシュ に関するノート