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学校、スピード拡大!それに伴い、生徒募集や選定に新たな問題が…【教えて!噂の彼氏の海外事情】

Posted on 2018年06月01日
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バングラデシュにある私たちの学校も、2013年に開校してから現在に至るまで、だいぶ規模が大きくなってきました。今回は生徒数や生徒募集の変化について書いていきます。


 


 

70人が、5年で10倍に!?

私たちの学校は一学年のみの受け入れから始め、その後毎年学年を一学年ずつ増やしています。現在では日本にあたる中学1年生から高校3年生までの生徒が在籍しています(実際は、この他にも現地NGOのアドバイザーとして幼稚園、小学校の運営にも関わっています)。


開校時の生徒募集については以前書きました(過去記事リンク)が、本校は70名の生徒からスタートしました。最初は生徒もすぐ集まると思っていたのですが、保守的で、新しいものに対してまずは様子を見るバングラデシュ人の性格もあってか、生徒集めに苦戦しました。


あれから5年が経ち、今では新入生120名の募集に対して毎年約400名の応募が来るほどの人気校となっています! 生徒たちに対する私たちの姿勢や、常に保護者と子どもの相談に乗る学校全体の取り組みによって保護者たちから信頼を得ることができ、それが口コミとして周辺地域に広がっていったのです。


生徒確保のために広報も必要かなとも思っていましたが、目の前の子どもたちと真摯に向き合うことで評価されて今に至っていることを、嬉しく思います。


現在では約700名の生徒が、本校で勉学に励んでいます。70名でスタートしてから700名の学校規模にまで大きくなりましたが、今後またどんどん新たな取り組みを考えていて、5年後には2000名近くの生徒が通う学校にする計画です!


 

しかし一難去ってまた一難…生徒募集での問題は続く

開校から3年目、新入生の入学希望生徒が約300名にもなりました(120名募集のところ)。本校に通いたいと多くの方に希望してもらえる学校になれたのはとても喜ばしいのですが、この頃また別の問題で悩むことも多々ありました。


約300名の入学希望者のリストをまとめていて気づいたのが、首都ダッカに住んでいるにも関わらず本校に通いたいという子どもがいたのです。


そもそも本校は、貧しい子どもたちに教育機会を与えたいという出発点から郊外で事業を始めたので、ダッカから子どもが来るなんてことは一切考えていませんでした。これを機にいろいろ調べてみると、ダッカからでも本校に通いたいという子どもたちが結構な人数いることが分かりました。


そこで更に、各入学希望者の家庭環境調査書を詳しく見てみると、両親の職業から推察してある程度裕福な方々でも本校へ入学希望を出していたのです。そこまで評価してくれたことを嬉しく思う反面、当初の事業目的からすると大きな問題になりかねない状況であったため、すぐに生徒選定の基準を明確にし、対応しました。これについては後ほど書きます。


 


そしてもうひとつ、大きな問題がありました。子どもを入学させるために地域の権力者の力を使ってくる人たちが出てきたのです。


日頃からお世話になっている役所関係や政治家の方々から、私に「〇〇という子どもがあなたの学校に入りたいらしいので入れてくれないか?」といった連絡が、入学審査期間は毎日のように入ります。確かに、地域の権力者やその周りにいる方々の協力があって、本校はここまでくることができました。でも、絶対に不平等なやり方はしたくありませんでした。


すぐにでも断りを入れたいところですが、権力者との今後の関係も踏まえ、直接会って私たちの考える平等な入学審査と学校運営への想いを伝え、納得してもらえるようにしています。ただ、それでもうまくいかないことは多々ありますが……(笑)。一難去ってまた一難、問題は尽きませんね。


 


 

生徒の選定、ポイントは「家庭環境」と「やる気」

今の学校環境を保っていく上で1学年120名という上限は必須としています。3年目以降、入学希望者が募集人数120名を超え殺到するにつれ、生徒の選定方法という課題が私たちに突き付けられました。


生徒を選定する上の軸はふたつ。「貧しい子どもへの教育機会」、そして「本校で学びたいというやる気」です。


まず「貧しい子どもたちへ」ということでは、現地のパートナーが貧しい子どもたちのために無償の小学校を運営していたため、そこの学校から優先的に70~80名を選定しました。その学校から120名全員入学させればいいのでは、という安易な考えもありましたが、中には学校へ行くよりも仕事をしたいと考える子や勉強をしたくないという子もいて、本校の価値や存在対効果を考えた時に「やる気」を見る必要がありました。


その方法として小学校卒業レベルの課題を事前に渡し、後日その課題と同様の問題を解かせる形式をとっています。課題に対して事前に取り組んだのか、取り組んだとしたらどれぐらい対策をしてきたのかなど「やる気度」を見るためのものです。「そんなもので選定できるの?」と思うかもしれませんが(笑)、これが実は意外に、明確に数値として表れるのです!


本気で入学したいという生徒はしっかりと事前に課題をやってきますが、当日ぶっつけ本番で問題に挑む子どもも多くいます。


 


また、残りの40~50名はその他の学校から入学させます。選定は前述の方法と同様にやる気度を見るのですが、この場合はそれ以前に「貧しい家庭の子ども」であることがポイントとなります。事前に記入された家庭環境調査書や住所、両親の職業を踏まえてある程度お金に余裕のある家庭だと判断した場合は、申し訳ないのですが不合格として入学許可を与えていません。


 


このような流れで入学者120名の決定をしていますが、トラブルは毎年尽きませんね……。


多くの子どもたちを本校で迎えたい気持ちはやまやまですが、現状を維持するためにはどうしてもどこかで妥協する必要があります。


そのため、現在、今まで以上に多くの生徒を受け入れ可能にするため新たな取り組みも始めようとしています。また形になり始めたら、ご紹介します!


 

経験した日: 2018年06月01日

Ambassadorのプロフィール


Katsu

宮城県仙台市出身。大学在学中はプロキックボクサーとして活躍。卒業後は日本の私学教員をやりながらタイ、カンボジア、ネパール、ミャンマーなどアジアの教育支援に携わる。その後、とある公益財団法人の仕事としてバングラデシュでモデル校となる学校建設・運営を任され、生徒数約1000名の学校をバングラデシュで立ち上げる。

Katsuさんが書いたノート


バングラデシュ に関するノート