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マレーシアの税金(所得税・消費税)について徹底解説
こんにちは、マレーシア在住のHiroです。今回はマレーシアの税金事情についてお話します。
日本では身近な税金として消費税と所得税がありますが、マレーシアで暮らした場合、このふたつの税金はどれほどかかってくるのでしょうか。
居住者かどうかがポイントとなる所得税
マレーシアでの所得税は、「居住者」であるか、「非居住者」であるかということが大きなポイントとして挙げられます。「居住者」と「非居住者」の区別は「年間183日以上マレーシアに滞在しているかどうか」で分けられます。半年以上いれば居住者、そうでなければ非居住者というわけですね。
では、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
「居住者」である場合には日本で暮らしているのと同様に、給与額に応じて累進課税が適用されます。給与が高ければ高くなるほど、かかる税率が高くなるということです。だいたい、月給RM5,000~10,000で独身者だと、5~10%程度の所得税をとられるイメージでしょうか。
一方、「非居住者」である場合……実は累進課税が適用されずに、一律で最高税率が適用されてしまうのです。
ただし、居住者として認められた後に確定申告で申請すれば、非居住者として納めていた期間の税金を還付金として申請することができます。とは言え、移住当初に手取り額が少なくなるのは厳しいですよね。会社によっては最初から居住者の税額を適用して給与を支給する場合もあるので、事前に会社に確認して、実際の手取りがどれくらいになるのか把握しておきましょう。
消費税とサービス税のカラクリ
2018年6月1日付でマレーシアにて消費税が廃止と、日本でも話題になりましたね。現在消費税が8%、将来的に10%課せられることが決まっている日本人にとって、消費税0%は衝撃的な数字ではないでしょうか。でも、これには少しカラクリがあります。
マレーシアでの消費税にあたるものがGST(Goods and Services Tax)という税金です。これは2015年4月1日に導入され、あらゆる商品の購入やサービスの利用にあたって一律6%の税金が課せられました。
しかし、マハティール氏が政権復帰した2018年に税率が0%に引き下げられ、最終的に撤廃となったのです。ただし、GSTが廃止となった一方で、実は復活した税金があります。それがSST(Sales and Services Tax)です。SSTは、GSTが導入される以前から課せられていた税金です。
では、GSTとSSTの違いは何でしょうか。
簡単に言ってしまうと、商品の流通における「各取引すべて」に課税するのか、それとも「一括で」課税するのかという違いがあります。
具体的な商品の流通経路で考えてみましょう。例えば、マレーシアではお馴染みのドリアンが売買される流れは、ドリアン農家→卸売り業者→屋台→消費者ですね。
GSTの場合、農家と卸売り、卸売りと屋台、屋台と消費者すべての売買が課税の対象となります。つまり、それぞれの取引で6%の税率が課せられていた訳です(ただし、一部重複して徴税しているぶんは後に還付されていましたが)。
これがSSTの場合は、農家と卸売りの取引のみ課税対象となります。卸売りと屋台、屋台と消費者間の売買は課税対象となりません。つまり、生産者・製造業者が一括で税金を納めているのです。これがSSTの「Sales」に対する課税であり、10%の税率が適用されます。
ちなみに、レストランでの食事やホテルの利用などの「サービス」の場合には、サービス税を消費者が負担することとなります。これがSSTの「Services」に対する課税であり、6%の税率が適用されます。
以上、ざっくりとGSTとSSTの違いを説明しましたが、結局は商品やサービスに対して税金が課せられているのです。どこに課税するかの違いだけですね。
一括で生産者や製造業者が負担する場合、一見消費者は負担が減るように見えますが、結局はそれが価格に反映されている可能性があります。一概に消費者が得をしているとは言えないのです。
最後に、物品税
最後に触れておきたいのが、物品税です。これは特定の商品に対して課せられる税金で、対象となるものにお酒やタバコなどがあります。
マレーシアというせっかく物価の安い国に来たのだから、夜な夜な豪遊して楽しもう……と考えている方もいるかもしれませんが、ことお酒に関して言えば日本とさほど値段に変わりはありません。コンビニでビールの330ml缶を買うと7リンギット(約180円)くらいのイメージでしょうか。
マレーシアの人口の7割はマレー系であり、彼らがお酒を禁忌とするムスリムであることを考えると、当然の政策といえるかもしれませんね。
以上、マレーシアの身近な税金事情でした。他にも、住民税や相続税がなかったり、固定資産税が日本より格安だったり……日本と違う点はいくつもあります。
実際にマレーシアで暮らしてみよう、働いてみようと思った方はこういった税金事情もチェックしておくと、移住後の生活のイメージがより明確となるかもしれませんね。
経験した日: 2019年08月29日
by Nnn