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外に出るなら途中下車はしない覚悟で行け~中国でダントツの結果を求める ‐ 上海天家餐飲管理有限公司 代表取締役 島原慶将氏

Posted on 2015年09月08日
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中国に日本人が経営する日本料理店は数多く存在するが、小規模経営の店が大多数を占める。その中で「天家」を仕掛ける島原氏は過去10年で上海の一等地や有名ビルの中に店舗を増やし、多くの中国人客に支持される店を作り上げ、業績を伸ばし続けている。

海外に来るなら片道切符で

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2005年に「天家」を上海で創業され、人気店に育て上げられた秘訣は何でしょうか?

マグロを食べることに馴染みのない中国人のお客様に、どうやってマグロに親しんでもらうか。それにはストーリー性が不可欠です。私は創業した頃から従業員に「私の父は元漁師で自分も幼い頃からマグロが大好きだった。海のダイヤモンドと呼ばれるマグロの美味しさや文化を、今度は息子の私が中国のお客様に広めたい」と再三にわたって伝えてきました。従業員はお客様に熱くストーリーを語る。こうした演出もあって、創業から今日に至るまで事業は順調に伸びてきています。 中国に来たのは日本でうまくいかなかったから海外で一度リセットしよう。そんな単純な想いからですよ。軽い気持ちではありましたが、意気込みは立派に、海を渡ってきました。事業プランなんて全く無く、「行けば何かがあるだろう」くらいにしか考えていませんでしたね。 今思えば、当時の私にとって幸いだったのは「自分は逃げてここまで来た」という自覚があったことです。現実逃避していることは痛いほど分かっていたんです。長い人生、やること全てが必ずしもうまくいくわけではない。その時逃げたっていいと思うんですね、自覚さえしていれば。「自分は逃げたのだ」ということを認めて、今回は3歩までしか踏みとどまれなかったけれど、次は8歩まで踏ん張ってみよう、と少しずつ進歩していけばいいと思うんです。 私も上海に来てしばらくぶらぶらしている時期があったからよく分かるのですが、中国に来ている人の中には、海外に来ているというだけで満足した気になっている人がたくさんいます。「夢がある」「やりたいことがあって中国に来た」所詮そんなものは後付けで、つまりは日本で上手くいかなかったから再起を賭けて来ているのだろう。それを夢などと美辞麗句を並べてだめだった自分自身に向き合っていない人や、海外で働いているというだけで自分は特別だと勘違いしている人には違和感を覚えます。 言語や文化、商習慣も異なる中国でビジネスをしていくことは容易なことではありません。ただ私は日本から逃げて来たからには、ここで生きていくために石にかじりついてでも利益を出さなくてはならない。この想いを非常に強くもっています。

中国でビジネスをするのは、生半可な気持ちではできないということですね。

私は駐在員として来ているわけではなく中国で会社経営をしているのであって、人民元を稼いで人民元を使って生活しているのです。わざわざ中国でビジネスするのであれば、日本でするよりも圧倒的に儲けなくちゃ。 私が上海に来たばかりの2004年当時は、外に出れば儲けようと「ヤマっ気」のある日本人にたくさん出会いました。近頃は「クリエイティブなことがしたい」「デザインをやりたい」といった希望をよく耳にしますが、安直に「海外に出れば何かが起こる」と期待するのは、私の経験からするといかがなものかと思います。 また昨今、特に為替の悪化を理由に日本に帰国していく人が多いようですが、そもそもそんな覚悟で海外に来るべきではないと思います。中国に何かしらの野望を持って来ているのであれば「日本にいた頃よりも俺は稼いでいるぞ」と言えるまでにならなくては。 私は自分のビジネスを「儲けるためにやっている」と胸を張って言います。日本にはそういう発言をはばかる人もいるでしょうが、その点中国はストレートでいいですね。自分が儲かることで会社が潤い、従業員の給料も上がる。給与は嘘をつきません。社会から会社が必要とされ、会社から必要とされる自分がいることで報酬は自然と上がるのです。 幹部のひとりがこんなことを言っていました。「世の中お金が全てじゃないなんてことは、金を持っていない奴よりも持っている自分の方が知っている」この言葉には私も深く共感しています。

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現在社員は何人ほどいらっしゃいますか?

従業員は現在400人ほどいますが、ほとんど中国人です。日本人は私を含めて4人くらいでしょうか。幹部も全て中国人ですね。 私もすっかり中国ビジネスの流儀に馴染みました。日本では商談などの際には事前に入念な資料をまとめて用意して、その場では決断を下さず会社に持ち帰ってから議論するのが一般的でしょう。こちらでは即断即決が基本で、WeChat(中国を中心に支持されるチャットアプリ)上で商談することもあります。普段私はPCも開かないほどです。先日、日本の取引先との商談があったのですが、その際5年ぶりくらいにWordを立ち上げました(笑)。 日本のきちんとしたビジネス習慣も、日本人同士でするにはいいと思いますが、一歩海外に出たらもっと臨機応変にやってもいいんじゃないかと個人的には思います。「なぜ?」と深く追及して問い詰めることだけが正解ではないのでは。時間を守る、几帳面に仕事を進める、報・連・相を怠らないのも、それらに慣れてない人たちからしたら煩わしいだけではないでしょうか。 中国では役人などの担当者によって言うことが違ったり、イエスと言う人もいればノーと言う人もいたりと私も振り回されっぱなしです。でも日本以外の国はどこもこんなものだろうと見ています。法律に触れないし問題ないだろうと新たな試みを始めてみたら役所からダメだと勧告された。でも担当者と関係性を深めたらOKがもらえた……、案外このような適当さ加減の中で回っていて、100%できることもなければ、100%できないこともないのだと言えると思います。

日本のしきたりに慣れた人間からしたら驚くことばかりですね!

でも極論、商売さえ上手くいっていれば中国文化に馴染む必要なんてないと思うんです。私は中華料理をあまり食べませんし、妻も日本人です。プライベートでの中国人の友人はほとんどいないし、中国語を一言も話さない日だってあります。 外国人の友人をたくさん作って外国語もペラペラになって……そんなことは六本木にいたってできます。私が中国に来たのは30歳の頃。この歳になってわざわざ海外に出てやることは何なのか。私はビジネスをしに来たわけですから。 若い人が海外に出ることには私も大賛成です。でも日本で結果が出ている人であれば、わざわざ出る必要もないと思います。私のように日本でうまいこといかなかった人は、ただでさえ同世代から後れを取っているのだから、海外に出るとしたら覚悟を決めて結果も求めてほしい。私も2004年、片道切符で上海にやって来ました。海外に来るなら途中下車はできないと、並々ならぬ覚悟で人生に向き合ってほしいと思います。

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