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創業時の面白さを再び今、上海で~時間をかけて新しいサービスを売り込む – 株式会社ベネフィット・ワン 鈴木 梢一郎氏

Posted on 2015年02月24日
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企業の従業員向け福利厚生のアウトソーシングサービスを提供するベネフィット・ワンにおいて、海外進出第一号を担当しているのが鈴木梢一郎氏。中国法人の総経理として、中国ではまだ馴染みのうすい同サービスを、豊富な営業経験を活かして売り込んでいっている。

先が見えない不安の中、光を目指して

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中国での顧客開拓はどのように?

最初は日本本社のクライアント企業に、中国法人を紹介してもらう形で開拓していましたが、それも50社を過ぎると底をつきました。中国における日系企業のビジネスには長い歴史があります。日本の本社からは独立運営して久しい企業も多く、「中国にはご紹介できるような知り合いはいません」と言われてしまうことがよくありました。 あとはひたすら自分で電話をかけての営業です。なんだか新卒入社当時のようですね(笑)。がむしゃらに新規開拓をして現在まで名刺3000枚ほど集めました。そのうち1000枚は地道な営業活動によって、1000枚は校友会、日本人会、各種勉強会など様々な集まりに頻繁に顔を出すことで、残りは当社でセミナーを開催して集客することで得ることができました。 海外では日本人同士の結びつきが強いのでその点は助かりました。電話でお話できれば8~9割のお客様には会っていただけますし、日本ではまず会えないような上役の方々にもツテを辿っていけば会えない人はまずいない。 中国の人々の暮らしは年々豊かになっていて、いいタイミングで中国進出できたのではと思っています。ただ私たちのビジネスは短期的にすぐ結果が出るものではなく、種をまいてから1~2年ほどかかる忍耐力が必要なビジネスです。私も日本での創業時の苦しみを味わっていたからこそ踏ん張れていますが、すぐに結果がついてこないもどかしさは感じています。 中国進出した当初はご挨拶目的でお会いできたお客様も、2度目以降はニーズがなければアポイントを頂戴することは難しい。興味を持ってくださる企業に当社サービスの良さをご実感いただき、その評判がまた新たな顧客を生む。そのような長期戦を、辛抱しながらも接触を続けることでようやくお客様に課題感が生まれ、私たちに相談してくださるわけです。

中国と日本での営業方法の違いなどはありますか?

今は商談の半分は日本人、もう半分は中国人と欧米人といった割合です。そのため日本での方法が全て通じるとは言い難いですね。表面的な話でいえば、かなり違うと言ってもいいのでは。中国人社員には日本語堪能な人も多いのですが、会社で働くことに対する意識やサービスのレベル感が日本とは違うなと感じます。 「仕方ない、中国だから」とこちらではよく言い訳のように使われ、中国人当人が口にすることもありますが、国民性のせいではなく単なる個人の言い訳である場合もありますよね。この言葉は危ういと思っているので、私自身見極めが問われます。ただ根本は共通することも多い。品質を重視すること、サービスにこだわること、礼を尽くせば感謝する、面子を立てると喜ぶ、新しいことには慎重になる……など、これらは世界共通の考え方ではないでしょうか。 中国には製造業での営業経験がある方は多くいるのですが、無形サービスの営業は初めてという方が多い。そういった営業担当には私が手とり足とり教えています。私たちには、当社サービスをご利用いただく企業への営業活動と併せて、交換商品の開拓(仕入れ先)営業もしていく必要があります。当社サービスの魅力は、ポイント交換できる商品の魅力に大きく関係しますから。 家電や旅行、食事券など多岐にわたる商品の開拓を彼らと共にしていますが、その開拓の途中ではくじけそうになるスタッフも。その度に私は日本で経験した成功事例などを語って励ますことで、1年間で2000アイテムも開拓することができました。中国の人にとっては当社のような事業サービスはまだ目新しい印象でしょう。それでも当社の可能性に賭けて入社してくれて、必死で頑張ってくれている。私も長い目で育てていこうと思っています。

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先ほど、もどかしい気持ちがあるとおっしゃっていましたが。

そうですね、今自分の向かっている方向性が正しいという確信はありますが、もっと結果が出てもいいはずだという焦りは少しありますね。上海に続いて北京にも拠点を出したのですが、その決断も思いきりが必要でした。 こちらで成功している日系企業も多いが、サービス業となるとぐっと数が減ります。飲食系はよく見かけますが、BtoBの無形サービスでは参考になるような企業はあまり存在しません。私には希望が見えるのだけれども、それを他人に説明するのも難しい。そういったもどかしさもあります。 私が試練を好む性格というのはあると思います。以前留学を目指していた頃は平日・休日関係なく、どんなに疲れていても英語を勉強していました。ストイックに取り組むのが結構好きなのだと自分でも思いますね。こんな気質だからこそ、なんだかんだ言って今のようなチャレンジングな環境も案外楽しめているのかもしれません。

今後の展望をお聞かせ下さい。

2011年後半に進出して3年が経ち、黒字化まであと一息というところに来ています。まずはこれを確実に成し遂げたい。また将来のマーケットも鑑みて欧米系・中国ローカル企業の開拓も既に始めています。今後は更に深堀りしていきたいです。 ベネフィット・ワンに入社して17年。社員30人の頃から現在1000人の規模になるまで、その過程では上場も経験してきましたが、会社ではなく自分自身の実力がどれだけのものか正直よく分かっていませんでした。それが今上海で、方針を決め、資金繰りまでしながら社員の採用、マネジメントも行う。自分が責任者として物事を決めて推進している実感があり、部長職の頃とはまた一段と見る世界が変わりました。社長であることはこんなにも視野が広がるのかとやりがいを感じています。これはかつての創業時にも似たような楽しさですね。私はこれがまた経験したくて、中国まで来たのかもしれません。 仕事以外では昨年、上海マラソンに出たりアイスホッケーチームにも所属したり、中国語・英語の学習にも取り組んだりしています。上海での生活をこれからも楽しんでいきたいですね。

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