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ホーチミン・ドンコイ通りのコロニアル建築を散策

Posted on 2017年04月04日
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ホーチミンの銀座といえば、グエンフエ通り・ドンコイ通り周辺だろう。歩行者天国になったグエンフエどおりが銀座中央通りとしたら、ドンコイ通りは銀座の並木通りさながらだ。


現在、タイムズスクエアやヴィトンなどのブランドショップをはじめ、ブティックや雑貨店、レストラン、カフェなどが立ち並び、買い物目的の観光客であふれている。


かつて、このドンコイ通りは、カティナ通りと呼ばれた。


サイゴン川沿いに経つマジェスティックホテルから、突き当りにランドマークとなっているサイゴン大聖堂までまっすぐに伸びる通りだ。なお、主要な通りの突き当りにランドマーク的な建築を置くのは、フランス街路計画の特色で、「ビスタ」という。


かつてのカティナ通りは、サイゴンで一番の社交場として賑わっていた。その頃に建築されたホテルや劇場など、未だに目を引くコロニアル建築として残っている。だから、ドンコイ通りは買い物目的だけでなく、建築散策するにも十分に楽しめる通りだ。 


ドンコイ通りほど、コロニアル建築が集中している通りは他にはない。ホーチミンで暮らす人もホーチミン旅行に来る人も、視点を大きくして、街を歩いてみてはいかがだろうか。


 

マジェスティックホテル

ドンコイ通りはサイゴン川沿いに建つマジェスティックホテルからはじまる。


1925年に開業した、90年以上の歴史を持つホテルだ。当時流行していたアールヌーボーを取り入れた建築で、1階ロビーの天井や窓の装飾としてアールヌーボーを見ることができる。


人によっては、過剰装飾と感じるかもしれない。


建物は古いものの、室内の設備は改装してある。


泊っても一泊150ドル程度だから、それほど高くもない。ちょっとした贅沢として90年前にタイムスリップするのも悪くない。


ちなみに、屋上にあるバーからはサイゴン川の絶景を眺めることができるのだが、サイゴン川に反対岸に建てられた大型の看板が興を削ぐ、ホーチミンも景観法を制定してもう少し、景観に気を使うべきだ。


 

ドンコイ通りの新しい建築

サイゴン川を背にして、サイゴン大聖堂に向かって歩いていくと、右側にグランドホテルが現れる。その通り沿いに目を引くホテルが最近できた。


「THE MYST」というホテルだ。真っ白な箱に虫食いのように大小様々なサイズの四角い開口があり、最近流行りのグリーンが壁から飛び出している。おしゃれなホテルに泊まりたいけど、古いホテルはちょっと・・・という方にはいいかもしれない。宿泊料は150ドル~とマジェスティックホテルと同価格だ。


そのホテルを右に見てさらにドンコイ通りを進むと、タイムズスクエアが現れる。1~2階にはイタリアの高級家具が売られている。入り口の装飾も豪華だ。


1台50万とか100万とかするソファがたくさん並んでいるが、いまのベトナム富裕層には需要があるようだ。ベトナムの成長を象徴している建物でもあるが、利用できる富裕層はまだまだ限られている。


さらに進むと右側にシェラトンホテルとカラベルホテルが見えてくる。


シェラトンホテルは、2003年開業した比較的新しいホテル。


カラベルホテルは新しく見えるが、意外と歴史が古く1959年開業だから南ベトナム時代に建てられたホテルだ。 


その2つのホテルとドンコイ通りを挟んで反対側にあるのがルイ・ヴィトンのショップだ。ヴィトンのショップのディスプレイはいつも斬新で、目を楽しませてくれる。

市民劇場

カラベルホテルを過ぎて右側に現れるのが市民劇場だ。


1900年完成、正面上部に天使像が舞い、エントランスにはカリアティードといわれる女性柱が建つ非常に華やかな建築だ。マンサード屋根といわれる腰折れ屋根はフランス古典主義建築の特徴だ。


しかし、この市民劇場。今でこそ、オペラなどが行われる劇場と使用されているが、南ベトナム時代は国会議事堂として使われていたという、ベトナム激動の時代の象徴でもある。


 

コンチネンタルホテルサイゴン

市民劇場を挟んでカラベルホテルと反対側に建つのがコンチネンタルホテルサイゴン。マジェスティックよりも歴史があるホーチミンに建つもっとも古いホテル。僕の結婚式会場でもあり、かの司馬遼太郎がベトナム戦争の取材時に滞在していたホテルでもある。


中庭を囲うコートハウス型低層ホテルだ。僕の母がベトナムに来たときにたまたま泊ったのだが、白ベースの内装が美しく、マジェスティックホテルのようなケバケバしい感じがない。母も気に入ったので、ここで結婚式を挙げることに決めたのだ。


100ドル程度で宿泊できるし、宿泊客でなくても料金を払えば、朝食ビュッフェ堪能できる。100年前の歴史を感じるために、少しお金を出してみてはいかがだろうか。


ちなみに、結婚式を行うカップルは、90ドルでスィートルームに宿泊できる。


 

中央郵便局

コンチネンタルホテルを過ぎて、5分ほど歩くと、正面にサイゴン大聖堂が現れる。その右側に建つのが、中央郵便局だ。ホーチミン観光コースなので、訪れる観光客は多い。日曜日などは、郵便局前の広場で結婚記念の写真撮影をしているカップルもよく見かける。


 1891年完成、黄色い壁にアクセントで白いフランスらしい装飾が施されているが、屋根がインドシナ式で折衷主義的といわれる所以だ。中に入るとガラス張りのヴォールト天井が目を引くが、それ以上に目を引くのがホーおじさんの巨大な肖像画だ。また、壁面にはフランス著名人の名を記したレリーフが1面に飾られている。また、入口脇上部の壁画には、植民地当時のサイゴンの地図が今も残っている。


 

サイゴン大聖堂

かつてカティナ通りといわれたドンコイ通りの突き当りにそびえるのがサイゴン大聖堂。ノートルダム聖堂、聖マリア教会といわれたりもする。赤レンガづくりで2本の尖塔が目を引くロマネスクの外観を持つ教会。今でも、ホーチミンのランドマークになっているモニュメント的な建築だ。


1877年から3年かけて建造されて完成は1880年。建築材料はレンガに至るまで全て本国のフランスから取り寄せたと言われている。


ベトナム南部の熱帯気候に対応するため、通風口が開けられた。ただ、孔を開けるわけではなくて、美しいパターンになっているのも見どころのひとつだ。


教会では、決まった時間にミサが行われており、だれでも入ることができる。 


ホーチミンは、ハノイ程長い歴史を持つ都市ではないが、フランス植民地時代から激動の歴史を刻んだ街だ。建築を見ながら、ベトナムの歴史を堪能するのも一興だと思うが、いかがだろうか。


 


もっとドンコイ通りの建築をご覧になりたい方はこちら


ドンコイ通り建築散策写真集

経験した日: 2017年03月11日

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Ambassadorのプロフィール


小池侑鋤

インテリアに関わって14年。 ベトナム在住は2010年~。2013年にベトナム女性と結婚して1児の父。ベトナムで椅子のデザインや設計をしています。 絵を描いたり、ブログを書く時間が大好きなクリエイター思考。安くて売れる椅子を作るカグデザイナー。一級カラーコーディネーター。『カグデザイナーの毒舌ブログ http://www.kagustar.info/』と『椅子ラボ http://chairlabo.com/』を運営中。

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