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ワーホリ先の課題を現地目線で見つめる大切さ〜台湾ワーホリから中国・深センでドローン事業を立ち上げた川ノ上和文さん〜
xyZing.innovation(翼彩創新科技(深圳)有限公司)CEOの川ノ上和文さんが、寿命100年時代のキャリアを高める“戦略的ワーホリ論”について語る連載の第5回。
ワーホリを決めた理由の一つ「イノベーションの種を見つけること」を見事達成した川ノ上さんですが、土地勘・人脈ナシの状況から一体どうやって開拓していったのか? 今回は現地での「情報収集方法」に迫ります。
現地トレンドを掴む3つの方法
※駅中の広告
− 前回(vol.04)は一から始めた人脈作りを伺いましたが、現地での情報収集はどのように進めていったのでしょう?
川ノ上:まずは基本ですが現地の雑誌や新聞など各種メディアです。個人的に一番関心があったのは“台湾に眠るイノベーションの種”や台湾国内のビジネストレンドだったので、台湾人向けのビジネス誌は必ずチェックしていました。
もともと書店へ行くのも大好きなので、定期的に書店へ行ってビジネス誌を手に取り、どんなテーマが国内で盛り上がっているのかを見ていたんです。ビジネス誌に取り上げられるということは多くの人が関心を持っているということ。主要とされる新聞、数誌、メディアにはしっかり目を通すようにしていましたね。
二つ目は、トレンドを掴んだ後は実際にその様子が見られる場を探して、セミナーやエキスポ、交流会に足を運ぶこと。イベントサイトを中心に情報を集めて、毎週何かしらのイベントに行っていたと思いますね。
特に印象に残っているのは台湾人向けに週1回開催される異業種交流会です。毎回異なるテーマで3人のスピーカーが呼ばれ、それぞれが20分ずつくらい話してくれるのですが、台湾の大学生や同世代のビジネスマンに出会えることも楽しかったので、都合が合えば必ず行くようにしていました。
その他にも台湾人向けのビジネス勉強会、IT製品の展示会、政府機関や業界団体が主催するフォラームや業界シンポジウム等、面白そうだと思ったものにはとにかく参加しました。使用言語は基本中国語なので、ほとんどの場合外国人は私だけでした。
内容は予備知識がなかったり、専門性が高いと理解できないことも多々あるんですが、わからないことを知るというのは自身の現時点での語学力指標にもなりとても良い機会です。
最後にもう一つ意識していたのは、自分の「足で稼ぐ」ことです。
−「足で稼ぐ」とは?
川ノ上:例えば日本で飲食店を探す時、皆さんはどうしていますか?『食べログ』などの評価サイトを参考に予約して、ピンポイントにお店を訪ねることが増えてきていると思うんですが、私が大事にしているのは、街を歩きながら「あそこ雰囲気がいいなあ」と思ってフラっと入ってみること。
食べ物に限らず、目的もなく街を歩きながら「あの店面白いなあ」「あの広告気になるな」と目にとまったものを取り入れてみるというのが、私が思う「足で稼ぐ」の意味です。
最近は検索機能が便利になってきて、知りたい情報にたどり着くまでの時間がどんどん短縮されてきていますよね。でもそれは裏を返せば“現時点で関心がないけれど未来の自分に必要かもしれない情報”を取り入れる機会を失うことでもある。
台湾ワーホリ時代には、通りすがりに見かけた看板や駅のポスターを通じた「偶然の出会い」みたいなものがあったので、意識的に町歩きをしながら、興味があるかどうか分からなくても目に止まったイベントには行ってみるようにしていました。
目に止まるという現象は自分の潜在意識が反応しているからだと考えていて、これは興味あるなしの嗜好よりも根源的な自分への理解につながります。
台北駅のような大きな駅には、人が集まる待合室など目につきやすい場所に広告スペースが沢山ありますよね。イベント告知や新刊の情報など、大都市であるほど面白い情報が集まってくるのですが、自分で意識していないと意外とスルーしてしまうんです。
特に慣れない外国語ならなおさらですから、面白い情報を逃さないためにも“キョロキョロしながら歩く”というのはオススメですよ。あ、周りばかりに気を取られないで、もちろん交通状況には十分に注意してくださいね。(笑)
“すごいけれど未知の部分が多い”ドローンとの出会い
※台湾のドローン専門家のセミナーに特別参加中
− ドローンとの出会いも、情報収集の延長線上にあったわけですね。
川ノ上:はい。ビジネス誌でドローン関連の記事を見かけることが増え「関心を集めているな」という印象はありましたが、さらに興味を持つようになったきっかけは、ある雑誌で見たインタビュー記事でした。
インタビューを受けていたのは“台湾ドローン界のキーマンらしき方”で、お名前を検索してみたところ彼へのコンタクトフォームを見つけて。何の気なしに連絡をしたら、たまたま返事をいただけて会うことになったんです。
高雄(台湾南部の都市)在住の方なんですが、台北に行く用事があるから会おうと言ってくれて。あとから聞いたら、普段はあまりコンタクトフォームは見ないらしいのですが(笑)、運が良かったです。それが2015年8月ごろ、ワーホリ開始から半年経たない頃ですね。
彼から聞くドローンの話が本当に面白くて、その後は一気にドローンにのめりこむようになりました。こうしてドローンと出会ってから深センへ行くまではVol.1でお話ししたとおりですが、ドローン専門家の方をはじめ沢山の人たちとの出会いが今につながっているなと実感します。
− 川ノ上さんをそこまで魅了したドローンの魅力、私たちにも教えていただけますか?
川ノ上:一言でいえば、”すごいけれど未知の部分が多いこと”ですね。調べれば調べるほど、色んな可能性が見えてくるんですが、実現できていることはまだ多くない。今世界中で同時多発的に進化しているので、どこでどんな使い方がされるのかは、予想しにくい。
でもその技術進化のスピードは非常に速く、近未来とされていたことがすぐ現実になる。「近未来の連続で創られる”未来”にはどんな世界が広がるんだろう」と、創造力をすごく刺激してくれるんです。
これはドローンに限らず、進化の早い新興産業全般に対して言えることですね。
私は実はドローンだけに関心を持っている訳ではなく、VR、AI、ブロックチェーン等人々の生活を大きく変えうる可能性がある領域全てに興味津々です。そのきっかけになったのがドローンであることは間違いなく、その興味の根元には”人類の機能拡張”があります。
ドローンのようなテクノロジーが人と共存することでどんなライフスタイルになるのだろうか、私たちは何ができるようになるのだろうか。物理的な機能拡張はもちろんですが、ドローンが創り出す新体験により、私たちの思考回路はどう変わって行くのだろう。そんなことを考えるのが大好きなんです。
「現地目線」でその国を見つめる
※台北市長が登壇するシンポジウム
− 先ほどお話に出てきた異業種交流会やエキスポ等、すべてが“現地の人向け”でしたよね。そうした場所をあえて選んでいたのでしょうか?
川ノ上:そうですね。私の場合はワーホリ前から「数年の間に自分の事業を持ちたい」と考えていたことが大きく影響していたと思います。事業展開するフィールドを日本だけに絞ってはいなかったので、どの国であれ「これだ!」と思えるものを見つけたかったんです。
台湾でもイノベーションのタネを常に探していた私は、台湾人から関心を集めているテクノロジーや国内の創業事例について知るため、現地の人が興味を持つ情報をメインにチェックしていましたね。
それから現地の人たちとのコミュニケーションにも、現地目線で集めた情報はとても役に立ちます。
なぜなら“その国についてよく知っている外国人”であるほど、現地の人たちとよりコミュニケーションを取りやすくなるからです。例えばワーホリ中に新しい友人と会った時、シンプルな自己紹介だけでなく「雑誌で取り上げられたあの話題についてどう思う?」という質問ができると、「お、こいつちょっと知ってるな」と思ってもらえる。
そういう切り口で始まった会話の中で、台湾のことを日本人が教えることもあったりして(笑)。その土地を表すキーワードを知っていると質問することもできるし、現地の人がどう考えているかを生の声で聞けるのでよく分かります。これは自分自身にとっても面白いことでしたね。
−「その土地を表すキーワード」ならワーホリ開始前からでも調べられそうですね。
川ノ上:そうなんです。その土地に対する自分の理解も深まるし、相手も喜んでくれますよ。
自分に置き換えて考えてみても、大阪のことをよく知っている外国人に会ったら「おもろいな!」と思いますしね。「たこ焼き」「お好み焼き」はもちろん、「おおきに」なんて言われたら驚く反面すごく嬉しいですよね。
実はこれ、北京の留学サポート会社でインターンをしていた時、”中国地理講座”というのを日本人駐在員を対象にやっていた経験が活きています。中国は広く、東西南北それぞれの文化慣習があり、東京人と大阪人が異なるように北京人や上海人も考え方が異なります。
人の考え方はその土地の地理環境に大きく影響を受けますし、誰しも少なからず地元愛はあります。ですので各エリアの地理環境やキーワードを学ぶことは駐在員として現地生活をし、ビジネスを作って行く上で大切だと考え、中国人スタッフと企画運営していました。
今ワーホリを検討している方がいれば、地域ごとの料理や観光地、有名人、方言等、その土地を表すキーワードを色々な切り口からぜひ見つけてみてください。
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見知らぬ地でも アグレッシブに情報収集した川ノ上さんに次回伺うのは「学びのアウトプット」について。インプットだけで終わらせない“自分を高めるアウトプット法”に迫ります。
【プロフィール】
川ノ上 和文/Kazufumi Kawanoue
xyZing.innovation(翼彩創新科技(深圳)有限公司)CEO
大阪出身、中国・深セン在住。xyZing.innovation(エクサイジング イノベーション)CEO/総経理。深センを軸としたアジアxMICE(Meetings,Incentives, Conferences,Events)の事業開発をてがける。高校卒業後、東洋医学に関心を持ち北京留学。その後留学支援会社での講座企画、上海での日系整体院勤務、東京での中国語教育事業立上げ、台湾ワーキングホリデーを利用した市場調査業務に従事。新興国や途上国における都市成長やテクノロジーの社会浸透、人間の思考や創造力の開発に関心が高い。現在、ドローン活用の思考枠を拡げるための場として深センでアジアドローンフォーラムの開催準備中。
経験した日: 2017年08月17日
Ambassadorのプロフィール




















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