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生徒自ら運営する体育祭を。バングラデシュで6年かけて実現!【教えて!噂の彼氏の海外事情】
前回、2013年 本校初の体育祭開催の経緯について書きました。そこで今回は、初開催から現在に至るまで、このビッグイベントがどのように変化していったかを書いていきます。
■前回記事:バングラデシュで日本式体育祭を。個人競技だけでなくチームワークを教育に取り入れる(リンク)
ぶっつけ本番が当たり前の体育祭、生徒に自主練を促すには!?
各チーム・リーダーのプロフィールを掲示する
2013年から体育祭を開くようになってから、この6年間で多くの変化がありました。
2014年には校舎と同時に本校グラウンドも完成して開催地の問題が解決してからは、体育祭の中身に時間を注ぐことができるようになりました。生徒数も年々増加し、当初2チームでやっていたのが2015年からは6チームに分かれ、また当初は教員が生徒に競技の説明や練習を指導していましたが、縦割り活動として各チームにリーダーをおいて、上級生が下級生たちの面倒をみるようにしました。
一般的なバングラデシュの学校の体育祭は個人競技のみ。競技の練習は事前にせず、ぶっつけ本番です。本校では縦割り活動を取り入れたことで自然と、優勝を勝ち取りたい上級生が下級生たちに自主練習を促すようになりました。
この国で「体育祭の自主練習」などという考えが芽生えるとは到底イメージしにくかったのですが、雰囲気作りが功を奏したかなと思っています。
日本人主導から現地教員主導へ(2014・2015年)
2013年、初の体育祭は私たち日本人スタッフが主導して運営しました。ただ、私たちが目指すのは「生徒主導の体育祭」です。そのため、まずは現地教員主導で体育祭を運営できるようにする必要がありました。現地教員が運営方法をすべて把握した後、生徒へ移行していくのです。
まずはある教員をリーダーとして彼中心に進めていったのですが、思っていたよりも事がスムーズに進みません。前年に私たち日本人が仕事の進め方を教え、ベースとなる資料を作成していたにも関わらず……と思うと、内心呆れることもありました。結局、「現地教員主導」での初の体育祭運営は、日本人スタッフが多くの時間を割いてサポートすることで、なんとか実施することができました。
ただ、一度経験したら要領を掴んだのか、翌年には私が口を出す必要もなくなりました。
日本人主導から現地教員主導へ進む過程で、指導の時間もエネルギーもたくさん使いましたが、今思えばこの過程を通して教えた仕事のやり方やマネジメント方法などが、学校運営の他の場面でも活きることが多々あったので、今思うととても良い機会でした。
さて、「生徒主導」はこの国で実現可能か?(2016年~)
現地教員主導で体育祭ができるようになったら、次は生徒自ら運営する体育祭への挑戦です。2016年に現地教員が生徒に運営指導をして、2017年には生徒主体の体育祭開催を予定していました。
現地教員とのミーティングで、彼らが生徒に対してどのように運営指導していくか事前に話を聞いた時は、ある程度イメージが固まっているようだったので安心して任せていました。ただ、これが後ほど問題に……。
当初、現地教員が生徒へ指導しながら共に体育祭運営をすると聞いていましたが、体育祭が近づくにつれ気づいたのが、教員たちが生徒自らの運営を指導するのではなく、生徒を「手伝い要員」としか見ておらず、さまざまな指示を出していたこと!
なぜこうなったか理由を尋ねると「生徒の自主運営を促すよりも、指示して彼らを動かすほうが準備の手間も時間もかからず、合理的だ」という考えのようでした。
本来目指していた「生徒への運営指導」が置き去りにされ、いつの間にか準備を進めてしまっていたのです。
私がその事実に気づいた時はもう体育祭直前。結局その年はやむなく現地教員主導での運営で終わりました……。こういう予想外の展開は異国の地ではよくあることですが、信用していた現地教員に任せきっていた私の責任でもありました。
それを踏まえ、翌年は現地教員の指導手順と進捗状況を細かく確認しながら進めました。生徒への指導中、うまくいかないと教員がナーバスになることもはじめはありましたが、「生徒たちが運営する体育祭」を目標に、時間はかかっても生徒自身がやることに意味がある、と根気強くサポートするようになっていきました。そうして、準備から運営に関わる一連の流れを生徒に指導しながら開催したのが2017年の体育祭でした。
そして、今年2月の体育祭は初めて、生徒だけで準備から最後まで手掛ける体育祭を開催しました。小さな問題が発生することはあったものの、実行委員発足から当日の運営終了まで、目標通りすべて生徒だけで実施することができたのです!
初開催から今年まで6年という歳月はかかりましたが、私が思い描き続けた「生徒による体育祭運営」を実現でき、嬉しい気持ちとともに、ようやくここまで来ることができたと安心しました。
生徒主体で動く文化を作れば、このポリシーで今後他の学校行事も同様に開催していけますし、この意識が学校をより発展させていってくれるのではないでしょうか。
これからもどんどん新たな取り組みを実施していきたいので、またそのうち記事でご紹介しますね!
経験した日: 2018年05月04日
by Nnn