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貧しい家の子たちでも成績上位になれる!「奇跡」とまで言われた、卒業試験ハイスコアへの挑戦

Posted on 2018年06月29日
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前回(リンク)、生徒数や生徒募集の変化について書きました。


今回は、学業成績の結果のみが学校の評価を左右するバングラデシュにおいて、本校がどのようなポジションにいて、現在までにどのように変化してきたかについてお話します。


 


 

超!学歴社会バングラデシュ

バングラデシュは超が付くほどの学歴社会です。大卒であることはもちろんのこと、高校の成績(全国共通卒業試験)も履歴書に書かなければいけません。また、社会に出てからも各企業で試験が開かれ、その試験の成績によって昇進のスピードが決まるのです。


学歴や学業成績を第一に考えている国ですから、この国での良い学校とは一般的に「高い成績結果を出している学校」になります。


 


極端に試験の成績結果や学歴にこだわっている国なので、試験の時には、チョットあり得ないような事件もちょくちょく起こります。


ここ数年、ニュースとして話題になっているのが、全国共通卒業試験問題用紙の流出です。
ある学校の成績がここ数年で急激に良くなったことで、いろいろ調べてみると学校から受験生徒に事前に配られていた問題と卒業試験問題がほぼ同じ内容だったというのです。調べてみると、役人や印刷会社の人が、問題用紙をその学校に高額で譲っていたことが発覚し、大きな問題になったこともありました。


試験会場でのカンニングも露骨です。
試験終了後の会場周辺にカンニングペーパーのゴミが散乱している様子の画像が新聞に載り、話題になったこともありました。


ここ最近はメディアも問題視してよく取り上げるようになったことで多少は抑止力にもなっていますが、いまだに横行しているのが実態です。


 


 

えっ!県で一番を目指しちゃうの!?

この国のカンニング問題は以前から聞いていたので、本校では生徒に日頃から「テストは自分の教科の習熟度を測るもの。テストの結果によって自分の弱点が分かるのだから、カンニングして高い点数を取っても将来、自分のためにはならない」という話をよくしています。
もちろん、そもそもカンニングという行為自体がいけないことだは話していますが……。


 


2013年に70名の生徒が本校に入学して3年後の2016年、JSC(中学卒業試験)が行われました。本校初めての中学卒業試験になります。


成績の評価は7段階に分かれていて、最高評価がA+、続いてA、A-、B、C、Dそして最後は落第のFになります。


本校初めてのJSCの結果は、成績評価A:38名、A-:24名、B:8名の全員合格でした。
最高評価のA+はおらず十分満足いく結果とはいきませんでしたが、入学当初で小学4年生ぐらいの学力しかなかった生徒たちが誰ひとり不合格にならず、よくここまで頑張ったなと思いましたね。


ただ、この結果を受けて私以上に火が付いたのが現地の教員たち! もっと上を目指したいということで、ここから中期の学力向上計画を作成しました。


そして、私たちの学校がある市(プーバイル市)で3年後に1位、そして5年後には県(ガジプール県)で1位になることを目指したのです。それも目標をただ掲げるだけでなく、達成するために緻密な戦略と戦術を練りに練りました。


ロードマップはできたので、あとはやるのみです。今まで以上に教員たちに多くの仕事がのしかかりますが、皆やる気に燃えていました。


 


 

努力の末の試験結果は…!?

目標に向け、朝は補習、放課後は習熟度別講習を開き、他にも個別カウンセリング、バングラデシュでは珍しい保護者会を実施して、学校での様子等を共有する機会を設けました。休日も個別指導で生徒のサポートをする教員もいるぐらいの熱の入れようです。


こうして目標に向かい、本格的に学力向上に力を入れてから1年。
2016年、私たちにとってJSC2年目の結果は成績評価A+:10名、A:63名、A-:15名、B:3名。全員合格することができ、プーバイル市で1位、そしてガジプール県で14位と、3年後の目標を2年で達成したのです! 教員たちの頑張りが実を結んだ結果となりました。


その翌年2017年には、成績評価ランクA+:20名、A:59名、A-:19名、B:3名。全員合格に加えて、プーバイル市で1位、ガジプール県で5位の位置まで来ることができました。


ここまで順調に来すぎていて怖いくらいですが、ここから更にガジプール県で1位をとるにはいっそう努力が必要であり、時間がかかりそうです。ただ、貧しい家の子どもたちでも頑張ればここまでくることができると証明できたことはみんなの自信にも繋がり、近所のお母さん方には「ナラヤンクルの奇跡」とまで言われました(笑)。※ナラヤンクルは、私たちの学校のある地域名


 


今後はまだSSC(高校卒業試験)もありますし、私たちの挑戦はまだまだ始まったばかりです。気を抜かずJSC、SSCともに、まずはガジプール県で1位を目指し、その後はバングラデシュ全土での上位を目指していきます。その目標が達成できたら、またこちらで発表させていただきますね!


 

経験した日: 2018年06月29日

Ambassadorのプロフィール


Katsu

宮城県仙台市出身。大学在学中はプロキックボクサーとして活躍。卒業後は日本の私学教員をやりながらタイ、カンボジア、ネパール、ミャンマーなどアジアの教育支援に携わる。その後、とある公益財団法人の仕事としてバングラデシュでモデル校となる学校建設・運営を任され、生徒数約1000名の学校をバングラデシュで立ち上げる。

Katsuさんが書いたノート


バングラデシュ に関するノート