- HOME
- 【シンガポールの法律10選】うっかりやらないように要注意!!
【シンガポールの法律10選】うっかりやらないように要注意!!
シンガポール在住のErikoです。来星してあっという間に1年4ヶ月経ちました。今年は当時マレーシア連邦の一部だったシンガポールが独立してから50周年の記念の年です。
これまで経済発展をとにかく優先させて来たシンガポールですが、今後色々な意味で、どのような国として成長していくか楽しみです。
先日独立50周年の企画のひとつとして『1965』という映画が公開され、私も見てきました!
映画のポスターは、シンガポール建国の父リークアンユー初代首相の顔がクローズアップされていたので、てっきり彼のドキュメンタリー映画かと思っていましたが、違いました。
シンガポール独立の原因となったマレー系と中華系の民族抗争では、多くの犠牲者が出ましたが、その辛い時代を乗り越えた一般の人々の暮らしに焦点をあてた映画でとてもよかったです。
そんな歴史を持つシンガポールは、民族対立のない平和な国を目指すため、独立以降様々な法律を作りました。
元々シンガポールは世界大戦時まではイギリスの植民地領だったので、コモンロー(Common Law)が採用されている国ですが、今回は独立以後リークアンユーの下で細かく制定された法律の一部を紹介したいと思います。
日本に住んでいる皆さんもご存知だと思いますが、シンガポールはとても安全で清潔な国と言われています。
その裏には、罰則が沢山定められているという背景があります。
余談ですが、私は先日初めて、路上でうつぶせに寝かされた状態で手首に手錠をかけられ逮捕されている人を見ました。結構衝撃的でした。
以下、シンガポールで禁止されていること10つをご紹介します!
1、ごみのポイ捨て
罰金刑です。これは有名ですね。
でもはっきり言って汚いところは非常に汚いと個人的には思います。
飲食店や住宅周りは特にごみが外に散らかっているイメージで、例の黒い虫は日常的に見られます。
鳥にエサを与えることも禁止されています!
2、ガムの持ち込み
この禁止は結構皆守っていると思います。
外でガムを噛んでいる人はあまり見かけませんし、道路や壁がガムで汚れているということもありません。
3、落書きや破壊行為
Vandalism Actは公共物や、所有者の許可なしにその私有物に落書きをする、破壊することを禁止する法律です。
罰金、禁錮刑、または鞭打ち刑が待っています。
リークアンユー著書の日経新聞『私の履歴書』の中で、この法律について言及している箇所があります。
「シンガポールは他国のように何百年かかって築き上げられた文化的生活の蓄積がなく、シンガポールの人々の行いや態度は英国などに比べて劣っている。人間は生まれながらにして性悪だと考えているので、法律で律する必要がある」と言っています。
この法律で二十年前にアメリカの青年が鞭打ち刑に処され、国際的にも他国から非難されましたが、これがリークアンユーの考え方です。
4、映画
ものによりますが、ヌード、暴力、薬物を使用しているシーンは削られることが多いです。
同性愛のラブシーン(キス含む)もダメです。
標識の表記は、上から英語、中国語、タミール語、マレー語のように併記されていることが多い。
また、シンガポールの公用語は、英語、マレー語、タミール語、北京語ですが、それ以外の中国の方言(福建語、広東語など多数)を映画の中で使うことが制限されています。
以前は完全に禁止されていましたが、今は40%の使用までは認められているようです。
1979年に、リークアンユーは Speak Mandarin キャンペーンを実施し、中国の方言の使用が国民の英語や北京語の習得の妨げになると考え、中国語の統一を図りました。
5、自宅内で外から見える状態で裸になる
これはMiscellaneous Offences Actで禁止されています。
この法律は他にも色々な迷惑行為を規制していますが、とにかく規則みたいに細かいです。
特に私が住んでいるHDB(公団住宅)は、風通しよく作った開放的な設計になっており、真正面の棟は道路一本と駐車場分を隔てた距離のため、家の中はなかなか良く見える状態です。網戸なんてありません。
6、デモ
無許可で5人以上が集まりデモを行うことは禁止されています。
すぐに逮捕されます。
7、選挙の投票に行かない
選挙権を没収されます。
お金を払えば選挙人名簿への再登録可能とのことです。
8、ドラッグ
18歳以上で以下のドラッグを所持している場合、絞首刑になります。
外国人観光客も対象です。
・ヘロイン15グラム以上
・コカイン30グラム以上
・大麻500グラム以上
・メタンフェタミン(覚せい剤)250グラム以上
9、銃の発砲行為
死刑になります。
10、ISA(国内治安維持法)
これは謎な法律で、逮捕状なしで被疑者を拘束、裁判なしで拘禁できます。
日本にもかつて治安維持法というのがありましたね。
今年亡くなったシンガポールで有名な刑事弁護士のSubhas Anandanという人物がいますが、彼もかつてこの法律のもとに、無実の罪で捕われ、9ヶ月もの間刑務所生活を送りました。
なかには何十年も刑務所に入っている人もいるそうです。
そんな彼ですが、この法の廃止には反対らしく、実際有罪で拘留されている人の方が多いという理由で、裁判なしの拘禁に賛成のようです。
独立以来、様々な法律がつくられましたが、日本から見たらちょっと驚くような法律が沢山あると思います。
シンガポールの違う一面が見られたのではないでしょうか。
今後シンガポールで働きたいと考えている人や観光に来たいと思っている方々、他人事とは思わず気を付けてくださいね!
ライター
Eriko
2009年6月に大学卒業後、都内の法律事務所にて弁護士秘書として勤務。2014年5月よりシンガポールで現地採用として日系法律事務所で勤務。趣味は旅行とミニシアター系映画鑑賞。将来の夢は映画の字幕翻訳!
by Nnn