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ベトナムを音で感じよう!クアンホの魅力

まるで歌を歌っているかのような心地よい音の響きをもつベトナム語。ベトナムは詩や歌の文化がとても奥深く、その魅力はやはり音だと感じます。今回はベトナム文化を知る一例として、「クアンホ(quan họ)」と呼ばれるベトナム民謡をご紹介します。
クアンホとは?
M M on Flickr
クアンホとは、現在のバクニン省・バクザン省のあたりを指すキンバック(Kinh Bắc/京北)地方発祥の民謡のジャンルで、男女のグループに分かれて歌い合うのが基本のスタイルです。
愛しい人に向けた想いをのせた歌が多く、少し物悲しくも心落ち着く曲調が特徴といえます。植物や生き物などの自然も盛り込まれている歌詞からは、農村の風景を想像することもできます。
なんとクアンホは音楽的・文化的価値が認められ、2009年にユネスコの無形文化遺産に登録されているのです!
ベトナム人なら誰でも知っている曲が多いので、人々の生活に密着した文化遺産ともいえますね。
実際に聞いてみよう!
昔から人々の間で歌い継がれてきたクアンホは、現在でも多くの人々に歌われています。首都ハノイにも歌う活動があって、私もベトナム留学時に参加していました。
ハノイ留学時に参加したクアンホのクラブ活動
クアンホが歌われる1番大きなお祭りといえば、バクニン省で旧暦の1月12日〜14日に開催されるリム祭り!
会期中の2日目が最も大きな盛り上がりを見せ、毎年多くの方が押し寄せます。バクニン省はハノイの隣に位置しているので、長距離バスを使えば旅行客でも簡単に遊びに行くことができますよ! 機会があったらぜひ足を運んでみてくださいね。
実はクアンホはベトナムを舞台にした映画の挿入歌にはしばしば使用されています。今まで気がつかなかっただけで、すでに耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね!
今度は歌ってみよう!
歌はただ聞いているだけではもったいない! 自分で歌うことで初めてその良さがわかってきますよね。
というわけで、ベトナム人なら誰でも知っているほど有名な「Bèo dạt mây trôi (ベオザッマイチョーイ)」の歌詞と、その意味をご紹介します。こちらは私が最初に覚えたベトナム語の歌で、「日本人がこの歌を歌えるなんて!」とどこで歌っても大ウケしました(笑)。
確かにベトナム語はとても難しいですが、意味が分からなくてもきっと音の響きを楽しんでいただけると思います。
インターネットで「Bèo dạt mây trôi」と検索するとメロディーを聴くことができるので、チェックしてみてくださいね。歌詞の訳をつけたので、ぜひ情景を思い浮かべて聴いてみてください(クアンホは昔から人を介して伝わってきたものなので、同じ歌でも歌詞にいくつもバリエーションがあります)。
DucDigital on Flickr
Bèo dạt may trôi「漂う浮き草 流れる雲」
Bèo dạt mây trôi chốn xa xôi (ベオ ザッ マイー チョーイ チョン サー ソーイ)
Anh ơi em vẫn đợi bèo dạt (アイン オーイ エム ヴァン ドイ ベーオ ザッ)
Mây trôi chim xa tang tính tình cá lượn (マイー チョーイ チーム サ タン ティン ティン カー ルオン)
Ngậm một tin trông hai tin đợi ba bốn tin chờ (ガム モッ ティン チョン ハーイ ティン ドイ バー ボン ティン チョー)
Sao chẳng thấy anh (サオ チャン タイー アイン)
遠く遠くへ浮き草が漂い、雲が流れる
愛しいあなた 私は漂う浮き草をまだ待っています
雲は流れて、鳥は遠くでさえずり、魚はくるくると回る
あなたからの便りをずっとずっと待っています
どうしてあなたはここにいないの
この曲の起源は諸説あり「これはクアンホではない」という方もいます。ですが多くのベトナム人に愛されていることには変わりないので、ぜひ聴いてみてくださいね。
歌を通してベトナムがもっともっと近くなる!
Brian Huang (黃世璈) on Flickr
ベトナムの民謡クアンホはいかがでしたか? 昔から歌い継がれてきた民謡には、人々が感じてきた想いや、見てきた風景が反映されています。
外国語の歌を理解しようとすることは、ベトナム語の歌に限らずとても難しいことですよね。ですが現地の文化を知ろうとする姿勢は、私たちとベトナムを近づける手助けをしてくれるはずです。
これを機会に、ぜひ色々なベトナムの曲を聴いてみてくださいね!
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