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まるで無法地帯!?ハプニングの連続から学んだバングラデシュの仕事術

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こんにちは! 杉山弥央(みお)です。


前回の記事で、バングラデシュのビジネス事情についてお伝えしました。今回は、バングラデシュで実際に働いている筆者の経験を基に、この国で働くとはどういうことなのかをお伝えします。

 

ローカル企業にてバングラデシュでのキャリアスタート

 

現在私は、ローカルITスタートアップ企業「Hishab」にて、HR部門のマネージャーとして働いています。

Hishabは、ボイスベースのユーザーインターフェースでデータ入力できるERPソリューションを提供しているスタートアップです。

 

バングラデシュは、15歳以上の識字率がたったの60%。Hishabは、文字を読めない人が多いこの新興国で、どんな人でも「ボイス」でシステムを操り、より良い社会を創ることができる世界を目指しています。今まで重要な消費者としてみなされてこなかったBOP(Bottom of Pyramid)層にもリーチする、新興国を変えることができるInnovativeな会社です。

 Pic2_JuneHishabのシステムを使っているローカル小売店にて、弊社の代表と

 

個人的にはHRの仕事や、ASR(Auto Speech Recognition)やAI(Artificial Intelligence)・BI(Business Intelligence)など弊社が使用するテクノロジーに関しては、今まで全く経験がなく新しくチャレンジする分野です。

まだまだ分からないことだらけですが、自分のバックグラウンドである「IT」を、ずっと携わってみたかった「ソーシャルビジネス」の分野で活かせる夢のような仕事。日々楽しく、時に悶々・イライラしながら働いています。

 

働く中で感じた大原則とは......

日々働いている中で感じた、この国でビジネスをする上で心に留めておくべき大原則のひとつは、「簡単に人を信じてはならない」ということです。

 

特に、次の3つのことには常に気をつけています。

 

1. 頻出ワード「ショモシャナイ」「インシャーラー」には要注意

バングラデシュでは「ショモシャナイ(問題ない)」「インシャーラー(神が望めば)」という言葉が頻出しますが、この言葉を聞いた時は要注意です。

「プロセスはちゃんと進んでる? 」「ショモシャナイ」→大抵何かしら問題があります。

「明日までにできる? 」「インシャーラー」→遠回しに「できない」という意味です。

口頭の答えだけでなく、何かしらの証拠を自分の目で見ない限りは安心できません。

 

2. 成果物のダブルチェックは欠かさない

書類コピーのような、どんなに単純な作業を頼んだとしても、ページがバラバラのままホチキスで留められていたり、ページが抜けていたり、そもそも印刷されていないファイルがあったりします。どんなに小さな作業でも、根気強くダブルチェックしましょう。

 

3. 裏づけをしっかりとる

信じられないことですが、自分のレジュメの学歴や職歴を詐称する人が多いと言われています。(しかも実際にない大学名を記載したりすることもあるとのこと。すぐにばれるのにどうしてと思います(笑))その為、学歴については大学に連絡を取って確認、職歴については前職のボスの連絡先を聞いて、実際の在籍の有無・評価・給与まで照会をかけるのが普通です。

 

他に大切な原則は、「常にリスクヘッジする感覚をもつ」ことです。

バングラデシュは車で20分で行ける所まで渋滞で1時間かかったり、銀行の突然のポリシー変更や煩雑な手続きのせいで突然お金が下ろせなくなったり、毎日のように起こる停電やインターネット断線で仕事を中断せざるを得なくなったり、スムーズに物事が進むということがあまり無い国です。不可抗力の部分が大きいので、大変ですが自分たちで二重、三重にもバックアッププランを作っておくと、被害を最小に抑えられる確率が高くなります。

Pic3_JuneHishabイメージ画像

 

上記で記載したことはきっとバングラデシュだけでなく、新興国であればどこでも大方共通する事柄かもしれません。日本の常識からすると考えにくいですし、本来なら不要なはずの労力が物凄くかかるのが容易に想像できるでしょう。

 

個人的には日本なら1時間で済むプロセスが、バングラデシュだと10時間くらいかかる覚悟で臨むのがベターだと思っています(私の初海外・就職先であるシンガポールでも、海外特有の適当さや英語で結構苦労した記憶がありますが、それでも日本の2〜3倍くらいの時間で終わっていたでしょう)。

 

最初は、想定できないハプニングの連続にいちいちイライラしたり怒ったりしていましたが、すぐに諦めにも近い「しょうがない」という気持ちに変わりました。上記で述べてきたようなことは、この国のゆっくりしたお国柄、ある意味文化であり、それに自分の日本人としての価値観を押し付けて「相手を攻撃して変えさせる」ようにするのはナンセンスな気がしました。

 

自分から望んで選んだ、バングラデシュで働くという選択肢。うまく現地の事情を許容しつつ、「では自分がどうすれば良いのか」を念頭に進んでいきたいと思います。

 

Pic4_June

Hishabメンバーと。今は+6名に増えています!

 

このようにビジネスをする上での障壁はまだまだ高いですが、そのぶん成長のレバレッジの大きさに期待し、ブルーオーシャンを開拓する厳しさと楽しさを経験値として積みながら、自分の成長の糧にしたいと思っています。

 

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Ambassadorのプロフィール


アーメッド弥央

1988年生まれ、北海道出身。異文化と触れ合い新しい世界をみることが好きで、アイスランドの留学や世界約35ヶ国への旅、また東京で国際交流を目的としたNPO「Japanize」を友人と運営した経験あり。東京、シンガポールでの勤務を経て、2016年1月にバングラデシュに移住。バングラデシュ人の夫が経営するスタートアップHishabにて、ボイスユーザインターフェースのERPを新興国マーケットに展開中。

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