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ベトナム文化を詩から知ろう!伝統歌謡「カーザオ」の魅力

Posted on 2016年11月28日
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ベトナム各地で親から子へ、子から孫へ伝えられてきた「ca dao」(カーザオ・歌謡の意)。 こちらは一定の形式をもつ詩のことで、ベトナムの人々の生活や心情、そして風景をうたっています。   


今回はそんなカーザオを通じて、ベトナム人や文化のことを知っていきましょう!


 


 

 

カーザオとは?

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出典 Maarten Thewissen on flickr

 

民間で口承されてきたカーザオには、子守唄、労働歌、恋愛歌など様々な内容のものがあります。地域ごとに特色があり、同じような内容でも少しずつ違うカーザオが存在するのだそうです。

 

日本の川柳や俳句は5・7・5体をとっているのに対し、ベトナム語の詩の代表的な形式は6・8体。カーザオもその多くは6・8体をとっています。

詩を読む際の基本のルールは「2句目以降の6語目は、前の句の最終語と韻を踏む」というもの。

 

それでは実際のカーザオを読んで、リズムと意味を楽しんでみてください。

 

カーザオを読んでみよう!

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出典 Βethan on flickr

 

今回は3つのカーザオをご紹介いたします。

韻を踏んでいる箇所を太字にしたので、ぜひチェックしてみてください。

【恋愛歌】

Anh đi làm thợ nơi nao

(アイン ディー ラム ト ノーイ ナオ)

Để em gánh đục gánh bào đi đưa

(デー エム ガイン ドゥック ガイン バオ ディー ドゥア)

Trời nắng cho chí trời mưa

(チョーイ ナン チョー チー チョーイ ムーア)

Để em cởi áo che cưa cho chàng

(デー エム コーイ アーオ チェー クーア チョー チャーン)

 

・日本語訳

あなた どこへ働きに行ってしまうの

私に のみとかんなを持たせて ついて行かせて

日が照りつけたり 雨が降ったりしたら

私が脱いだ服で あなたのノコギリを覆わせて

 

この歌に表れているのは、遠く離れた場所へ行ってしまう恋人(夫)との離れを惜しむ女性の気持ち。

今では日本からベトナムまでも1日で行けますし、遠く離れた人との連絡手段も豊富にあります。

しかし、交通手段や連絡手段が発達していなかった時代に愛しい人と離れ離れになるのは、どれほど辛かったことでしょうね……。

【子への教え】

Con ơi muốn nên thân người

(コン オーイ ムオン ネン タン ングオイ)

Lắng tai nghe lấy những lời mẹ cha.

(ラン ターイ ンゲー ライ ニュン ローイ メ チャー)

 

・日本語訳

子どもよ 立派な人になりたいなら

お父さんとお母さんの言うことを よく聞きなさい

 

子どもへの教えも、カーザオとして詩の形になっています。

小さい頃から道徳的な教えに耳が親しみやすくなるため、ベトナムの人たちの基礎をなしているのかもしれませんね。

【労働歌】

Bao giờ cho đến tháng mười

(バーオ ザー チョー デン ターン ムオイ)

Thổi nồi cơm nếp vừa cười vừa ăn

(トーイ ノーイ コム ネップ ヴーア クオイ ヴーア アン)

 

・日本語訳

10月になれば

もち米を炊いて 笑いながら食べられる

 

「旧暦の10月はもち米の収穫の季節」という意味を表したこちらのカーザオ。ベトナムの主要産業・農業に関する慣習も、カーザオとして歌い継がれているそうです。

 

それぞれの季節を楽しみにしているベトナム人の気持ちも、伺い知ることができますね。

 

カーザオを通じてベトナムの理解を深めよう!

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出典 Justin Jensen on flickr

 

今回は3つのカーザオをご紹介いたしました。

ベトナム人の知り合いに音読してもらえば、そのきれいな響きがより分かるはずです。

 

口承詩であるカーザオは、人によって様々な解釈がある点も魅力的。

意味を尋ねてみると、それぞれの答えが返ってきて面白いかもしれません!

 

 

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さぬっふぃー

小学生のときにハリー・ポッターにハマったのがきっかけで、外国に漠然とした憧れを抱くようになる。 小学6年生のときにエマ・ワトソン(「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニー役)に各種自動翻訳サイトを駆使しながらファンレターを出す。 幸運にも返事をもらうことができて、「自分にはよく分からない言葉でも相手が反応して喜んでくれた!外国語って魔法みたい!!」と思い、外国語に興味を持つ。 英語以外にも世界には数千という単位で言語が存在することを知り、英語以外にももっとたくさん知りたいと考えるようになって、縁あって大学でベトナム語を専攻。 現在は大学院でベトナムの言葉について研究中。

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