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手段にこだわらず、自分なりの生き方を突き詰める 〜マレーシアで書道家・経営者 石川徳仁さん〜

Posted on 2016年09月01日
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マレーシアで書道家・経営者 石川徳仁さんのインタビュー。

不自由がない代わりに、生きた心地も感じない

マレーシアで暮らされて4年目とのことですが、その前は何をされていたのでしょうか?

大学時代は自分のやりたいことを決められずにいましたが、ルーティーンワークを毎日こなすことに抵抗感があったので、卒業後はコンサルティング会社に就職しました。

書道の先生の先生をしていた母方の祖母の影響からか、6歳から本格的に書道教室に通っていたものの、当時は自分も書道家になろうとは考えていませんでしたね。

 

新卒2年目では中国事業立ち上げのために中国・深圳に1年間駐在。

それまで漠然と憧れはもっていたのですが、一度も海外に出たことがなかった私にとって、中国で受けた衝撃は大きいものでした。

 

中国駐在の後、日本に帰国してコンサルタントとして独立し、その2年後に表参道で書道教室を開きました。

生徒数もどんどん増えてとても恵まれた環境だったのですが、結局毎日のルーティンがとても窮屈に感じられるようになってました。それで、中国で過ごした刺激的な日々が段々と恋しくなっていったのです。

 

また、当時私が持っていた肩書きは「書道家」だけだったのですが、もっと多様な表現方法を持ちたかった。でも、書道教室のメイン講師は私なので、もしいなくなると教室の運営が立ち行かなくなる。

 

書道家としての仕事に充実感を感じる一方で「この道だけで生きなくては」と思うと、すごく窮屈に感じてしまって。

 

私は、何かに執着する状況を作りたくないと考えています。「これだけが正解」となってしまうと、もしそうではなくなった時に苦しむことになりますよね。

だから、今持っているものを手放すために、どこか別の拠点に移動したいと考えるようになりました。

 

そこで出た選択肢が、中国への再渡航。

 

ただ、中国に住む友人に現地の状況を聞くと、あまり景気が良くないのでおすすめできないと言われたんです。

であれば、英語を学べる別の国にしようと思ったところ、マレーシアで4年間日本語教師をやっていた妻の親友との出会いがありました。彼女の話を聞くと、マレーシアはとても過ごしやすくて、子育てもしやすそう。

 

2011年の年末に家族で見学に来て、「ここだったら住める!」という確信が持てたので、2012年の4月に妻と息子と一緒に移住しました。

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固定概念や手段に捉われない、自由な生き方を

マレーシアに来られてから、どのように仕事を始められたのでしょうか?

 書道教室を合計4年間運営していたので、書道からは距離を置きたいと思い、半年ほど他事業でできることがないか模索していました。

 

そんな時に、現在提携させていただいているパートナー会社と出会い、マレーシア留学のサポート事業をスタート。

この会社の他にもアート支援やWeb関連など、合計4つの会社経営に携わっています。

 

書道家としての活動も去年から力を入れ始め、今年の10月から本格的に書道教室を定期開催します。

海外で活動している書道家はほとんどいないので、自分だからできることとして表現し続けたいですね。

石川さんのように、会社経営者と芸術家というふたつの顔を持っている方は珍しいように思います

活動内容をお伝えすると、その幅の広さに驚かれることがあります。

でも、たまたま書道がアートという軸にくくられているだけで、私の中では経営をすることもアート表現と同じことなんです。表現の手段が違うだけ。

 

突き詰めて考えると、「生きていること自体がアート」だと思います。

 

人生は自分が思っているほど計画通りにいくものではないし、将来を決めてしまうと逆に選択肢が狭くなることもある。だから、なるべく自分の固定概念をなくして、自由な観念で物事を捉えたいですね。

 

日本ではどうしても一貫性や理論ばかりに捉われて、何かを決める時に「どれかひとつを選ばなくては」と考えがちです。「こうするべき」という固定概念をどんどん壊していけたらいいなと思います。

確かに、日本は「こうするべき」という同調意識が強い気がします

私は、成功方法とは究極的には「自分を知ること」だと思います。

日本には他人の夢や行動指針と自分を照らし合わせすぎて、自分のやり方を模索していない人が多いのではないでしょうか。

 

人には得意不得意があるように、成功方法だってそれぞれのやり方があります。色々試していけば、パズルのピースのようにカチッとはまるものが見つかるはずです。

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マレーシアのアートシーンに貢献したい

今後マレーシアでやっていきたいことについて教えて下さい

 特に関わっていきたいのが、アート分野。

たとえば、日本は単一民族なので、独自の文化が生まれやすいんです。でもマレーシアはその逆で、マレー系、中華系、インド系という3つの民族が一緒に住み、異なる言葉を使い続けています。

エリアによっても住んでいる民族が違うので、まるで別の国のよう。

 

このようにマレーシアではそれぞれの文化がごちゃまぜになっていて、ひとつの文脈の中で語られることがありません。

だからでしょうか、日本人の私から見ると、マレーシア人はあまり国に対するこだわりが強くないんです。

 

日本人は心のどこかで「日本人としての誇り」を持っているものだと思うのですが、彼らはそういうものを持っていない。みんなが理解できるストーリーがないと、なかなか一致団結って難しいんですね。

 

とはいえ、マレーシアにもアート的な要素はあります。その部分をもっと探し出して世に出していきたいですね。今年の11月にマレーシアで開催される「アートビエンナーレ2016」には世界中の人たちが集まるのですが、私はそこでアートのキュレーターを担当しています。

 

私はマレーシアに「外国人としている立場」なので、自分ではないとできない方法で、この国に貢献していきたいですね。

そして、日本人もマレーシア人もその他の国の人も僕の活動に共感してくれる人と一緒にどんどん世界を変えていきたいと思います。

プロフィール

石川 徳仁Norihito Ishikawa

起業家・書道家

 

法政大学卒業後、コンサルティング会社に就職。駐在員として1年ほど中国の深圳市にて事業の立ち上げを経験し、帰国後間もなく独立。
2009年に表参道にて書道教室を開講し、2010年に東久邇宮文化褒賞を受賞。
2012年マレーシアへ移住し「KNAIN MALAYSIA SDN BHD」の代表として「IT」+「教育」分野を軸としてマレーシア留学サポート事業を行っている。また、世界を変える人材創出プラットフォームとなる企業を作るべく活動を本格化するため「Nollyz Malaysia SDN BHD」を立ち上げ、事業領域にとらわれることなく活動中。

 

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Ambassadorのプロフィール


濱田真里

海外で働く日本人に特化した取材・インタビューサイトの運営を2011年から続けている。その経験から、もっと若い人たちに海外に興味を持って一歩を踏み出してもらうためには、現地のワクワクする情報が必要だ!と感じて『ABROADERS』を立ち上げる。好きな国はマレーシアとカンボジア。

濱田真里さんが書いたノート


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