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海外に出て実感した、価値観や視野の広がり – ラジャ・タン・タイランド法律事務所 丸山真司氏

Posted on 2015年04月07日
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日本の大手法律事務所に勤める弁護士・丸山氏は、ビジネスシーンや法務面でのアジアの存在感の高まりに応じてタイ・バンコクで経験を積むことを選択した。まだバンコクでは数少ない日本人弁護士のひとりとして、進出日系企業の法務サポートに尽力する。

タイに来たからできた、充実した生活

タイで実際働いてみて、何か驚くことや苦労することはありましたか?

当事務所のバンコクオフィスに勤務する弁護士約50人のうち、外国人は私を含めて3人だけで、あとはみんなタイ人です。その3人の内訳も英国での資格を持つマレーシア人弁護士、オーストラリア人弁護士とあと私になりますので、日本人は私ひとりです。 言葉については、事務所の弁護士・スタッフとのコミュニケーションは基本的に英語なのですが、私自身、英語が特に得意だったというわけではないので、タイでの出向先探しを始めたあたりからいろいろ勉強はしていました。ただやはり、法律を扱う以上、英語で仕事をする場合にも文言の正確性には十分な注意を払う必要があり、気を遣います。今でも時間があるときには、事務所にストックされている過去の契約書やアドバイス等を読んで法律的な英語の力を磨くよう心がけています。 また、タイ人独特の英語、「タイ語訛りの英語」で発音する人が少なくないので、そのような英語も理解できるようにならなければなりません。東南アジアの国は、いろいろ訪れてみると、各国とも歴史的背景が様々だったりするせいでしょうか、話す英語のスタイルも異なっていたりして、興味深いですね。単語の語尾をほとんど発音しない英語だったり、やたら単語の後ろにアクセントを持ってきて伸ばして発音する国があったり(笑)。 また、街中でも、いろいろな人と話をする中で、「正しい英語」ではなくて「多少不自然で回りくどくても、わかりやすく伝わる平易な英語」を使う必要を感じる場面もあります。日本人の立場で「外国の人と英語でコミュニケーションをとる」というと、英語が堪能な方、ネイティブの方と話をする場面を思い浮かべることが多いと思いますが、そのような場面とはまた少し違うコツが必要なこともあります。 ほかには、やはり日本人は時間や期限をきちんと守ろうという姿勢が比較的強いと思いますが、それにくらべるとタイの人々はおおらかで、そのあたりの感覚が少し違っていたりするところもあって戸惑うこともありますね。ただ、その反面、融通が利いたり、柔軟性があったりして、それが良い結果につながることもあります。そういったところで、日本で働くのとは違うのだと実感します。

タイで働く醍醐味はどんなところに感じますか?

日本からタイに進出し、これから新たに事業を展開していこうという前向きなお客様の仕事をお手伝いすることも多いので、意気揚々と未来図を語ってくださるお客様から、ポジティブな影響を受けることはありますね。 ほかには、自信がついたということもあります。もちろん、いろんな方のサポート・協力に恵まれたり、また運が良かったりして今の職場で働くことができているというところは大きいですが、例えば単に研修生として外国の企業や法律事務所に「お世話になっている」のとは異なり、事務所の一員として実際に「働き」、さらに事務所の方からも「出向期間を延長してもう少しタイにいてくれないか」と言われたりすると、日本という慣れ親しんだところとは違う環境の中でも役立つことができるんだと感じることができ、今後も仮にまた全く新たな環境に置かれることがあったとしても、何とかやっていけるだろうという自信ができたような気がします。

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現地での生活はどうですか?フリータイムはどのように?

バンコクは、住み始める前にも何度か訪れていたので、こちらでの生活には最初からあまり違和感なく溶け込めました。 バンコクには日本人もかなりたくさん暮らしているので、値段は高いですが日本の物が買えたり、日本食のレストランもたくさんあったりして生活はしやすいですね。その気になれば日本での生活とかなり近い暮らしができてしまいます。 週末や長期休暇では東南アジアやその周りの国々に旅行したりしています。バンコクは東南アジアでも主要なハブとして空のアクセスがとても良いので、ミャンマー、ネパール、ブータンなどの日本からは直接には行きづらい国々も訪れやすいですね。またアジアにとどまらず、先日はアフリカにも出かけキリマンジャロに登ってきました。 あと大学生の頃から空手やキックボクシングをやっていたのですが、バンコクに来てからは日本にいたときよりも自由な時間がとれることもあってMMA(総合格闘技)を始め、この前もタイで開催されたトーナメントに出場しました。初戦はタイ人を相手にTKOで勝ちましたが、私もダメージが大きく、次の試合は棄権してしまいました。機会があればまた挑戦したいですね。 私が通う総合格闘技のジムでは、バンコクの日本人学校の先生、タイのプロのムエタイ選手、オーストラリア人のビジネスマン等様々な国やバックグラウンドの人々が練習していて、仕事とは離れたところでまた面白い出会いがあるのも、世界中からいろんな人々が集まるバンコクに来たからこその貴重な経験のひとつです。

読者のみなさんに伝えたいことはありますか?

海外で働く日本人の先輩方のインタビューなどではよく「大丈夫だ、なんとかなる」というようなメッセージを見かけるものの、こちらに来る前は正直私も不安でした。でも実際に来てみると、なんとかなっています(笑)。もちろん、いい加減に考えて甘く見るべきではないし、必要な準備はすべきですが、考え過ぎたり心配し過ぎたりで何も行動できずチャンスを逃したりするともったいないですね。 自分とは違ったバックグラウンド・価値観を持った人々と共に仕事をするのは苦労もありますが、視野もぐっと広がります。「真面目な日本人」から見れば違和感を感じ、戸惑うこともあるかもしれません。しかし、アクシデントに出くわしても、「なんとかなる」と柔軟に上手く対応する能力は「真面目な日本人」よりも高いかもしれません。そんな場面を見ていると、人の長所・短所も表裏一体であると実感します。 外国に住むことで日本を見る目も変わりました。週末や月末には恐ろしく渋滞し、雨が降るとすぐに冠水するバンコクの道路を見ていると、今まで当たり前のように何気なく使っていた日本の道路がいかに素晴らしいか実感できます。 タイにおける日系企業の歴史は長く、数も多い。そのためここでビジネスをするのには、他国に比べると障壁は少ないかもしれません。ただ法務面でのサポートは依然十分とはいえません。タイに進出する日系企業が更なる飛躍をするための一端を担えるよう、これからもお手伝いしていきたいと思います。 また最近はタイにとどまらず、アジアの他の国にも興味が出てきました。幸いラジャ・タン法律事務所はアジアの国に広くネットワークを有しているので、将来的には私もタイでの経験を活かし、他の国に進出する日系企業のお役にも立つことができたら嬉しいですね。

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