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タイで大手日系企業50社と取引をする、29歳のパイオニア-NONAKA PRECISION 野中 遼氏が大学を中退してでも起業したいと思った理由

Posted on 2013年12月24日
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タイ国内において精密金型用部品の製作・販売を行い、50社近くの大手日系企業と取引をする Nonaka Precision代表取締役の野中氏。商品のクオリティと短期間での納品が可能という強みを活かし、タイや香港に規模を広げ、アジア全域に向けての拡大を進めている。

ダメ元で営業し続けたことが、大手日系企業50社との取引に繋がった

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-タイで働かれるようになったきっかけを教えて下さい。

 

大学時代に、父の友人がタイで経営する金型の洗浄機を扱う会社で一年間研修をさせていただいたことがきっかけですね。私の父は工業系の学校に通っていたので、友人たちにも工業系の仕事をしている人ばかりで、小さい頃からそういった仕事の話を聞く機会が多かったんです。
それで、私は車やバイクといった機械や金型部品に興味を持つようになりました。実際に仕事をしてみると、面白過ぎてどんどんのめり込んでしまいましたね。一年が経つ頃に、「タイにはまだ金型部品の供給がないけれど、需要はかなりある」ということを聞き、だったら自分でやってみようと思って始めたのが今の会社。大学に在籍中だったのですが、中退して起業しました。

 

-中退されてタイで起業されることに、不安はなかったのでしょうか?

もちろん、ありました。でも、「ちゃんと良いものを作れば売れるし、市場も大きくなっていくはず」という根拠の無い自信があった。高校時代から東南アジアを旅していて、熱気のある魅力的な場所だなと思っていたので、ぜひ仕事をする場所としても関わってみたいという気持ちもありましたね。
もちろん、両親や友人たちは僕の決断に驚きました。でも、私は一度決めたことはやらないと気が済まない性格で、中途半端なことも嫌いなので、辞めるつもりは全くなかった。その時に、やるからには3年はやる、と腹を括りましたし、いまも帰りたいと思うことはないですね。

 

-起業資金はどのように準備されたのですか?

資本金は自分で出しました。最初の研修期間中に、個人的にタイ人を雇ってDVD屋をするなど、色々としていたんです。
それで貯めたお金で会社を設立しました。 起業当時はタイ人が3人、私を含めて従業員は4人で、しかも、タイなのにエアコンがなくて大変でしたね。そんな環境から始めて、少しずつ周りの信頼を得るとともに売り上げを伸ばして今に至っています。

タイ人だから、日本人だからと区別しない。

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-お仕事の内容について教えて下さい。

 

自動車や精密機器などのパーツを作るための金型部品を製造、提供を行っています。タイは特に自動車産業が進出してきているんです。
現在、大手日系企業50社近くとお取引をさせていただき、拠点を置いているのはタイに3カ所、中国と香港で合計5カ所。
タイでは重要な工業団地のエリアであるバンコク、ラヨーン、プラチンブリーに営業所を開設して、各支店に日本人が駐在しています。中国には工場、香港には税金関係の会社を置いています。

 

-コネも何もない海外で、どのように取引先を増やしていかれたのでしょうか?

採用したタイ人のメンバーが、元々部品製造系の仕事をしていたので、タイ企業へのアポイントは彼らが取り、私は日系企業にアポイントを取って営業活動をしました。
タイだと、日本では入りづらい大手企業でも営業に行きやすいんです。日本人とそんなに話す機会がないせいか、話だけでも聞いてくれる方が結構いらっしゃいますね。
一番驚いた経験が、日本では絶対に新規企業だと相手にされないような大手企業を訪問すると、すぐに商談の場に通してもらえ、その上、その場で契約までしていただけたこと。そんなふうにダメ元で営業し続けた結果、今の取引企業との関係ができました。

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-この仕事をしていて感じるやりがいとは。

 

以前は、会社の支店が増えて規模が大きくなったり従業員を増やしたりすることに喜びを感じていたんです。しかし、最近心境が変わりまして、ここで働いている社員たちが喜んでくれることにやりがいを感じるようになりましたね。
より社員たちが仕事を楽しんでくれる環境を作りたいので、たとえば、毎年の売り上げ目標を達成したら、社員全員で海外旅行に行く企画をしています。今年はすでに達成したため、韓国に行く予定。

-タイ人の従業員方とのコミュニケーションはどのようにされているのでしょうか?

日本人はタイ人とあまり付き合わないという会社もあるのですが、弊社はタイ人が26人と、規模もそこまで大きくはないですし、私は、タイ人だから日本人だからという区別はせずに社員たちと接しています。
だからなのか、社員たちとは非常に仲が良いですね。たとえば、私は趣味でバイクのレースをやっているのですが、仕事じゃないのにレースに来て手伝ってくれたり、週に3、4回は社員たちと夕飯を食べたり。
コミュニケーションをたくさん取れば取るほど、タイ人の人たちはその気持ちに答えてくれる。タイでは短期間で会社を辞めてしまう人が多いのですが、弊社では設立してからまだ3人しか辞めていません。これは割と長く続いている方ではないでしょうか。
タイで起業をして、苦労しながらも事業が上手く回ってきている。それには、良質な商品の提供だけではなく、従業員との関係性も強く影響していると思います。コミュニケーションの取り方によって、会社の雰囲気はガラッと変わるもの。生き生きと働く社員たちが素晴らしい商品を作る。そんな会社にしていきたいですね。

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