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頑張る人がハッピーになれる社会を目指して – EVOLABLE ASIA Co., Ltd. CEO 薛悠司氏が会社の成功の彼方に見ていることとは

Posted on 2015年10月20日
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独立を志していた薛悠司氏は、ベトナム旅行から帰った翌日、急きょ職場に退職を願い出た。以降、ベトナムで日本市場向けのオフショア開発事業を立ち上げ、起業から約3年で会社は目覚ましい成長を見せている。

リスクを冒してまで来てくれた仲間たち

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ベトナムに来てすぐ事業を興すことを決められたとのことですが、どうしてベトナムに強く惹かれたのでしょうか?

観光ではなくビジネスで旅行に来たということが大きかったと思います。それまでビジネス視点で海外を見たことはありませんでした。視察旅行で訪れたときに感じたことは主に3つあり、「街や人の熱量がすごい」「若い」そして「一生懸命頑張ろうとしている人たちが確実にいる」ということでした。 ベトナム以外の国に行っていたとしても同じことを感じて事業を興していたかもしれませんが、比較して決めたわけではないので……ベトナムに運命を感じたということだと思います。それに仕事をしていて、ベトナムの人たちは生産性が高いと思うことが多いのも事実です。 「一生懸命頑張ろうとしている人たちが確実にいる」と感じたのは、コアスタッフを探しての面接の場面でした。研修生制度で日本の会社で働いた経験のある青年と話していて私は衝撃を受けました。日本では溶接を3年間学んだものの、それを活かせる職場がベトナムにはなく、外国人客の多いアパレルショップで接客をしていました。日本語はすでに堪能でしたが、業務に活かすため英語も独学で身に着けていた彼と話して、誠実に仕事に向き合う姿勢と向上心が感じ取れました。その彼が言うのです。「いくら頑張っても評価されない」「どうしたら僕はお金持ちになれるんですか?」私は答えに窮しました。 ベトナムに限らず、「頑張っても報われない社会」が新興国には蔓延しています。特権階級や裕福な家庭の出身ではない層が上に上がるチャンスは、日本人のそれとは比べものにならないほど少ない。社会構造としてそう出来上がってしまっているんです。私自身その現実に強い違和感を抱いていて、頑張った人が評価される制度がないのであれば自分で作ろうと、自社にてそれを体現しています。 ちなみにその青年とは数年後、当社のオフィスで偶然再会します。たまたま応募して採用されていたのです。採用基準を非常に高く設定している当社に彼のような人材が合格して採用されるのは偶然のようでいて必然でもあると思いますね。彼は持ち前の努力で、今では給与が初めて会った時の5倍になっています。

社長として、どんなやりがいを日々感じていますか?

先日、社内表彰を受けた社員のインタビューを読んでいて感激することがありました。「EVOLABLEの、温かくて居心地の良いプロフェッショナルな雰囲気が気に入っている」「エンジニアにとって最大限のパフォーマンスを出しやすい理想的な環境」。また尊敬する人として私のことを挙げてくれて、その理由を「ソルさんが社長だからではなく、EVOLABLE ASIAの立ち上げから立派に成功し、ソフトウェア開発に興味を持つベトナムの若者に能力を与えているから」と書かれているのを読んで、私の想いを感じ取ってくれているのだ、ととても嬉しくなりました。 ベトナムで起業するきっかけにもなった「頑張る気持ちがある人たちを幸せにしたい」という想いと、事業を成長させることで会社も大きくなり影響を及ぼす範囲も大きくなる、というベクトルが同じ方向を向いているので迷いはありません。

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どのような企業風土にしたいと心がけていますか?

当社は国籍や年齢、性別や職歴といったその人のデータよりも、スタンスを最重視しています。「挑戦できる風土」というと月並みに聞こえてしまうかもしれませんが、実態としてそれに近しい環境作りを心がけています。 例えば、顧客サービス本部マネージャーの岩淵由香理。彼女は人事・総務、秘書業務や、ベトナムに来たクライアントの生活面でのサポートなどの業務にも就いているのですが、入社当時23歳だった彼女はそれまで日本語教師の経験のみで、会社で働いた経験はありませんでした。 入社後、彼女は目覚ましい成長を見せ、今では社内最年少マネージャーとして活躍してくれています。お客様からの評判もすこぶる高く、「制度上マネージャー以上は表彰対象にならないことは承知で、ぜひ彼女を表彰してあげてほしい」と顧客から連名でメールが私宛に届くほどにまで成長しています。 また、当社役員3人のうちのひとりであるベトナム人のNguyen Thi Phuong Anh。彼女もとても優秀で、以前は外資系の大手ゲーム会社で人事をしていたのですが、前職から見たら小さなベンチャー企業である当社に彼女が来てくれた理由は、彼女がこれまでの仕事を通して得た知見すべてを出して形にしてみたいというものでした。今では当社の人事に関わる一切を彼女にお任せしています。 日本など他国から転職して来てくれる社員もいますが、海外で、しかも当社のようなスタートアップ企業に来るということは、時には退路を断つほどの覚悟も必要です。 当社で営業担当役員を務める柏木武志は、以前は外資系IT企業で営業職として素晴らしいキャリアを築いていましたが、ベトナムで働きたいとの想いから当社と出会い、49歳という年齢ながら不退転の決意で当社を選んで来てくれました。 他にも彼のようにリスクを冒してきてくれた社員が当社には数多くいます。頑張る人たちをハッピーにするというビジョンを実現しなくてはと、私もより一層身が引き締まる想いがします。

今後の展望について聞かせて下さい。

向こう5年、日本市場向けのオフショア開発マーケットは10倍になると見込んでいます。これは夢物語ではなく、少なくともこれくらいはいくだろう、という数字です。この急速な発展にあわせて、当社も2019年末には社員1万人を目指しています。これも頑張れば十分可能な数字だとして目標設定しています。 ベトナムは現在、東南アジア最大のIT国家となることを戦略として掲げており、また日本語学習者数も東南アジア最多と言われています。今後日本のITエンジニア不足がより深刻化するなかで、ベトナムがその問題を解消するポイントとなっていくでしょう。そしてそのとき、ベトナムのIT産業をけん引する立場に、当社がなっていたいと考えています。 また、設立から今までまだ挑戦したことがないローカル市場への挑戦。日本向けや外資企業向けではなく、ベトナムの現地で幅広く受け入れられることが願いです。 長期的には、事業を通して私たちは社会変革を起こせると思っています。「頑張っても報われない社会」に納得がいかない私は、今後20年追いかけたいテーマとして「東南アジアを中心とした最高の企業文化でつながったコングロマリットを作りたい」という答えに辿り着きました。 社員の頑張りを正当に評価することでハッピーになる。そうして会社が大きくなっていくことで当社の後を追う会社が現れ、そしてその会社もハッピーになっていく……この連鎖が続くことによって、固定化された社会の何かが変わるのではないでしょうか。そのために、時期が来たら私は当社の情報を全開示する覚悟でいます。

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