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海外進出支援をするかを決めるための3つのポイント-アジアンブリッジ株式会社阪根 嘉苗氏が考える、日本の強み「おもてなし」の精神

Posted on 2014年05月13日
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日本とアジアの架け橋として日系企業のアジア進出支援をするアジアンブリッジ株式会社代表取締役の阪根氏。台湾で高級日本料理店を経営する両親の影響により、 幼いころから自らも経営者を志す。現在は台湾進出に特化した海外進出サポート及びコンサルティングを行い、特に化粧品や健康食品、Webサービスの支援を得意とする。日本の商品やサービスを台湾・アジアで広めるべく、台湾と日本を中心に活動中。

商品力だけではなく、「おもてなし精神」で勝負する

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どのようにして、仲卸事業から直販事業への方向転換をされたのでしょうか?

仲卸事業で壁にぶつかり悩んでいた時に、ある化粧品や健康食品をクライアントに持つ広告会社の社長との出会いがあり、協業する話が動き出したのです。 その会社では、化粧品や健康商品などの通販商品のリピート顧客を促すために、通販カタログやその他同梱媒体の中に数枚⼊っているような折り込み広告を作成しています。日本には同梱広告はたくさんありますが、私達が当時やりはじめようとした頃、台湾にはほとんどこういった手法の広告は存在しませんでした。 卸しでテレビ通販を活用した販売方法というのは確かに広く一般の方に商品を広めることができますが、台湾のテレビ側も一般の方に売れるような低単価の商品しか買いとってはくれません。 しかし、リピート顧客が多い日本の通販ノウハウを活かせば、リピートで買ってくれる層を狙ってコツコツと商品のファンとなる顧客を獲得し、台湾で販売を広めることができるのです。 この手法を知った時に「これだ!これなら台湾でも日本の良い商品を広めることができる!」と思いました。 私は協業を決意し、そこからはパートナー会社と共に倉庫やコールセンターとの提携、受発注の仕組みなど台湾で日本のメーカーさんが直販できる仕組みを作りあげたのです。 あくまでも1年目は、弊社が台湾でサービスを提供しているという形に。なぜならば、もしうまくいかなかった時にいつでも撤退できるという利点があるからです。

ただのコンサルティングではなく、一緒になって事業を進めていくのですね。

そうですね。この広告会社さんとの取り組みは弊社のひとつの成功事例となりました。最初は日系企業の台湾進出のコンサルティング事業だけをやっていたのですが、それだと私ひとりでできる範囲での仕事になってしまい、日本と台湾の架け橋になるというより大きなビジョンが達成できません。 台湾は距離も近いし親日とはいえ、やはり文化の異なる海外です。コンサルのような形で机上の空論だけ並べていては、事業はいつまでたっても立ち上がらず、失敗に終わってしまいます。 大事なのは台湾で失敗しながらでも地道にコツコツ事業を実行していくことです。そのためには、時には地を這うような営業や台湾人との交渉、消費者の観察や現地の人脈作りが大事なのです。 日本の企業は台湾より進んだサービスやきめ細かい動きができる。私達アジアンブリッジは台湾での実働ができるし人脈がある。これを合わせることで初めて少しずつ事業が形になっていくということを、台湾の事業で私自身も学ぶことができました。 ただのコンサルではなく、事業を同じ船に乗って共有することで、痛みも喜びも分け合う。リスクも利益も共有できる会社が増えていけば、とてもハッピーな社会になれるはず。 一緒に船を作り漕いでいくという、台湾でも日本でも、他の国にもあまりない弊社ならではのビジネスモデルだと思います。

本気の相手としか組まない

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直販にするためとはいえ、現地での倉庫やコールセンターなどの仕組みづくりは日本と違う部分もあり大変そうですね。

仕組みづくりは本当に大変で、今でもたくさんの困難に現地でぶち当たっています。 たとえば、日本のメーカー企業様は、コールセンターでのお客様とのやり取りや受注結果、商品の配送や梱包の状態など、細かい点まで配慮しているので、そういう日本人の感覚に合ったサービスを提供するために、その教育から始めないといけません。 私たちは日本企業の台湾進出をサポートしているので、単純に商品が売れれば良いのではなく、お客様の気持ちを大事にする日本のメーカーの満足感も担保すべきだと考えています。 それに、日本人のそういったきめ細かい心遣いやおもてなしの心を、台湾人の消費者が受けて嫌な気分になるわけがありません。ただ、このおもてなし精神を現地企業に理解してもらうのが大変。 どうしても理解できない会社は、感覚が合わないと説明して別の会社を探しました。最も大事なのは、消費者と接触するコールセンターのオペレーター。トークスクリプトを作って教えているのですが、「日本ではこんなにきめ細やかに対応するのか」とみんな感動しますね。

日本のおもてなしのサービスは、台湾人にとって新鮮なものもあるのですね。

そうです。たとえば、届いた商品に手書きのお礼の手紙が添えられていたりすると、驚いた消費者様から、今度はお客様からそれに対するお礼が言いたいと電話がかかってきたりします。 つまり、日本では当たり前のことが海外では価値として認識されることがあるということ。日本の製品は、よほどの発明や特許がない限り、技術力だけで世界と勝負するのは難しくなってきています。 精度の高い「似たもの」は他のアジア人でも作ることができてしまう。では、何が差をつけるかというと、やはり日本人の「おもてなし」の精神。 商品メンテナンスなどのアフターサービスや通販の会報誌など、こういった細やかな気遣いによってファンを作ることが日本人は得意です。 ここに力を入れることでリピートが増え、日本商品の価値も上がり、結果的に日本全体の評価も上がるという良い循環が作れたらと思っています。

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日系企業の台湾進出支援企業として、現在かなり注目されていますね。

有り難いことに、台湾進出をしたいという問い合わせを月に何件もいただきますが、私の仕事のなかで時間をかけているのが、そこの目利き部分。弊社もお金と人を使って一緒に事業をするので、引き受けるに値するかどうかをシビアに見ます。 目利きのポイントは3つあります。 ひとつ目が、競合あるいはそれにあたるサービスや仕組みがあるか、あるのであればそれに勝てるのか?ふたつ目が、台湾人がそれを好むか。3つ目が、その事業に広がりがあるかどうか。 たとえば、現在弊社では現在、スポーツ写真等をネットで販売するBtoC向けの写真サービス事業を行っている会社さんと協業し台湾でその事業を担っているのですが、この事業をお受けしたのは、台湾人は写真好きで、マラソンランナーが対人口あたり世界一多い国だから。 そういった市場なので、台湾でも事業が広がる可能性が⾼いと判断しました。今までたくさんの日系企業と提携してきましたが、毎回の商談で相手の本気度を慎重に見極めようと努めています。 海外で事業を広めていくには、本気じゃないと無理だからです。

今後、台湾以外に進出を考えている国はありますか?

当面ないです。なぜならば、台湾でできることがまだまだたくさんありますし、台湾だからこそ自分の強みが活かせるからです。 自分の生涯の使命と考えている「台湾と日本の架け橋として貢献していく」ということにおいては、まだスタートラインにようやく立てたところだと思っているので、今後もこれに全力で取り組んでいき、1社でも多くの日本企業様に台湾を通じて世界に羽ばたいていって欲しいと思っていますね。 昔は自分のアイデンティティに関してたくさんの葛藤がありました。でも、そういった過去の困難があったからこそ、二国間の架け橋になりたいというミッションに至ったのであり、今の自分がいます。 だから、後ろめたい記憶にするのではなく、むしろ大切にしないといけないと思うのです。今では何のための境遇だったのかわかるような気がしています。この意志を持ち続け、日本とアジアの架け橋になるべく進んでいきたいです。

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