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日本で成功していない会社はアジアで成功できない-株式会社ティーケーピー河野貴輝氏が考える、世界の本当の主戦場とは?

Posted on 2014年02月10日
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2005年の創業以来、国内及び海外で1300室、10万席の直営会議室、ホテル宴会場を運営している株式会社ティーケーピー代表取締役社長の河野氏。国内ネットワークのさらなる拡充と、ニューヨークおよびアジア各地へのグローバル展開を積極的に行っている。

世界の本当の主戦場は、アメリカとヨーロッパ。

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海外展開に挑戦しようと思われた理由を教えて下さい。

大きく分けてふたつあります。ひとつ目は、自分より強い相手がいる場所で勝負したかったから。弱い相手しかいない場所だったらいつでも勝てるし、そこで勝負しても得られるものは少ない。
でも、強い相手がいる場所だと、大損して会社が潰れる可能性がある分、勝った場合にそこで得られるものも大きくなります。 実際に海外に出てみると、日本ではほとんど対抗馬がいなかったのに、アメリカには山ほどいるんです。そんなアメリカでの戦いは、日本での戦いより激しく、このなかで生き残っていくのは相当の実力がないと難しい。
でも、そんななかを勝ち残っている世界的な会社もあるのだから、私もそこで互角に戦っていけるようになりたいんです。 海外で挑戦するというのは、自分にとって弱い相手が集まる場所ではなく、強い相手が集まる場所に行くことだと思いますね。 “日本より簡単だから” ではなく、“日本より難しいから” という理由で私は海外に挑戦するのです。

 

拠点選びの基準を教えてください。

ふたつ目は、大きなマーケットが存在する場所で挑戦したかったから。 だから、私はビジネスの主戦場はマーケットが世界のなかで大きいアメリカとヨーロッパだと思っています。中国のGDPは大きいですが、実際の成熟度は弱く、シンガポールもGDPはせいぜい20兆円くらい。
成長してきているとはいえ、日本の500兆円に勝てるはずがないんです。 アジアで一番大きいマーケットは日本で、それよりも大きいアメリカを狙うのは当たり前です。だから、現在、ニューヨーク、上海、香港、シンガポールに海外拠点がありますが、最初の海外拠点はニューヨークにしました。

日本で成功していない会社が、アジアで成功するはずがない。

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初のアメリカ視察に行ったのは、リーマンショックでアメリカが崩壊しかけている時。こんなチャンスは滅多にないと思って飛行機に飛び乗りましたね。ニューヨーク証券取引所が最安値だった日に、私はちょうど証券取引所の前に立っていましたよ。
その時は会社を始めて3年目でしたが、ゆくゆくは一号店をこの場所で作ろうと決意しました。 そして、2013年6月にニューヨークマンハッタンの中心地に「TKP New York Conference Center」をオープン。本当は2010年に会社は設立していたのですが、工事が思うように進まず完成まで2年もかかってしまったんです。

 

実際にオープンされてみて、現状はいかがですか?

オープンしてみてわかったことは、貸会議室ビジネスのマーケットも需要もニューヨークにはたくさんあること。大きな広告を出したり誰かに頼んだりしているわけではないのに、毎日問い合わせが100万円単位でくる。やはりアジアとはレベルが全然違います。
ただ、アメリカよりもアジアの方が文化や慣習などの感覚が日本と近いので、ビジネスをする時にそこまで苦労しません。 だから、いきなりアメリカで勝負をするのではなく、日本で成功した後にまずはアジアに行くのもいいかもしれませんね。今後の成長を予想しながら、短期ではなく長期の視点でアジアでのビジネス展開を考えることが重要だと思います。

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現在アジア展開も進められている河野社長ですが、

アジアマーケットへ展開する際に気をつけるべきことを教えて下さい。

アジアはこれから目指して行くべきマーケットだとは思うのですが、日本で成功していない会社がアジアで成功するはずがありません。だから、日本で成功できないからアジアに行くのではなく、まずは日本で成功してから行くべき。 

 

なぜ、日本で成功していない会社はアジアで成功できないのでしょうか?

もし成功したとしても、経済が成熟していくと市場はどんどん効率化されていくので、体力がある会社でなければそこでの競争を勝ち残っていくことは難しいでしょう。それに、成功する会社はどこでやっても成功するはずです。
“あえて” アジアで挑戦するのは良いと思いますが、日本で経験していないことをアジアでやってみて、いきなり成功するなんてことは滅多にないと思います。

 

特に、どういった部分が難しいと思われますか?

やはり、文化や宗教、法律など、何もかもが日本と違うルールのなかで勝負するのは並大抵のことじゃない。だからこそ、慣習も分かっていて文化の繋がりもある自分の国で、まずは勝負をしていくことが重要なのです。
そこで成功したら、その利益を海外に持っていけば良い。失敗したらそこで撤退して終わりにすれば、利益を元手に勝負しているのだから痛手はないし、上手くいったらその利益がまた利益を生むことができますから。
弊社は日本で独自のビジネスモデルを作り出し、それがあるからニューヨークで勝負できている。自分のビジネスの基盤となるものを、まずはしっかりと作ってみて下さい。

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