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1年半で約200の国と地域にサービス拡大した株式会社ビジョン佐野健一氏、国をまたいで働く人たちのインフラを作る!

Posted on 2013年11月05日
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グローバルWiFiを、約200カ国へサービス提供する株式会社ビジョンの代表取締役社長。現在世界中にWiFiのエリア拡大をし、国内唯一の「新浪微博(シナウェイボー)」オフィシャルパートナー企業でもある。

海外でも、日本語でプレゼンする

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- 2012年の2月にローンチされたグローバルWiFiですが、

サービス開始のきっかけを教えて下さい。

自分自身が海外を周っていた時にiPhoneを持っていったのですが、回線が遅いうえにその時は海外パケット定額がなかったので、間違ってインターネットに繋いだらとんでもない請求額がくる状態だったんです。
しかも、まだWi-Fiが世界中にあるわけではなかったので、結局iPhoneは電源オフ。非常に不便だと感じたんです。 今や日本人だけではなく、世界中の人たちが国を越えてビジネスをしているのに、インターネット環境がこんな状態じゃどうしようもないと思い、色々調べ始めました。
すると、日本はパケット定額があるのですが、欧米にはないことがわかった。つまり従量制なので、海外で携帯を使用するとかなりの金額がかかるんです。だから海外では、みんなWi-Fiがあるところを調べているんですよね。ホテルの一階やスターバックスに人が集まる理由は、そこにWi-Fiがある場合が多い。
このサービスは僕たちじゃなくても誰かがやるんじゃないかって思っていたんですけれど、なかなか現れなかった。だから動き出したんです。

- サービス開始からたった一年半で約200の国と地域に広まるなんて、

すごいスピード感ですね。

日本人が渡航する国の90%は、利用エリアとして一気に押さえたかったんです。なぜならば、この国では使えるのにこの国では使えないというサービスだと、リピートしてもらいにくくなる。
日本人が海外にビジネスで出て行くシーンが非常に増えてきているので、そこは早急にやらないと選んでもらえなくなると思い、各国に飛びその国の通信キャリアと、どんどん契約をしていきました。

- エリア拡大時に大変だったことは何でしょうか?

エリア拡大のために、世界の主要な通信会社上位10社に入っているところと契約していったのですが、韓国が一番大変でした。通信会社は組織も大きく階層も厚く、大企業になるとなかなか上の人に会えません。
とある大企業の社長を紹介してもらったのですが、結局財閥の壁があって会えず。ですが、どうしても必要なエリアだったので、ここだけは、所属しているEO(Enterpreneurs' Organization 起業家機構)の親友の人脈を使って、こじ開けてもらいました。
そうした信頼できる仲間を持つことは大切です。 全世界からのアジアへの渡航者数は、今やナンバー1ですし、日本や韓国、中国、その他アジア各国の人たちにとっても、自分たちのいるアジアそのものが、大きなマーケットなのでみんなが狙って出て行く場所。
そういう場所には、グローバルWiFiを使うユーザーもいるはずなので、今後はアジアを軸に広げていきたいですね。

僕らじゃないとできないことをやろう

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- ビジネスの商談では言葉の壁が大きいと思うのですが、

それはどのようにしてクリアされたのでしょうか?

いま一緒に働いている、社長室のメンバーは全員英語を話せるので、メンバーに一緒に来てもらいます。あと、僕は海外に行っても、日本語でプレゼンをします。通信の言語って、全世界共通なんです。
だから、僕の言っている日本語でもなんとなく理解してくれます。その後に通訳を入れますね。一応英語の資料を渡すので、まずは「ビジョン」ってどういう会社なのか、佐野ってどういう人間なのかという部分を、僕が直接伝えられるだけでもプラスだと思うんですよ。
この部分を社長室のメンバーだけが伝えていてもよいならば、僕が行く必要はないですよね。向こうは僕のことをCEOとして見ていて、人柄の部分も見ている。だから、僕は最初に話すようにしていますね。

英語に縛られず、日本語のプレゼンで気持ちを伝えるのですね。

そうですね。「ボディーランゲージで伝えられる部分」と「片言の英語」、そして「専門性の部分」は全世界共通だと思います。日本人は、英語プレゼンになると縮こまる人も多いですよね。
僕も英語を話せないことを卑屈に思っていた時期があったんですけど、この一言が僕の認識を変えてくれました。それは、海外で能力の高い人に会って「ごめんね、英語を話せなくて」と言うと、「ごめんね、日本語を話せなくて」と返してくれること。
能力が高い人ほど、そう言ってくれる傾向があります。「そっか、彼らは日本語を話せないのか」と思って救われた気持ちになりましたね。

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- グローバルWiFiを今後どのようなサービスにしていきたいですか?

日本にいる時と同じように、Wi-Fiを使ってアクティブに動ける環境を海外でも持つことができれば、より多くの人が色んなチャンスに気付けると思うので、もっと品質を上げて便利にしていきたいですね。
今後の事業展開にわくわくしているのと同時に、やりたいことが山ほどあるので、これまで以上にしっかりやらなければいけないという緊張感もあります。僕らじゃないとできないことをやろうというのが会社のコンセプトとしてあるので、その部分も楽しみながら進んでいきたいです。
昔は目の前に壁があると、登るか、回るか、突き破るという選択でしたが、最近はそんなに無理しなくても、押せば開くということを学びました。壁を壁とも感じなくなりましたね。ビジネスといっても人と人との関係なので、ベースの部分は言葉ができようができまいが、どの国でも同じ。
お互い嘘をつかない、できないことを言わないなど、当たり前のことをそのままやり続ければ、アジアだろうがどこにいこうが成功できるはずです。

今後も「通信」という軸を持ちながら、世界にマーケットを広げていくのですね。

日本だけのためにサービスを作っているわけではなく、日本から世界に行く人、世界から日本に行く人、世界から世界に行く人のために作っています。通信というのは、空気とか水みたいなもので、無意識にインターネットを使えて、不便を感じない状態は普通であって欲しい。
そういう状態を提供できることが僕らにとっての喜びなので、今後もすべての国の人たちが、国を越えてインターネットを使える状況を提供することを目指していきます。
※「グローバルWiFi」及び「Vision Global WiFi」は株式会社ビジョンの登録商標です。

 

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