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世界に出たいなら、プロフェッショナルを目指せ-佐野健一氏はなぜ国籍を気にしないのか?

Posted on 2013年10月29日
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グローバルWiFiを、約200カ国へサービス提供する株式会社ビジョンの代表取締役社長。現在世界中にWiFiのエリア拡大をし、国内唯一の「新浪微博(シナウェイボー)」オフィシャルパートナー企業でもある

創業時、日本人は僕ひとりだった。

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- 佐野さんはどのようなきっかけで起業をされたのでしょうか?

高校を卒業後に上京。光通信という会社で働いていました。23歳の時には事業部長として、全国24支店を任され、約800人の部下がいました。そんな時に、たまたま静岡の支店に寄った時に、新富士駅という新幹線の「こだま」しか止まらない駅のホームから見えた富士山がとても綺麗で、これは素晴らしい!!と見入ってしまい、気付けば新幹線から降りていました。(笑) 「目の前に富士山があると、常に勇気をもらえそうだし、日本人として何かを成すのであれば、日本の象徴である、富士山の近くで事業を始めてみよう」とその場で決めて、すぐに目の前にある不動産屋で自宅兼事務所となる物件を契約し、そのまま会社を辞めて起業したんです。

- 事業計画などはあったのですか?

いつかは独立しようとは思っていたのですが、あの時は思い付きで行動しましたね。場所も事業内容も決めていなかったので、部屋を借りてから事業内容を決めたんです。僕は就職をする時、「一生涯できる仕事」という軸で、通信関係の仕事を選びました。当時、通信は1985年に自由化がスタートしたばかりだったので、常に変化があって面白そうだし、これからもっと伸びるだろうと思ったのです。だから、独立する時も通信で何かやろうということだけは決めていましたが具体的には特に決めてませんでした。

- 佐野さんは「通信」という軸を持って今まで活動をされてきたのですね。

そうですね。僕は、中学生の時に父から「世の中にはいくらでもお金が落ちている。でも、そのお金が見えるかどうか、そしてその拾い方を知っているかどうかで人生が大きく変わる」と教えられました。今されているインタビューひとつ取っても、実は至る所にビジネスヒントが隠れているわけです。 僕は通信の分野を極めているので、通信の話で何かあればそのヒントが特に良く見えます。それに気付くためには広く浅い雑学ではなく、ひとつの分野を掘り下げてプロフェッショナルになることが必要なのです。

外国人と働く文化が、社内に根付いている。

- 起業当時は国際電話事業をされていたとのことですが、どのようなきっかけで始まったのでしょうか?

A_vision_old_photo1幼少時からずっとサッカーをやっていて、新天地の静岡はサッカーの有名どころ!仕事を辞めた時に「4年半も、サラリーマンとして死に物狂いでやってきたので、ちょっとくらいサッカーをやっても良いかな」と思って、静岡にある社会人サッカークラブに入りました。 すると、チームにブラジル人がいて、仲良くなって飲むようになったんです。 彼らからそういう場などで、国際電話が高いとか、外国人だからと差別されているといった話を聞くようになって、なんとかしたいと考え始めました。
差別の問題は僕が解決できないけれど、通信のことなら得意だから、そのマーケットに、何らかのインパクトを与えられるような事業が、できるかもしれないと思うように。そこで、彼らと挑戦していくことにしたんです。


- 事業で工夫された点を教えて下さい。

静岡は工場地帯なので、外国人労働者として南米の人達がたくさん働いているんです。なので、スペイン語ポルトガル語のパンフレットを作って、国際電話を必要としている人に現地の言葉で現地の人が営業できる体制を作りました。 やはり、現地の言葉で話せる人じゃないとなかなか受け入れてくれなくて。 創業時は僕以外のメンバー全員がブラジル、ペルーなどから来ている外国人でした(笑)。 彼らは日本に、外貨を稼ぎにきているんです。母国にいる家族に送金するために、きつい仕事や危険な仕事もしていた。 だから日本のオフィスで一緒に働きはじめた時に、メンバーはすごく感動していましたね。 「まさか、日本に来てこういう仕事ができるなんて思わなかった」と、一致団結してみんなが頑張ってくれました。 A_vision_old_photo2お陰で1年目には売り上げ7700万円、2年目には10億円と、急成長することができましたね。メンバーは女性ばかりで、最初は10名雇っていたのが3ヶ月後には30名に。 あっという間に、自宅兼事務所で、借りたアパートがキツキツになり、事務所を借りることになりました。

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- 今のグローバルWiFiや海外の事業に、その時の経験が役立っていますか?

非常に役立っていますね。外国人と一緒に仕事をする、外国人とやり取りをするということに対する抵抗感がなくなりました。もちろん文化背景や経験値は異なりますけど、人間としての基本の部分は一緒なので、正しいことや間違ったことという判断は大体一緒です。この壁が僕のなかになくなったのは大きい。 だから、採用をする際には、国籍、年齢、性別を問わないということを会社の条文のなかに入れています。 文化として創業当時から外国人と一緒に働くことを経験しているので、全員抵抗感もなく今の環境でやっていけているんだと思います。その経験がなかったら、日本で仕事をする時も、言語ができるかできないかをまずは考えていたでしょうね。 僕はスペイン語やポルトガル語を話せるわけではないので、ブリッジに入ってくれる人たちを育てて、彼女たちがディーラーとなって下に教育をしていくというやり方を当時からしています。だから、メンバーとの言葉の問題は特に感じないですね。

-  多国籍の組織でマネージメントをすることの大変さなどはありますか? 

僕、国籍は特に意識していないんです。多分、高校生の時、地元鹿児島で入っていたサッカーチームにアルゼンチン人がいたり、会社を作ったら、僕以外の全員が外国人で、自分自身会社に通いながら、「はたしてここは日本なのだろうか……」とこっちが思うような状況だったり(笑)。 実は起業した時からグローバル企業だったんですね。 当時はグローバルとかベンチャーとか、そういった言葉すらまだ世の中に定着していなかった時代ですからね。変わった企業だな、くらいに思われていたと思います。

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