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自分探しをする暇があれば、途上国を旅しよう-原丈人氏が期待する、野心を持たない日本人たち

Posted on 2013年10月22日
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「技術を使って世界を変える」というビジョンを掲げ、新たな基幹産業の創出や現在の資本主義に代わる経営哲学としての「公益資本主義」の提唱、途上国支援などの活動を行う。考古学者やベンチャー・キャピタリストなど、さまざまな顔を持ち合わせている。

でしゃばらない日本人にこそ、組織のトップに立って欲しい

- 原さんが若い頃にされた経験のなかで、

これだけは絶対にしといた方が良い!というものはありますか?

若い時、特に学生時代は、なるべくたくさんの途上国に行って、現地をよく見るべき。今の僕がこういう考え方ができるようになったのも、27歳まで考古学をしていて色んな国に行ったから。
世間一般に言われているように、大学が終わったらすぐに就職をしようと考えなくても大丈夫。 若い時は、何をやっても生きていけますよ。よく、「好きなことがないから、自分のやりたいことを探します」って言う人がいるけど、暇だからそう思うんです。そういう人はすぐに途上国へ行ったが良い。
生きていくのに必死すぎて、そんなことを考える暇がないくらいの場所へ。 日本とは比べものにならないレベルの貧しい場所や、汚くて、自分の足下からバイ菌が入ってきそうな場所へ行く。
そこに慣れると、危機管理能力が上がるし、非常事態時に自分をきちんとコントロールすることができるようになって、自分のキャパシティが広がり、並大抵のことでは驚かなくなります。

- 途上国を旅するなかで、特に気をつけることとは?

自分の足で現地を周るなかで、出会ったものに対する疑問や感じたことを大事にして欲しいですね。たとえば、なぜあのイスラム教の人は、一日に何度も、お祈りするんだろう?とかバングラデシュのイスラム教徒の人が、ヒンドゥー教徒の人の祭りに行くのはなぜだろう?と疑問に思う瞬間というのは、今まで自分が読んだり聞いたりしてきたことを、リアルな実体験として感じているんです。
そういう気持ちを常に持って旅すれば、世界各国どこに行っても面白さを感じ、興味を抱けるようになるはずです。どんな文化にも臆せずに、自分と違うものをぜひ楽しんで下さい。

世界から見た時の、日本人の強みとは何だと思われますか?

特に、日本人は他の国の人たちよりも、相手の国の文化を受け入れることができる人種ではないでしょうか。
たとえば、アフリカ奥地のトイレ環境を清潔にして、疫病などを防ぐプロジェクトがあるとします。西洋人の発想だと、相手の使っているものをちゃんと見ないまま、「アフリカ式トイレは汚いから、西洋式の水洗トイレに変えよう」となる。
ところが、日本人は西洋式水洗トイレを導入する選択肢も持ちながら、まず、それぞれの部族が使っているトイレを綺麗にすることから始めるんです。アフリカ人が使っているトイレを、日本人が掃除することでとてもに綺麗になる。そして、アフリカ式トイレの使い方を学び、一緒にそれを使うんです。
このように、日本人は相手の文化や考え方、慣習を最初から否定せずに受け入れて、それから改善策を考えることができる。特に、ものを清潔にしたり、使いやすくしたりするという点においては、年寄りだけではなく、若い人たちもちゃんとできる。これは不思議だなといつも思うのですが、きっと日本人の持っているDNAなんでしょうね。

原様 二話目-2

- 日本人は、海外ではどのように見られているのか教えて下さい。

特にアフリカにおいてですが、西洋人よりも信頼感はダントツに高いですね。日本はアフリカを植民地にしたことがなく、第二次世界大戦の後の米ソ代理戦争にも関わらなかったので、特に歴史的な背景を持っていないためか、「日本は自分たちに良いことをしてくれる」という好印象を持たれています。
また、日本政府はODAという形で、さまざまな国の基礎的な道路や公安設備を作りました。

- もっと日本人は積極的になった方が良いと思われますか?

確かに、日本人は野心がない人が多いし、ODAのように利用されていることをわかっていても、良いことをしているからと満足している人が多い。逆に、欧米だと自分をアピールする人ばかりですよ。
でも、私はむしろ、有名になろうとして無理矢理前に出ようとしない人が組織のトップになった方が、うまくいくと思うんです。 本人たちが望んでいなくても、そういう心根の温かい人がトップに立つことで、組織における影響力の広がりはきっと良くなるはずですから。
だから、無名でも実力があるような若い日本人を、国際機関やしかるべき機関でもっと引き立てていきたいですし、どんどん活躍して欲しいですね。

日本人の強みは、「相手の立場に立って考えることができること」。たとえば、日本人は経営者も従業員も同じ人間だと考えますが、欧米人は、自分の立場を最大化するので、経営者はエリートで、労働者は違う人種という考え方をします。
そうはいっても、1990年くらいに、戦後アメリカの影響で日本の良いところが随分なくなってしまい、ギスギスした世の中になりました。それでも、今の若い人たちは自分だけではなく、周りの人や社会も幸せにすることを目指している人が多い。
こういう思想は大切ですし、日本はこういった考え方が非常に進んでいます。日本のDNAがこうやって若い人たちのなかに生きていることは嬉しいですね。だからこそ、そんな若者たちを活かせるような流れを世界のなかに作っていくのが、私の役目だと思っています。

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