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新たな時代に突入する、旧イメージから脱皮した「カンボジア3.0」

Posted on 2018年03月09日
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プノンペンのいま。まさに建築ラッシュ


 


カンボジアよりスースダイ(こんにちは)、浅野です。


日本の学生の皆さんは冬・春休みと休み続きですね! 2月3月は、私もスタディーツアーの受入や、講演会の機会をいただき、日々学生さんの若いパワーに影響を受けています!そして新しい若者言葉を「秒で」勉強することができています(笑)。


そんな中、ひとつ「もったいないな」と思うことがあるので、今回はそんな話をしたいと思います。


 


 

カンボジアは今も「格下の国」ですか?

都市化が進んでも、カンボジア人の明るさはまだまだ健在!この笑顔に何度救われたか


 


カンボジア、あるいは世界は今、新しい時代に入ってきています。
その中で、日本人の学生さんや引率してる教員の方のあいだでは、東南アジア、中でもカンボジアはまだまだ貧しい国で、日本よりはるか格下の国というイメージが先行しているように思います。


きっと一般的な日本人のもつカンボジアに対するイメージは、区分けができるとすれば、カンボジア1.0 とカンボジア2.0のイメージを抱いている人が大多数なのではいでしょうか。
(下記は勝手に僕が区分けしただけですので、悪しからず) 


 


■カンボジア1.0 


 →ポルポト政権、内戦後
 →児童買春/労働問題
 →貧困問題
 →地雷問題


 


■カンボジア2.0


 →学校建設
 →教育問題
 →国際協力・国際貢献
 →ボランティア


 


もちろんまだ1.0時代のように、過去の後遺症のような問題、事故があるのは事実です。そして、学校や教育のインフラが行き届いてない地域があるのもまた事実。


しかし、これから社会に出ていく学生さんたち、これからの日本を動かしていく世代が、カンボジアを1.0/2.0の国だと思い込み、そんな事前学習をしてカンボジアを訪ねる。思い込みのフィルターがかかった視点を通してカンボジアを見て、納得して帰国する。「カンボジアはまだ支援、援助が必要な国なのだ」と……。


 


 

これが、僕の知るカンボジアのリアル

プノンペンの若者に絶対的な人気を誇る、ジェット・コンテナマーケット


 


★カンボジア3.0


 →国際化、国際競争
 →都市部は人種のるつぼ化
 →カンボジア人の優秀な人材は世界へ


 


多くの日本人は、カンボジアが3.0のフェーズに突入してきていることに気づかないし、知りません。


実際、プノンペン市内だったら英語だけで生活できますし、道路の看板や標識も英語併記が一般化されています。僕の実感値では、近隣諸国の中ではプノンペンが最も英語が通じる都市だと思っています。


 


優秀なカンボジア人が、留学生として日本や他の国に行っています。


日本へ留学したカンボジア人2名を身近な存在として知っているのですが、ひとりは来年から某大手自動車メーカーへ就職します。彼は他にも超がつく大手から3社も内定をもらっていたというから驚きです。それに彼はカンボジア語、中国語、英語、日本語が話せます。 もうひとりの女性は国連での就職を目指し、来年から某有名国立大学の大学院へ進学が決まっています。


就職活動で隣に座った学生がマルチリンガルなASEAN諸国の学生ということが、当たり前の風景になってくるかもしれません。それくらい東南アジアの成長は凄まじいのです。


 


テクノロジーの進化が著しい今、先進国と同じような発展の道を辿る途上国は今後少なくなっていくのではないでしょうか。「リバース・イノベーション」と呼ばれるように、発展途上国発のサービスが世界を席巻することもあるのです。


世界的タクシー配車アプリUBERがカンボジアに上陸する以前に、カンボジア発のスタートアップExNetが配車アプリを発表して既に消費者行動を変えていたように、まさに市場としてのカンボジアは大きな変化の途上の最中にあります。全てが、生きているのです。


 


そんな視点も交えて、カンボジアの「今」見ると、きっとカンボジアや途上国の見方も、より新鮮なものになると思います。


 


 

経験した日: 2018年03月08日

Ambassadorのプロフィール


浅野祐介

日常にHAPPYと彩りをお届けするカンボジア発のファッションブランド、Sui-Johの創設者。1981年愛知県生まれ。4人兄弟の長男。会社員を経て、2010年秋よりプノンペン市内のNorton大学 大学院へ入学。その中で、ファッションと文化の融合を目指しシャツ作りを始め、現在はトートバッグやポーチなど幅広く制作をしている。モットーは”Happiness is only real, when it’s shared”。

浅野祐介さんが書いたノート


カンボジア に関するノート