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「経営者は人を切れるようになって一人前」。この言葉が、心の底にズシンと響いた理由

Posted on 2018年11月28日
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ひとりでは到底成し得なかった複数店舗の運営。それをできたのも仲間のおかげであり、これからも皆を守るためにも…


 


こんにちは、カンボジアでアパレルブランド「SuiJoh」を起業、展開する浅野 佑介です。


僕がSuiJohを続けてきた中で、とても嬉しいことがあります。
それはメンバーが口を揃えて「SuiJohは私の第2の家族だ」と言ってくれていることです。
そこである日、インターン生が「SuiJohが家族なら、ユースケはお父さん?」と聞くと「ユースケは近所のおじさん!」と言われたのは……良い思い出です(笑)。


しかし、そんな調和ある関係性の中にも、和を乱すメンバーがいるのです。
SuiJohの本店に来られたことのある方にとっては、まさかそんな問題が起こっているなんて、想像すら難しいでしょう。
Aさんは気分屋で、自分の気分が悪い時なんかはわざとケンカをふっかけるような発言をしたり、相手を挑発したりさえします。そのAさんに対し、僕もメンバーも、うまくやっていく道をずっと模索し、そして直接でも関接的にも話をしてきました。誰も「Aさんを辞めさせる」といった選択肢は口に出さず、うまくやっていく方法を模索し、対話してダメだと分かったら極力関わらない方向で試したり……。


Aさん自身も、自分が辞めさせられるとは考えていないのでしょう。逆に言えば、僕がAさんを甘やかす状況を作ってしまった……と反省しています。


 


 

腹を決めなくてはいけないのかもしれない

士気を上げるためにも、SuiJohメンバー自身にも誇りと自信をもってほしい。一丸となって進みたい!


 


組織論的に考えれば、腐ったみかんは「辞めさせる」ことが正しい道なのかもしれません。でも、そこから新たにポジティブな団結が生まれたり、改善の余地がまだあったりするのではないかと必死にもがいてきました。組織とは不思議なもので、ひとりの絶対悪がいたら、周囲は一致団結したりもするものですから。


しかしこの問題が、「反対意見をもっている故の反発ではない」ことも、キーではないかと考えるようになりました。


Aさんが純粋に相手の反対意見をもっていて、それ故に起きている反発であったら、意見の擦り合わせ、代替案を考えるなどの意見交換ができるので、組織としてはポジティブな衝突であると思います。


ただ、この問題は、たったひとりの気分によって周囲が左右される、パーソナルなものに起因する衝突です。個人の気分に組織が左右されるわけにはいきません。


 


 


そんな重い問題を消化しきれずにいたある日、日本からお越しの社長さんと久々に再会しました。


彼には僕が抱える諸問題を話していなかったのに、話の中でふと「経営者は人を切れるようになって一人前」という言葉が出てきて、それがこの問題に頭を悩ませていた僕には心の深い位置にドスンと落ちてきたのです。


事業を続ける中で、人は何よりも大切にしなければならない。けれど、情が優位に働いてしまってはダメだ。経営者は人を切れる決断をできてこそ、一人前とも言える……。


その言葉のおかげで、つかえが取れたような、でもより重い気持ちにもなったりもします。


 


組織たるもの、双方の信用あって成り立つものだと思います。


僕たちのブランド「SuiJoh」が奏でたいものは、ひだまりのようにあたたかで「ただいま」「おかえり」が言いたくなるような環境です。


そのひだまりの中に、大きな落とし穴が開いている、と分かっているのに、対処しないわけにはいかない。僕は今、改めてAさんと対峙し、今後どうするのかを話し合っています。今回は夢物語の改善点の模索といった話ではなく、断腸の想いながらも断固たる意志をもって。SuiJohを守っていくために。


 


 

経験した日: 2018年11月28日

Ambassadorのプロフィール


浅野祐介

日常にHAPPYと彩りをお届けするカンボジア発のファッションブランド、Sui-Johの創設者。1981年愛知県生まれ。4人兄弟の長男。会社員を経て、2010年秋よりプノンペン市内のNorton大学 大学院へ入学。その中で、ファッションと文化の融合を目指しシャツ作りを始め、現在はトートバッグやポーチなど幅広く制作をしている。モットーは”Happiness is only real, when it’s shared”。

浅野祐介さんが書いたノート


カンボジア に関するノート