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カギは「捨てる」&「脱・完璧」 英語挫折組からの復活劇

Posted on 2015年11月17日
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世界的視野で自分の可能性を追求しようという人を応援する“スマホで読む”デジタルマガジン『日経GLOBAL GATE』のABROADERS編。今回は、「捨てる英語」メソッドで、英語コンプレックスを抱える生徒たちを英語の達人に変えてきた英語トレーナーの青木ゆかさんと、世界50カ国を旅して、海外で戦う日本のビジネスパーソン数百人と交流してきた若き企業家の太田英基さんが、いかにして英語を克服してきたかを語り尽くします。


 


 

目からウロコ! 真のグローバル志向とは

青木ゆかさん(以下、青木) 太田さんがもともと、海外志向ではなかったというのは本当ですか。

太田英基さん(以下、太田) そうです。完全な国内志向でした。高校の英語のテストで100点満点中4点を取って以来、もう英語は使わずに生きようと。

青木 そんな太田さんが大学で起業して、世界で活躍する人になる目標を持って、さらに世界一周旅行までしてしまったのだから、すごい変わりよう。

太田 きっかけは、ある勉強会で出会った著名な経営コンサルタントの方の言葉でした。そのころ、僕は仲間と学生向け無料コピーサービスの「タダコピ」というビジネスを起業して、東京から全国へ展開し、次は中国や韓国、アジアへ広げようと考えていました。

青木 当時はそれが、グローバルなビジネスのセオリーだと信じていたわけですね。

太田 そうです。コンサルタントの方にも、「どうだ!」って感じで話しました。ところがその方には「全然ダメ、君はグローバルのグの字もわかってない」と全否定されてしまった。

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▶英語で大変な目に遭った海外の思い出話で盛り上がる青木ゆかさん(写真右)と、太田英基さん(同左)

 

その方が言うには、本当にグローバルに生きている人は、いいアイデアやサービスを思いついたら、まず、それを世界のどこに届けるかを考える。「東京から始める必要は本当にあるのか? 上海は? メキシコシティは? イスラム圏ではどうだろう……」と考える。そういう発想のできる人が、日本には少なすぎる。そう言われて、衝撃を受けました。

もう「英語」を避けては通れない

青木 著書で書かれていた「頭に世界地図を描ける人」とそうでない人の違い、ですね。

太田 そうです。それで気づきました。日本地図の中だけで生きていたら、人生のフィールドが限定されたものになる。それはもったいない。とにかく外に出なきゃいけないと、強く思ったんです。

実際に中国進出に向けて、中国で事業を展開している韓国人ビジネスマンとも会いました。ところが僕らは英語が話せないので、通訳なしでは言いたいことを伝えられない。相手に失礼だな、と思いましたね。英語ができないとグローバルな舞台に挑戦すらできない。 そう痛感した、22歳の秋でした(笑)。

青木 「世界」に目覚めて、「英語」の必要性を感じた。そこが太田さんの出発点だったんですね。

MUST+WANT=BEST

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▶太田英基さん。1985年生まれ。中央大学卒業。大学2年で起業。2010年より2年間の世界一周旅行へ。その間、海外で働く日本人やビジネスマンを取材し、各種メディアで発信。2013年より、フィリピン留学・語学留学口コミサイト運営のスクールウィズを設立。読めば元気が出る著書、『日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。』(いろは出版)もぜひご一読を!

 

太田 24歳になった時、人生設計を立て直そうと考えたんです。30歳までに、世界で活躍する人になりたい。そのためにすべきことを「MUST」としてリストアップして上がってきたのが、「英語を磨く」「世界をリアルに知る」「世界中に仕事の相談もできる友達を作る」の3つでした。

一方で僕にはやりたいこともたくさんあったので、WANTのリストも作ってみた。そして3 つのMUSTを消化できるWANTはないか……と探したら、「世界一周」という答えが出た。旅をしながら、世界を肌で知って、さらに海外に友達も作れれば、それがBESTじゃないかと。

青木 私、太田さんの本で感銘を受けたのが、この「MUST+WANT=BEST」という考え方です。みんなMUSTばかりを意識して、やらなきゃ、やらなきゃで生きるから苦しい。やりたいこと、WANTとMUSTの最大公約数を探すという視点を持てば、人生が変わっちゃうな、と。

太田 恐縮です(笑)。僕自身もこの方程式で考えることで、ようやく世界へ出て行く決心がついた。ただ、まずこの最低な英語力を何とか底上げしないと話にならない。そこでフィリピンに3カ月、語学留学することにしたんです。

苦悩の末に「捨てる英語」と出会う

青木 太田さんの出発点にも英語への「挫折」があったことがわかって、安心しました。私の場合は中学生で普通に英語を知って、落ちこぼれ留学生時代から紆余曲折、挫折あり、挫折あり……みたいな。

太田 挫折ばっかりですか?

青木 はい。中学時代に英語に興味を持って、オーストラリア人の先生とよく話していました。先生には英語が「通じた」し、自分はしゃべれると思っていたので、高校2年生の時、イギリスに1カ月短期留学をしたんです。

ところが初日、ホストファミリーとあいさつを交わして、「家のルールは何ですか?」と聞こうとしたら「rule」の発音がまったく通じない。「ウ、ウルール」とかうなっているうちに、「You must be tired.(疲れてるのでしょう)」と慰められる始末で……。

めげずに今度は、「お土産の折り紙で鶴を折ろう」とリビングにみんなを集めた。でもいざ話そうとすると、「お土産ってなんだっけ?」「鶴は?」となって、辞書を調べたりしているうちに、家族が1人、2人と自分の部屋へ消えていきました。一人残ったお母さんまでもが、うたた寝を始めてしまって……。

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▶青木ゆかさん。すてる英語トレーナー、プロ講師。千葉大学大学院社会科学研究科国際経済学専攻。米国公認会計士の資格も持つ。高校時代にイギリスへ、大学院時代にはアメリカへ留学。自身が英語コンプレックスを克服した経験から、多くの生徒を指導。5万部超えのベストセラー、『ずるいえいご』(日本経済新聞出版社)も必読! 

 

太田 それは辛い……。

青木 授業も同じような調子。授業中に単語がわからずもたもたしていたら同じクラスの14歳くらいのギリシャ人の男の子に「Shut up and sit down.(黙って座ってろ)」と言われて、トイレに駆け込んで号泣。夜はコレクトコールで国際電話をかけて、母に向かって数分嗚咽(おえつ)を聞かせてしまったんです。

太田 それは危ない状態……、お母さんも心配されたでしょうね。青木さんの場合は、僕と違って、英語のテストの成績は悪くなかったんですよね。それでも、まったくしゃべれなかった……。

青木 そう。だから「なぜ私は英語を話せないのだろう?」と、ずっと悩み続けました。悶々と。そして大学院生の時にある日本人学生と出会って、彼の英語から大きなヒントを得たんです。私と同じように中学から普通に英語に触れて、その後、アメリカの大学に進んで勉強をしていた「青木くん」という男の子です。

太田 同姓の方……ではなくて、そうか。

青木 はい、今の主人です。一時期帰国していた彼の英語を聞いて、もうびっくり。とにかく何でも説明してしまうんですよ。お茶というのはコレコレ、茶道はこういうもの……と、全部説明する。しかも、その英語に私の知らない単語はなかった。簡単な英語だけなのに、伝えるべきことがちゃんと伝わっている。「どうしてだろう?」と、もっと分析したくなったんです。

それで私も即、大学院を休学して、アメリカへ留学しました。向こうで、日本人の英語上級者の話す英語をさらに分析してわかった共通点が、「捨てる」ということ。日本語で言いたいことの8割を捨てて、2割のコアの部分を英語で伝えるという、「捨てる英語」メソッドを見つけたんです。

(取材・文/笹沢隆徳・武田昌悟、写真/花岡慎一)

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『日経GLOBAL GATE』は、世界的視野で自分の可能性を追求しようという人を応援する“スマホで読む”デジタルマガジン。世界的ダンサーのケント・モリさんや、NHK朝ドラに出演する注目の俳優DEAN FUJIOKAさんのインタビューをはじめ、海外で成功を目指す日本人のリアルな姿を描き出します。さらに、世界で生きていくために必要な知識と教養、英語の苦手意識を克服するノウハウなどが満載です。

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