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日本へ支払う税・フィリピンへ支払う税の種類や内容を解説

こんにちは、日系の人材紹介会社で働く、石山です。
フィリピンに赴任して半年が経ち、とても快適に暮らしています。そこで、より多くの日本人に移住してほしいという想いで、日本とフィリピンそれぞれの税金事情についてまとめます。
移住を考えている方向けに、絶対に抑えておきたい日本の税金などの仕組みと、私が住むフィリピンの税金などについて、説明していきます。
生まれ育った国を離れ、外国人として外国に住むという生き方を選択された方、ぜひご参考くださいね! フィリピンもいいところですよ!(笑)
<日本編> 海外移住した場合に日本へ支払う税金、保険、年金について

移住を決めた際には、まず日本に支払うべき以下の税金、また保険・年金について、しっかりと把握しておきましょう!
1.<所得税> ※居住者なら世界のどこで収入を得ても払う
所得税法基本通達2-1で言うところの「日本国の居住者」である限り、フィリピンで働こうとアフリカで働こうと、日本への所得税の申告・納税の義務があります。
ややこしいのですが、住民票を抜いても扱いは「居住者」のままなので、海外での所得に応じた所得税がかかります。一方、一年のうち183日以上外国にいる場合、「非居住者」として扱われ、所得税を払わなくても良い場合があります。これは合法的な節税として人気がある手法です。
正直、これだけで記事が一本書けるくらい濃い話ですが、今回所得税についてはここまで!(笑)
2.<住民税> ※任意で抜くことも可能
住民税は、1月1日時点で日本に籍がある場合、同年1年間は、住民税の支払義務があります。ちなみに、よく言う「住民票を抜く」というのは、「海外転出届を出す」という意味です。つまり、「年末に移住しようかな、年始に移住しようかな」とお悩みの場合であれば、年末にしておけば住民税を払う義務がなくなるということです。
1月1日、2日などに住民票を抜いても、お正月を迎えてからたったの2・3日間日本にいるだけで、それから1年間の住民税の支払い義務があるわけですから、これは大きな違いですね。
3.<国民健康保険料> ※住民税とセット
こちらは、住民税とニアリー・イコールです。日本に籍がある(住民票がある≒住民税を払っている)場合に限り加入できる国民健康保険ですが、住民票を抜いた時点で、自動的に解約、ないし加入することができません。
海外に移住した方が軽い気持ちで歯医者にかかれば10割が自己負担になりますから、国民健康保険での医療費に慣れた方にとっては、たいへんな出費です。
とは言っても、国民健康保険症を維持しようとすれば、前述の住民税と健康保険料の両方の支払い義務が生じます。万が一の事態に備えて、海外に本拠地を構えたとしても、日本の住民税・国民健康保険を払い続けておく方は一定数います。逆に、住民税・国民健康保険を放棄して、海外現地の保険に加入する方もいます。
このように、ご自身の状況も踏まえて、どうするのがお得で安心できるのか、生き方も含めて考えておく必要がありますね。自分や家族の生命を守る方法を選択できるのも、海外移住の醍醐味ではないでしょうか。
余談ですが、海外に住んでいるとよく分かるのですが、基本的にその国に籍があるだけでは何の保険もつかない(フィリピンでは労働者につく保険はありますが、かなり低レベル)ことが多いです。病気になったり怪我したりした時には、死が頭によぎります。特に途上国では、先進国より死が身近です。
それまで自分の命を守ってくれていた、日本の各種行政サービスから離れて移住するということは、そういうことです。どのような選択をするにせよ、文字通り命の「保険」なので、慎重に選択することをおすすめします。
4.<国民年金(厚生年金)>※義務はなし、任意加入可能
結論から言うと、海外に移住したとしても、収めた額に応じた年金を受給できます。そのため、年金を受給しながら、物価の安い外国で悠々自適な生活を営むことは可能です。ただし当然、そのためには年金保険料を最低10年以上支払わなければなりません!
日本人は20歳になると60歳までの加入義務がありますが、海外に移住した場合、60歳未満であっても年金の加入義務がなくなります。ただし、「任意加入」することもできるので、受給開始後の受給額を考えれば、移住後も日本の年金を支払い続けることは、十分選択肢として考えられます。
海外に住みながら納付する方法としては、以下の2つです。
1.日本国内にある銀行や郵便局などの口座から引き落としてもらう
2.日本国内にいる親族などに代理で納めてもらう
年金についての考えは人それぞれですが、もし受給開始した時に海外などで安い物価で生活できるなら、第2の人生として魅力的な選択ではないでしょうか。払えば払うほど将来の受給額は増えますし、自分で選択できますから、ぜひじっくりと考えてみてくださいね!
さてここまで、移住した際に抑えておきたい日本の税金、保険、年金についてご説明しました。いよいよ、フィリピンの税金を見ていきましょう!
<フィリピン編> フィリピン移住した場合に、フィリピンに支払う税は?

1.付加価値税(VAT) 12%
フィリピンでは、日本の「消費税」にあたる「付加価値税(VAT)」が12%です。スーパーなどで買い物していても、基本的には内税なので、生活上意識する機会は少ないです。
2.百分率税
付加価値税(VAT)の代わりに、業種毎に定められている売上税の一種です。例えば水道やガスです。付加価値税の代わりに、百分率税が2%課せられています。フィリピンが「水道代が安い」と言われるのは、この百分率税がVATに比べ10%も少額なためです。
その他、海外通信は10%、競馬は4%など、項目によって税率は異なります。実際、ふつうに生活していて関わってくるのは水道代やガス代くらいなものです。
3.物品税
生活の潤いのために贅沢品を購入する場合、VATに加え「物品税」が課せられる商品やサービスがあります。贅沢品とは、国内での消費や販売を目的とした特定の輸入品や国産品のことです。例えば蒸留酒、ぶどう酒、発酵酒、タバコ製品、葉巻、紙巻きタバコ、自動車、奢侈品(宝石、香水、化粧水など)、ヨットなどの娯楽・スポーツ 用船舶などがあります。
タバコは2018年7月1日から 2019 年 12 月31日まではタバコ1箱20本に35ペソ(約70円)が、付加価値税の他に課せられています。
4.個人所得税
フィリピン人居住者はもちろんのこと、非居住の国民や居住外国人に所得税が課せられます。なお、非居住者に該当する外国人でもフィリピンの滞在日数が年間180日を超える場合、フィリピンでの所得には個人所得税が発生します。
税率は累進課税で、フィリピンでの国内源泉所得が250,000ペソ以下の場合で0%、それ以上になると金額によって20%、25%、30%、32%、35%と段階的に高くなります(35%が最大)。
例えば、月給95,000ペソほど(約20万円)だったとして、そこにボーナス一ヶ月分も含めて、年間1,235,000ペソとなりますね。すると、なんと30%の個人所得税がかかるのです。意外と高いですね(笑)。
非居住者の外国人でフィリピン滞在日数が年間180日以下、なおかつフィリピン源泉の所得がある場合は、25%が最終課税対象となります(例外あり)。
さらにこれとは別に、雇用主から従業員に付与する物品、金銭等価物による手当には、等価物を割戻ししたものに対して、32%の「付加給付税」が課せられます。
※所得別に見た税率については、最下段の表を参照
以上が、フィリピン居住の際に注意しておきたい日本の税金など、またフィリピンで実際にかかってくる税金になります。フィリピンは物価も安く過ごしやすいので、ぜひ移住先としてフィリピンも候補に入れるご参考になればと思います!
■【参考記事】フィリピン生活費って本当に安い?英会話留学生も必見!マニラに住む私の生活費を公開
※所得別における税率一覧表

経験した日: 2019年08月30日
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