ABROADERS

  • HOME
  • 場所だけではなく、人と人をつなぐトンネル工事~世界中から集まった人々とシンガポールで汗を流す – ENZAN (ASIA) PTE. LTD. Director 藤田裕司氏

場所だけではなく、人と人をつなぐトンネル工事~世界中から集まった人々とシンガポールで汗を流す – ENZAN (ASIA) PTE. LTD. Director 藤田裕司氏

Posted on 2015年09月24日
0
2939

現在シンガポールでは数々の地下工事が進行中だ。その工事を支える世界中から集められた人々の中に、藤田裕司氏がいる。トンネルを掘り進めるために欠かせないシステムを提供するべく、彼もまた日本から海外に出ていったABROADERSのひとりだ。

世界の地下開発に貢献したい

fujitayuji2_1

世界の地下工事の現場を駆け回る藤田さんですが、昔から海外に興味があったのですか?

私は広島市のはずれにある田舎町で育ちました。海外どころか県外に出ることさえ珍しいような幼少期でしたが、小学生の頃に父が仕事で2週間アメリカ出張に出かけたことがありまして。そのとき買ってきてくれたお土産の中に、黄色いノートがありました。ほんのり甘い香りの漂う、ざらざらとした紙の質感、ピンクと青の罫線。「こんなものが外国には売っているのか」と純粋に驚きました。これが初めて私が海外を実感した瞬間かもしれません。 小学4年生になってからは、近所のおばさんが寺の一角で開く寺子屋のような英会話教室に通い始め、英語の面白さにも魅せられました。 大学に入ってからは、アルバイト代を注ぎこんでバックパックを背負い海外旅行に出かけるように。初めての海外はイギリス旅行でした。映画『トレインスポッティング』に憧れての、ロンドン~エディンバラ往復の鉄道旅です。 友人とふたりで行ったのですが、ロンドンに着いて次の日には別行動する羽目に。最初はどうしていいか分からず不安でしたが、宿泊先のユースホステルでいろんな国の若者に自ら声をかけ現地を一緒に巡ったりして仲良くなることで、ひとり旅の楽しさに目覚めました。 その後も長期休暇を利用して西ヨーロッパやアメリカ大陸などを旅して、行く先々で自分とは全く違った経歴や価値観を持つ人々に出会うことで「将来はこういう人たちと仕事をしてみたいな」と思うようになったのです。

まさに今のお仕事でそれを体現されていますね!

そうですね、だから今が一番楽しいんです。 私が今いるシンガポールには世界中から様々な境遇の人々が集まっています。私が普段仕事で触れあう人たちも多種多様ですよ。現場では、インドやバングラデシュから来た人々と共に汗を流しますし、営業やプレゼンの場では役所の偉い方や、ゼネコンの所長やマネージャーの方々と接します。まさにダイバーシティを実感する仕事です。 私自身がこれまでの人生で関わってきた「土木」「プログラミング」「工学」。これらに「海外」というキーワードが加わって、全ての点がひとつに繋がったような快感もあります。振り返ってみれば後付けでしかないかもしれませんが、自分がこれまでやってきたこと全てに意味があったように感じるんです。 トンネルを掘るという仕事は「place to place」、場所と場所をつなぐとだけ思っていましたが、それだけではなくて今は「people to people」でもあると実感しています。人と人がつながって、輪がどんどん広がっていく喜びを体感しながら仕事していますね。

fujitayuji2_2_2

今後のお仕事の抱負について聞かせて下さい。

現在シンガポールには約180kmの地下道がありますが、2030年までにこれを倍の360kmにする計画があります。今私が関わるのはダウンタウンラインという地下鉄トンネルの掘削工事ですが、同時並行で別ラインの地下鉄工事が始まっています。 当社の「enzan system」もありがたいことに引き合いがあり勢いに乗っているところではありますが、私個人としては調子に乗らないように、勝って兜の緒を締めよと言い聞かせています(笑)。当事務所は私と、現地のスタッフがもうひとりいるだけの小さなオフィスですが、技術畑一筋で歩んできた私からすれば経営は全くの初心者。「ペーペー兼ベテラン」という両輪を回しながら、毎日新鮮な気持ちで仕事をしています。 前述したようにシンガポールには本当に様々な境遇の人が世界中から集まってきていて、中には留学生や欧米の建設会社の社員たちも来ているので、その人たちが当社システムの良さをこの現場で実感することで、今度は彼らが自分の国に帰った時にも使ってくださればと期待しています。 また地下工事という不確定要素の強い特性上、膨大な蓄積データも今はまだあまり活用できていません。今後はこの活用の幅を広げて、現場の改善や発展に活かしていきたいと思っています。 世界中に弊社のビジネス領域をもっと広げていくことで、弊社が関わったトンネルが世界中にもっと増えていき、少し気宇壮大な言い方かもしれませんが「地球の地下開発」に貢献していきたいですね。

この記事を読む方にメッセージをお願いします。

一見、海外と何の接点もないような田舎町出身の私でしたが、一歩外に出てみることで世界がどんどん広がり、見えるものや考え方が全く違ったものになってきました。海外に出るだけが人生ではありませんが、純粋に私はそれを体験したいと思ったし、それが実現している今は心から楽しいと言えます。 色々失敗もして、会社に迷惑をかけたりしたこともありましたが、周りの方が温かく見守ってくださったことで今があります。 海外を飛び回る生活には、嬉しい出会いもあれば悲しい別れもたくさんあります。ただ、失うことはチャンスも新たに巡ってくるということではないでしょうか。

このノートに関連するタグ

Ambassadorのプロフィール


ABROADERS事務局

ABROADERS事務局、公式アカウントです♪ アジアで活躍する方々のインタビュー記事や4コマ漫画など、アジアの面白コンテンツを発信していきます!

ABROADERS事務局さんが書いたノート


シンガポール に関するノート