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裏方として企業の海外進出を支え続けたい-株式会社フューチャースピリッツ谷孝 大氏が国としての「点」ではなく、東南アジア圏という「面」を狙う理由とは?

Posted on 2014年06月24日
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インターネットの黎明期である1996年に創業し、その後15年以上にわたり、インターネットビジネスを展開する際に必要なソリューションの提供をしてきた株式会社フューチャースピリッツ代表取締役の谷孝氏。ホスティングサービスを中心とするネットワークソリューション事業、及びWebプロデュース事業、クラウドサービス事業を、京都本社、大阪支社、東京支社の全国3拠点で展開。現在は海外にグループ会社を設け、中国及びマレーシア、タイで事業を行う。

ASEAN主要国に進出し、ゆくゆくは世界中へ

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上海に進出された後は、どちらに進出されたのでしょうか?

2011年にマレーシアのクアラルンプール、2013年にはタイのバンコクに進出しました。 進出条件は、上海と同じく日系企業が多いことと、電気や通信などのインフラが整備されていることです。中国の次にマレーシアを選びましたが、これは東南アジア第二位の先進国で、コストとマーケットのバランスが良かったためです。 当初はシンガポールも考えましたが、コストを考えるとリスクが高すぎました。 上海では日系企業約1000社にご利用いただいており、実績も出ていましたが、マレーシアでの立ち上げは、また中国とは違う難しさも経験しました。

具体的にどういった部分が難しかったのでしょうか?

例えばデータセンターひとつとっても、日本と中国の管理体制が全く違うように、中国とマレーシアでも違います。 サーバーなどの機材は日本から持ち込みましたが、税関で止められてしまい、理由を聞いても教えてくれず半月近く準備が止まってしまうなど、立ち上げ当初は大変苦労しました。

追従するライバルと比べた時の御社の強みは何ですか?

海外でサービスを開始されている事業者もいらっしゃいますが、その中でも、各国に拠点を持ち、それぞれの国のデータセンターを利用しながらサービスを展開していることです。 やはり各国ごとの特色があり、各国のマーケットもひとつずつで見てみると小さいので、大手企業が細かな対応をするのは難しい。しかし、小回りがきくベンチャー企業である私たちなら対応可能です。 これから日系企業はさまざまな国に進出すると思うのです。そんな時に、どの国に行っても弊社があり、同じ品質のサービスを提供している状態を作っていきたい。 だから、「面」で抑えることが重要だと思っています。そのためにも今、必死に走り回っています。

経済における国境の概念がなくなりつつある今がチャンス

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今後の海外展開の方針を教えてください。

ASEAN主要国に進出しようと考えています。昨年タイにも進出しましたが、今後も毎年1、2カ国のペースで進出し、将来、さらに日系企業が東南アジアに進出した際に、弊社がどの国でも対応できるようになりたい。 つまり、国としての「点」ではなく、東南アジア圏という「面」で押さえたいのです。 マレーシアでの事業は始まったばかりですが、マレーシアのマーケットの広がり方やサービス習慣を理解して東南アジアの成功モデルを作った後、どんどん周辺国に展開したい。 将来的に日系企業だけでなく現地企業、欧米企業向けに事業展開をしたいと思っています。そしてASEANの次は、中東、アフリカやヨーロッパ、ゆくゆくは世界中に進出したいねと社員たちと話しています。

世界中どこででも御社のサービスが使えるようになることを目指しているのですね。

その通りです。国際間での取引が今以上に常態化した際に、全ての国で、当たり前のように弊社のソリューションが関われるようにしたいです。 たとえば、アメリカの会社がタイに進出する際に、弊社のソリューションを使っていただく。 そのためには、日系企業向けとしてアジアナンバーワンのホスティング会社になれるよう、日本とアジアできちんと展開をして実績を作ることが必要になります。 その実績を持って初めて欧米の会社で使ってもらえるようになると思っています。

サーバーホスティングというプラットフォームビジネスの面白みはなんでしょうか。

日系企業のお手伝いができることで時流に乗れていることへの面白みもありますが、一番の面白みは、弊社のソリューションを利用されている企業様の先には、その企業様のユーザーがいらっしゃるということ。 社会への影響力という意味では、実は大変な責任を負っていると考えています。 弊社のサーバーを利用されている法人のお客様は多岐に渡り、そのお客様毎に関わっている消費者の方々は異なります。 インターネットは生活インフラですので、空気のような存在ではありますが、そのインフラは、私たちのようなプラットフォーム会社が支えています。 決して表にでる会社ではありませんが、裏方として企業の事業をサポートさせていただいていることに面白みがあります。

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谷孝社長がそれほどまでに事業にのめり込まれる原動力とは?

やはり、もっと社会に影響を与えられる会社にしたいと思う気持ちです。会社を起業してちょうど10年目の2007年に、これからの自分を考えてみました。 その時に、40、50歳になった時の自分が想像できてしまい、「このままではいけない」という危機感を感じたのです。 会社を立ち上げたのは、「今しかできないことをやる」という思いからでした。それを思い起こし、海外展開を押し進めるようになったのです。 しかし、私自身がやる気になっても、スタッフとギャップが生まれたら進めていくことは難しい。 だから、ギャップが生まれないように意識合わせをします。一番いいのは、会社もスタッフも同じスピードで成長することでしょうね。

これから海外進出する方々に一番伝えたいことは何でしょうか。

私は、日本で成功した商品やサービスは必ず海外でも成功して、普及させることができると思います。 逆に言えば、日本でうまくいかないものが海外でうまくいくはずがない。インターネットの力のおかげで、経済における国境の概念はますますなくなりつつあり、中小企業も海外のマーケットに進出できるようになっています。 マーケットが広がるということは、大きなチャンス。 単に儲かりそうだから、という想いでは、一過性のものになってしまいますが、本当に自信がある商品やサービスを持っており、日本、そして進出先の地域社会にとってプラスになるという信念がある事業であれば是非挑戦して欲しいですね。 結果的にそれが、日本を含め、世界各国の社会をより豊かなものにしていくことに繋がるのだと思います。

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