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目指すのは、世界一オモシロカッコイイ会社‐実力派経営者クルーズ小渕宏二氏ならではの、海外拠点での取り組みとは?

Posted on 2013年11月19日
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時代に求められている事業をし続け、創業以来さまざまな事業展開をしてきたクルーズ株式会社の代表取締役社長 小渕氏。現在はソーシャルゲームを軸に、世界中にインターネットサービスを提供するエンターテイメント企業として躍進中。海外オフィスも展開し、世界に日本のゲームを広げようとしている。

時代ごとにユーザーが求めるものを提供する。

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- 海外展開を現在どのようにされているのか教えて下さい。

海外拠点ではプロモーションとマーケティングをしています。弊社が作ったゲームを海外で広告宣伝したり、どんなものが海外ではやっているのかリサーチをしたりと、ゲームを作ること以外は日本と同じことをやっています。今は、マーケットとしての売り上げが大きいアメリカ、ドイツ、韓国の3カ国がメインですね。ベトナムはオフショア開発のために進出していましたが、実は撤退を決めました。

- なぜ撤退を決めたのですか?

ベトナムにオフショア開発拠点を設けたのは、元々はコスト削減が目的でした。 僕たちは、人間を相手にして深層心理を刺激するゲームをツクっています。それは、日々変化していく生ものを開発しているようなもの。
果たしてそれを海外でツクルことができるのかどうかというと、正直コスト削減を目的とした海外拠点においては、まだそこまで繊細なものを開発できるステージではないと思いました。 また、そもそも今はコスト削減を目指すタイミングではなく、もっといいプロダクトヅクリをすることに頭を使わなければならない時期なのに、オフショア開発を実施する上での悩みがとにかく多かった。
費用対悩みコストが高かった、とでもいうのでしょうか。色々考えた末、今はとにかく日本でのプロダクトヅクリに集中すべき時期だと考え、ベトナムは撤退することにしたんです。

「外貨」と「誇り」のどちらも手に入れる。

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- 海外進出することを昔から目指されていたのでしょうか?

ビジネスをしている人間であれば、産業が大きくなって日本が飽和状態になればなるほど、海外に目がいくのは当たり前のこと。ところが、海外で成功した日本のインターネット企業ってほとんどないんです。
なぜならば、デバイスやプラットフォーム、マネタイズの仕組み、通信環境など、ありとあらゆる外部環境が、ビジネスが成功する状況になっていなかったから。 しかし、今は海外のゲームが日本でも売れたり、逆に日本のゲームが海外で売れるようになったりと、すべての外的要因が“世界にゲームを展開して良い状況”になっている。
これは、時代が求めているということ。僕たちはこの時代とユーザーが求めるものを提供していくつもりです。

海外進出をするうえでの、御社の強みとは。

日本にあるゲームを提供する会社としての強みは、世界で一番ゲームを得意としているのは日本だということ。日本には、世界に誇れる多くの文化がありますが、そのうちのひとつがゲームだと思うんです。
ここまで緻密に、クリエイティブなものを作れる日本人の発想力はすごい。豊かでエンターテイメントに溢れている国だからこそ生み出せるもの。そういう文化背景を持つことは強みでしょう。 また、海外や国内のベンチャー企業と戦う時に重要なのは、スピード。
僕が意味するスピードとは、事業に着手するスピード、成し遂げるまでのスピード、撤退の決断のスピードと、ありとあらゆる場面でのスピードのこと。今までに培ってきた変化に対応する弊社の文化は、海外進出をする際にも強みになると思います。

- 海外展開をする時に重要だと思われることを教えて下さい。

海外展開をする際は、現地で誰が活動するかが非常に重要です。つまり、信頼できる社員をいかにして見つけるか。まず、弊社の海外拠点の韓国には、弊社で2年間働いたゲーム会社出身の韓国人メンバーに任せています。
そして、サンフランシスコとドイツには、それぞれ僕と10年以上一緒に働いた役員が行っています。さまざまな変化の荒波を経験してきた役員が僕の周りには何人もいるので、このふたりを海外に送ることができるんです。
まずは、大きな拠点にしていきたいアメリカとヨーロッパ、そしてアジアに信頼できる社員を送り、あとは、なるべく語学ができてベンチャー気質を持っている社員を日本で2、3年くらい育てて、どんどん海外に送りたいですね。海外ではプロモーションとマーケティングをするつもりなので、そんなに人数はいりません。
スキルがあって気が利いて、裏切らないメンバーが何人かいれば良い。 だから、僕は日本で事業を一緒に立ち上げて、成功経験も失敗経験も乗り越えたメンバーをまずは海外に送りたいと思っています。

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- 今後の目標や展望を教えて下さい。

今後の日本の内需は、ある程度限定的でしょう。日本のソーシャルビジネスは、4000億円の市場だと言われています。大きな規模に聞こえますが、世界全体の規模から見たら大したことはありません。
僕は、外貨がない所に日本のコンテンツビジネスの未来はないと思っています。だから、営利活動をする企業活動として、外貨を取りに行くつもりです。
また、外貨だけではなく、同時に日本企業としての「誇り」を得たいですね。平成以降にできた産業で世界的に活躍している企業というのは、実は日本にほとんどありません。
僕たちは日本が勝てる産業でチャレンジしているので、和製企業として海外で活躍し、「世界で活躍したんだ」、「世界の70億人にゲームを提供できたんだ」、「世界一オモシロカッコイイ会社になったんだ」という誇りをメンバーや日本の人たちに少しでも感じてもらえたら、この会社を作ったかいがありますね。

- 「外貨」と、お金では買えない「誇り」の両方を世界でつかもうとされているのですね。

そうですね。僕は死ぬ時に誇りを感じながら死にたいと思っています。そして、自分だけではなく、僕と一緒に仕事をしたメンバーたちにも、最後に人生を振り返った時に「あの時楽しかったな」とか、「辛かったけど、俺はこんなにすごいことができた」という誇りを持ってもらえるようにしたい。
こんなに良い時代に生まれ、勝負できる環境にいるのだから、そのことに感謝しながら行けるところまで行ってみたいですね。

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