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民主化デモに揺れる香港、今見るべき香港返還映画3部作

Posted on 2014年12月18日
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2014年9月末から、若者を中心とした民主化デモが繰り広げられている香港。 日本でも連日ニュース等で取り上げられ、目にすることが多いのではないでしょうか。

 

2015年は香港にとって激動の年となりそうですが、イギリスから返還された1997年は今以上に、「香港」という国が変わろうとする激動の年だったといえます。

香港が激動に揺れている今こそ、かつての激動の時代、香港返還を描いた映画を3本ご紹介します!

 1、『メイド・イン・ホンコン』(原題:香港製造 Made in Hong Kong/1997年) 

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香港返還が近づくにつれ、将来に希望が持てず自殺をする若者が増加している問題に気づいた監督が、なんとスタッフ5名で製作をスタートした作品!

行き場のない3人の若者の揺れ動く心情が、鮮明に描かれています。

 

【あらすじ】

香港返還を控えた1997年、母親と低所得アパートに住む主人公・チャウは、弟分で知能に障害を持っているロンと一緒に借金の取立ての手伝いをしていた。

ある日借金の取立て先で、同じような境遇の少女ペンと出会い、恋に落ちる。

やがて重い腎臓病を患うペンを守るため、チャウはある行動に出る。

(Amazon.co.jpより)

2、『花火降る夏』(原題:去年煙花特別多 The Longest Summer/1998年)

香港返還を目前に、イギリス軍隊を除隊された主人公・ガーインの新しい社会に対する不安とうまく適応できない苛立ちが描かれています。

「もし、自分がガーインだったら?」と考えながら、見てみるのもよいかも!

『メイド・イン・ホンコン』で主役を演じたサム・リーが弟役を演じているのにも注目です。

 

【あらすじ】

香港返還を目前に、所属していたイギリス軍香港駐屯地部隊の解散を命ぜられた主人公・ガーイン。

次の仕事がなかなか決まらず、行き着いた先はヤクザ社会に身を投じた弟の親分の運転手。

ある時、ふとしたことから銀行強盗の計画が持ち上がり……。

予告編はこちら。

 http://www.youtube.com/watch?v=-5QaUvox0zY

3、『リトル・チュン』(原題:細路祥 Little Cheung/1999年)

この時代の香港に吸い込まれてしまいそうになるほど、街の風景や住人たちが丁寧に描かれています。

子どもの視点ということもあり、ユーモアのある場面もたっぷりで、他の2作品よりは見やすいかも!?

また、最後の場面に注目すると3作品を見た人ならわかる驚きの登場人物が……!

 

【あらすじ】

リトル・チュンは食堂を営む父親、母親、家政婦と暮ら9歳の少年。

同じ年齢の不法移民の女の子・ファンと知り合ったチュンは、協力してアルバイトに勤しむ。

勘当された兄探し、大好きなおばあちゃんの死。

そして香港返還直前、強制送還の車に乗せられるファン一家を目撃したチュンが取った行動は……。

予告編はこちら。

http://www.youtube.com/watch?v=mrGtxqi5u1I

フルーツ・チャン監督が伝える香港返還

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これらの3部作を手がけたのはフルーツ・チャン監督。

チャン監督は3作品に対する思いを、

『メイド・イン・ホンコン』では、香港の若者たちの希望のない世界を通して自分の感情を表現し、

『花火降る夏』では、ふたたび新しい社会システムに順応しなくてはならなくなった中年男たちの一群の物語に自分の気持ちを託した。

3作目の『リトル・チュン』では、9歳の少年の目を通して時代の変化が香港の家族にどんな影響を与えているかを表した。

 と、語っています。(「NHKアジア・フィルム・フェスティバル」より)

 各々の内容は違うものの、返還を祝した花火大会など同じ光景が各作品に映し出される演出もあり、

3作品を見終わると彼らは同じ世界、時代に住んでいたのだな、としみじみと感じることができます。

一国二制度が始まって17年が経とうとし、民主化デモで揺れる今だからこそ、

香港返還3部作をとおして「香港」という国を見つめてみてはいかがでしょうか?

ライター

佐藤 美咲/Misaki Sato

早稲田大学文化構想学部卒、社会人1年目。小さい頃から映画好きなこともあり、大学では映画やテレビなど映像メディアを専攻。(アジア映画論という素敵な授業がありました!)学生時代は長期休みの度に海外へ飛び出し、これまで行った国は20カ国。多くの人との出会いを通して色々な生き方があることを知り、「自分も枠にはまらない生き方を」と強く感じている。ゆくゆくは海外で生活することが夢!

 

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