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言語を“習うだけのワーホリ”で終わらせないために〜台湾ワーホリから中国・深センでドローン事業を立ち上げた川ノ上和文さん〜

Posted on 2017年08月04日
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xyZing.innovation(翼彩創新科技(深圳)有限公司)CEOの川ノ上和文さんが、寿命100年時代のキャリアを高める“戦略的ワーホリ論”について語る連載の第3回。


 


台湾でのワーホリをスタートさせた川ノ上さんの現地生活を伺う今回、スポットを当てるのは「言語スキル」です。ワーホリ前から北京語には慣れ親しんでいたという彼ですが、学校で勉強をしたのはたった6ヶ月だけだったとか。


 


言語スキルの磨き方はもちろん、1年間という短いワーホリ期間を“言語を習うだけ”で終わらせないための方法とは?

習うより「使う」に目を向けること

※中国語でのセミナーにも積極的に参加


 


ー中国語の授業を受けたのはたった6ヶ月だったそうですね、その後はずっと独学で?


川ノ上:はい。私が学校で体系的に勉強したのは、約10年前に北京・語言大学へ留学した際に受講した1学期分だけ。その後全く中国語に触れていない期間もしばらくありましたが独学や仕事を通じて継続して学び、ワーホリが始まる前には、ビジネスレベル程度ではあったと思います。 


私の経験から皆さんにお伝えしたいのは、言語を習うことよりも「使うことに目を向けること」。ワーホリの期間は1年間と短いです。この期間を、自分の絶対的・相対的価値を高める期間にするためにも、準備できることはたくさんあるんですよ。


ーワーホリに挑戦してみたいけれど「言語ができないから」とためらう方は少なくありません。“海外にチャレンジできる言語レベル”とは、どの程度だと思いますか?


川ノ上:生き抜くために最低限必要なフレーズの「聞く」「話す」を覚えたら、現地入りしても良いと思います(外国によって治安状況が違いますから、事前の情報収集、場合によっては下見もしっかりやってください。ちなみに台湾は治安がかなりいい方です)。 


現地生活において「話す」ことはもちろん必要ですが、それ以上に「聞く」ことは大切です。なぜなら「聞いて理解できる」ことは「自力で情報を取れる」ことを意味するから。現地での体感と共に”生の”情報を取れることはとても重要で、現地生活の価値を引き上げてくれるんです。言いたいことはそれと同時に少しずつ増やしていけば良い。


もちろん聞くためには文法や発音等の基礎知識も必要ですから、まずはネットやオンライン教材を活用しながら、その言語のリズムが頭にすっと入って来て、単語の切れ目がわかり「文字として頭に浮かんでくる状態」を目指す。文字化できればメモが取れますし、検索や質問につなげられます。


初めのうちはボイスレコーダーで録音して、ネイティブの友人に文字起こしをしてもらうのも手です。そして声に出して身体で覚えるようにします。生活上よく使うフレーズが増えてきたら「単語力」を強化することで、コミュニケーションスキルも高まり、言語スキルは伸びていくはずですよ。


これはワーホリに行く前でもある程度はできますから、行くことを決めたら習慣化して、少しでも高い語学力で現地に臨むのが理想です。


それから、ワーホリの密度を高める上で大切なことが「言語を使うシーンをイメージする」こと。学校で習う方法とは少し異なりますが、本当に必要な言語スキルを身につけるのに最適で、道を切り拓く可能性や確度が高まります。

現地で話すシーンを明確に

※台湾人大学生対象創業イベントに参加


 


ー「言語を使うシーンのイメージ」ですか、詳しく教えてください。


川ノ上:一般的な外国語教育では一つの教科書を使ってどの人も一律で同じ表現を習いますが、本来は海外に行く目的や話す相手、使う単語もそれぞれ異なります。外国語を使ってスピーチをするのか、雑談をするのか、交渉をするのか。「自分はどんな場面で外国語を使うんだろう?」というイメージを明確にすることが、外国語習得には効果的です。


例えば私の場合は、ワーホリをする目的が3つありました(参考:Vol.02)。そのうちの1つ“台湾で起こるイノベーションを知る”上で、自分が現地でどんなシーンに出くわすかなと考えてみると、情報収集のために雑誌や新聞記事を読むこと、イベントやセミナーに参加すること、そして懇親会やアフターパーティで簡単に自己紹介をしたり、相手へ質問をすること等が浮かびます。


そのシーンをさらに具体的にシュミレーションしてみると、「日本からワーキングホリデーで来ています。」「日本には行ったことがありますか?」「私は〇〇の理由でこのイベントに参加したのですが、あなたは?」「ニュースや雑誌で出ていた〇〇についてどう思います?」等、シーンに応じたフレーズをいくつも思いつきますよね。あわせて、相手の取りうるリアクションも想像して、会話テンプレートを持っておくと良いです。実践を通じてレパートリーを増やしていけますよ。 


こうして現地生活の1シーンが具体化されればされるほど、必要な言語レベルも自ずと分かってくるもの。現地でも新しい出会いを積極的に求めていけば、自分自身を説明する機会も増えますから、自ずと上手くなっていきます。


外国語は、教科書通りに勉強しなくても自分に必要なフレーズや単語から優先的に学んでいけば良いんです。最近ではオンライン教材も充実してきていますから、利用しない手はありませんよ。


ーオンライン学習のメリットはどんなところにあるでしょうか?


川ノ上:私が北京に留学していた10年前より、単価を抑えたコンテンツも増えましたし、スピーキングやリスニング、発音練習等の目的別に選べるようになったところ、とても便利だなと感じています。


もともと日本人の外国語勉強法というと、机に向かってカリカリ勉強するスタイルが一般的。“レッスン=発表する場”という意識がありました。それに語学スクールの授業料は高額なので、なおさら「1回1回失敗できない」という気持ちがプレッシャーになって、レッスン自体が億劫になって辞めてしまう人は多かったはずです。


そんな中、単価を抑えたオンライン学習が定着してきたことで「準備万全ではないけれどとりあえず挑戦してみよう」と、気軽に捉えられるよう変化したことに大きな意味があると思います。


ワーホリで現地生活をする間は、ご飯を食べることも誰かと会話をすることも、全てが「学べる環境」です。そんな時にいちいち単語の確認なんてしていられないし、とにかくどんどん慣れていかなければならない。そういう環境だからこそ言語スキルが上達していくんですよね。日本に居ながらにして外国語に触れる時間を最大化できるのは、オンライン学習ならではだと思います。


ー言葉に触れる時間を増やす、たしかに日本にいながらできますもんね。


川ノ上:そうです。もし、もうワンランク上を目指すなら、オンラインで基礎練習・語学教室で実践練習といったように“使い分け”をすると良い。ポイントは「教えるプロがいるかどうか」です。


オンラインサービスで出会うネイティブ講師の中には、言語の教授法に明るくない人もいます。日本人である私たちにとっても日本語文法や発音をわかりやすく説明することは難しいように、ネイティブ=優秀な講師という訳ではありません。


ABの表現どちらがより自然でよく使うか、発音が自然かといったレベルなら、ネイティブ話者であれば問題なく指導できるはずですが、教授法を学んでいない講師が対処しうる質問にはどうしても限界がある。「この講師にはどのレベルの質問まで聞けるだろうか」という見極めも、ある程度必要になってくると思います。


なので、基礎練習の中でどうしても克服できないポイントが出てきた時や自分が使いたいシーンに特化した練習がしたい場合、教えるプロによる集中練習を活用するのも手です。教え方が上手く相性が良い講師と、臨場感の溢れる教室レッスンで刺激を入れるのも効果的ですね。


予算や時間、現在の語学レベル、目指すレベル、住まいを含む学習環境などを考慮して複合的にプランニングをしていくのが良いでしょう。

目指す言語レベルは「ワーホリ通じて得たいもの」から逆算する

※台湾人ビジネスパーソンとの交流会


 


ー最後に、言語を“習うだけ”のワーホリで終わらせないために必要なこととは?


川ノ上:ワーホリを通じて「自分が欲しい情報」や「会いたい人」にたどり着けるかどうかは、自分のシュミレーション能力にかかっていると思うんです。どんな場所に足を運んで、相手とどんな会話をするか……自分が遭遇するであろうシーンのイメージから逆算すれば、目指すべき言語レベルや言語習得の道筋は自ずと見えてきます。


もし目標と今の自分のスキルの間にギャップがあるならば、世の中にたくさんある学習資源を駆使して、それを埋める方法を見つけていくだけです。


オススメしたいのは、ワーホリ期間中の活動の軸になる視点を3つくらい持っておくことです。その視点に応じた各シーンをイメージして使いそうなフレーズや単語を、ある程度日本で準備しておくと自信にもつながります。そうすれば、短い1年間が「言語を勉強するため」ではなく「言語を使うため」の期間に変わっていくはずです。


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[第4回]となる次回のテーマは、言語習得の先にある「現地ネットワークの築き方」です。中国・深センでの起業のきっかけとなった出会いは、どのようにして掴んだのか? 乞うご期待! 


【プロフィール】


川ノ上 和文/Kazufumi Kawanoue


xyZing.innovation(翼彩創新科技(深圳)有限公司)CEO


大阪出身、中国・深セン在住。xyZing.innovation(エクサイジング イノベーション CEO/総経理。深センを軸としたアジアxMICEMeetings,Incentives, Conferences,Events)の事業開発をてがける。高校卒業後、東洋医学に関心を持ち北京留学。その後留学支援会社での講座企画、上海での日系整体院勤務、東京での中国語教育事業立上げ、台湾ワーキングホリデーを利用した市場調査業務に従事。新興国や途上国における都市成長やテクノロジーの社会浸透、人間の思考や創造力の開発に関心が高い。現在、ドローン活用の思考枠を拡げるための場として深センでアジアドローンフォーラムの開催準備中。



 

経験した日: 2017年08月04日

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