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日本の厚生労働省を退官し、カンボジアで人材会社を起業!〜CDL 鳴海 貴紀 代表取締役社長〜
CDL 鳴海 貴紀 代表取締役社長インタビュー
なぜ、カンボジアで起業されようと思ったのかについて教えてください。
最も大きな理由は、カンボジアをコネクションが無くてもスキルや能力に見合った就職ができる環境にしたいからです。私は2012年3月に初めてカンボジアに来ました。
シェムリアップで夜道を歩いていると後方から日本語で声をかけられ、日本人だと思って振り返ると、バイクタクシーの運転手をしているカンボジア人青年でした。
日本語が流暢だったので、私は日本人だと勝手に勘違いしたのです。
日本語を話せるのになぜバイクタクシーをして働いているのか聞いてみると、「コネクションが無いから良い仕事に就くことができない」と言いました。
マッチングインフラが整っていないカンボジアでは、本人の能力やスキルに見合った仕事に就くことが困難だったのです。
当時、私は厚生労働省で働いていましたが、カンボジア人たちがコネクションに頼らなくても良い仕事に就けられるようにしたいと思い、カンボジアで人材ビジネスを始めることを決めて帰国後すぐに辞表を出し、翌々月にはカンボジアに移住したのです。
カンボジアに人材会社は何社もありますが、御社の強みはどの部分だと思われますか?
人材紹介会社でなく、職業紹介会社であることが強みだと思います。
これはカンボジアで唯一無二と言って良いビジネスモデルなのですが、実はそれが強みであると自覚したのは恥ずかしながら起業してだいぶ経ってからのことで、お客様の反応から気が付かせてもらいました。
私は、手数料を企業側から頂戴するがあまり、求人側に偏重しすぎたサービスをしていると、かえって企業のためにならないと考えています。
企業・カンボジア人の双方がお客様であることに違いはないのですが、私たちは求職者側に偏重し過ぎているとお叱りを受けるくらいカンボジア人求職者の目線でサービスをしています。
これは意識してというより、私がハローワークに勤務していた頃に身体に浸み付いたことなのです。
不思議にもそれが巡り巡って求人者の方への満足度に繋がり、求人者も求職者も徐々に増えていきました。
移住をされて、ご自身のなかで一番変わったこととは?
カンボジアで起業した年にカンボジア人の女性と結婚したことで、私にとってカンボジアが妻の母国であり、身近な存在になりました。
それまではカンボジアを外国と捉えていましたが、むしろ今ではカンボジアを中心に考えて世界を広く捉えるようになりました。
2015年以降、アセアンが経済共同体化すれば、人の流れは国境を越えて流動的になるでしょう。
少なくとも、国境を越えて人材を需給調整する時代に入ると思います。
これは同時に、人材紹介会社の淘汰の時代に入ることも意味します。
各国には優良な人材紹介会社が数多く存在しますから、それらとの競争、提携、合併などが弊社に待っていることでしょう。これに向けて弊社が取る戦略はシンプルです。
彼らと対等な関係となるために、カンボジアにおいて最も優良な人材会社だと認められる存在となることです。
そのためには、もっと多くのお客様にとって感謝され、親しまれ、愛される存在になれるよう努力していきたいと思います。
鳴海 貴紀さんの一日のスケジュール
06:30 起床
07:30 妻の生出演するTVニュースを見る(しかし、クメール語で言葉は理解できない)
08:00 会社の近くのカフェで関連会社と打ち合わせ、その後出社
10:00 マーケティング部門との打ち合わせ
鳴海 貴紀さんのプロフィール
鳴海 貴紀(Narumi Takanori)
Creative Diamond Links / CEO / PRESIDENT
日本の厚生労働省を退官し、2012年にカンボジアで起業。
日本のハローワークで働いた経験を生かし、人材紹介・職業紹介・人材開発という形でカンボジアの経済発展に貢献したいと考え、現在、コネクションが無くても能力やスキルに見合う仕事を紹介できるように、職業のマッチングインフラとして事業を運営している。
起業のきっかけは、コネクションが無いばかりに日本語が堪能でもバイクタクシーで日銭を稼ぐ青年に声をかけられた時の出会いから。
日本語が堪能であるにも関わらず、企業とのコネクションがないためにバイクタクシーで日銭を稼いでいる現状を目の当たりにし、コネクションが無くても能力・スキルに見合う仕事に出会えるインフラを提供することを決めた。
■CDL (Creative Diamond Links) WEBサイト http://cdl-consultant.com/
取材・ライター
ABROADERS 代表
濱田 真里/Mari Hamada
海外で働く日本人に特化した取材・インタビューサイトの運営を4年間以上続けている。その経験から、もっと若い人たちに海外に興味を持って一歩を踏み出してもらうためには、現地のワクワクする情報が必要だ!と感じて『週刊アブローダーズ』を立ち上げる。好きな国はマレーシアとカンボジア
by Nnn