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ミャンマーの大衆食堂が、5年間で売上7倍に!急成長を支えた3つの信念

Posted on 2018年09月21日
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軒先に開かれるレストラン


ミャンマーはヤンゴン市内の至るところで、住宅の軒先に開かれるレストランをよく目にする。このようなお店ではたいてい、地元の人がプラスティック製の座面が低い椅子に座り、食事をとっている。一見あまり衛生的とは思えず、お腹を壊すのではと不安になるが、勇気を出して入ってみると、意外にも絶品に出会えることもある。


 


今回インタビューしたのは、そんな大衆食堂を営むお父さんとお母さん。地元の人たちでいつも賑わう麺料理屋は、日本のラーメン繁盛店でも1日の売上は100杯程度(※)と聞くのに、彼らはなんと140杯以上も売り上げるそうだ。


開店6年目に突入したこのお店、その成長の秘訣に迫りたい。


 


 

お店がある町とは

店の様子


今回の訪問先は、ヤンゴン中心部から車で30分の距離にある南オッカラパ郡区。数年前まではヤンゴンの片田舎、下町のようなところだったが、最近、地元住人向けアパートが建ち始めており、ずいぶんキレイになってきたエリアだ。そんな町の一角に、大人気の麺料理屋がある。


 


 

人気麺料理屋に潜入!

夫婦で店を切り盛り、ここから絶品料理の数々が生まれる


このお店を営むのが、こちらのお父さん(38歳)とお母さん(36歳)。仕入れ、調理、配膳、片付けなど、ほぼすべての作業をふたりでこなす。


写真に映る調理場の奥が彼らの住居ともなっていて、子ども2人、計4人で暮らしている。


 


 

シャン州発祥「シャンカウスエ」

この店には、人気メニューがふたつある。


ひとつ目のシャンカウスエは、ミャンマー中東部に位置するシャン州発祥の麺料理だ(「カウスエ」は麺を意味するミャンマー語)。写真のような、汁なしシャンカウスエが一般的だが、汁ありバージョンもある。


 


 

油そば「シーチェ」

シーチェは、中国から伝来した油そばだ。鶏肉や揚げニンニクなどと混ぜて食べ、ワンタンを入れることもある。


値段はどちらも、たったの700チャット(約70円)。ヤンゴンの有名店「999 Shan Noodle House」では、同メニューが1杯2000チャット(約200円)ほどであることを考えると、こちらはかなり安い。


 


ちなみに、お店を始めた当初は今より材料費が安かったこともあって、1杯300チャット(約30円)だったそうだ。


営業時間は午前6時~午後6時で、1日の売上は約100,000チャット(約10,000円)。毎日約140杯以上が売れる、この町の人気店だ。


 


 

仕入れの方法

市場の様子


メニューによって具や麺の種類を変えるという、このお店。それらの具材はどうやって仕入れているのだろうか。


 


仕入先は主に3ヶ所。ひとつ目は、徒歩圏内の市場。毎日、店主自ら足を運び、野菜やお肉など30,000〜40,000チャット(約3,000~4,000円)ぶんを仕入れる。


ふたつ目は、車で約40分の距離にある市場で、シーチェの麺はここで買う。ここへも2日に1回ほど行くのだそう。


3つ目は、麺メーカーで、シャンカウスエの麺を仕入れている。製造元が2日に1回、麺を納品しに来るそうだ。1回20,000チャット(約2,000円)。


「前はこの麺も市場に買いに行っていたのよ。今では納品しに来てくれるおかげで、移動費もかからないし時間にも少し余裕ができたわ」とお母さんは言う。


 


 

苦労を乗り越え、人気店へ!

笑顔の夫婦


このお店を始めたのは5年前。もともとお母さんは麺料理の作り方を、親戚の店で働きながら学んでいた。そして2013年、200,000チャット(約20,000円)の融資を親戚から受けて、お店を始めたのだ。


驚くことに、開業時お父さんは出稼ぎでマレーシアにいたため、お母さんひとりでお店を開いたのだそうだ。


「1年目はひとりで仕事をしないといけなかったし、1日20杯ぐらいしか売れなかったのよ。本当に苦労したわ」とお母さん。


お母さんの、ひとりで商売を始める行動力、日々の成果が芳しくなくてもめげずに頑張り続けた忍耐強さが、このお店の根幹を作ったのだ。


 


 

お皿を洗うのはご近所さん?

皿洗いをする近所のおばちゃん


インタビューの最中、知らないおばちゃんが何も言わずに調理場に入って来たので、何をするのかと見ていると、なんと皿を洗い始めた。


驚いてお母さんに聞くと、どうやら開業当初から、近所の人たちが皿洗いなどの雑用を手伝ってくれているらしい。しかも、見返りは全く求めず、ただの善意でお手伝いをしてくれるのだそう。


「私だけでは1年目を乗り越えられなかったし、彼女らがいなければ今のような繁盛もなかったわ」とお母さんは言う。


ご近所同士のつながりが強く、まるで家族のように助け合っている。これも、繁盛の理由のひとつかもしれない。


お皿を洗うおばちゃんは「(お母さんが)ひとりで頑張っているのを見たら、助けたくなっちゃうの。あと私、暇だから」と笑っていた。


 


 

大切なのは「お客を幸せにする」こと

人気メニューのシャンカウスエ


2年目にはお父さんがマレーシアから戻り、以降夫婦ふたりでお店を営んでいる。そこから着実に売上を伸ばし、今では売上が開業当初の7倍以上にまで成長した。


お父さんに商売繁盛の秘訣を尋ねると 「売上はそこまで気にしてないな。お客さんが幸せになることが一番大切! そのために、良い材料を使っておいしい料理を作ったり、お客さんを笑顔にしたりするんだ」と答えてくれた。


実際、おいしいシーチェを作るために、納得のいく麺を遠くまで仕入れに行ったり、楽しく食事をしてもらえるよう、お父さんはよくお客さんと冗談を言い合ったりしている。「お客を幸せにする」という信念があるからだろう。この店は、本当に多くの人たちに愛されている。


 


小さな町でお母さんがひとりで始めたお店は、1日140杯以上売り上げるまでに成長した。


そこには
1)お母さんの行動力と忍耐強さ
2)ご近所との助け合い
3)お客を幸せにする
という3つの信念があった。


 


最後に、彼らの底知れぬ行動力の源泉は何か、夫婦に尋ねた。ふたりはすぐさま「お客さんの笑顔! 子どもたちの成長ももちろん大切だけどね」と答えた。


今までのインタビューでは「家族のために働く」という回答が多かったのだが、彼らの口から最初に出たのは「お客さん」。どこまでも他人想いなお父さんとお母さんだった。


 


【参考】
(※)ラーメン屋開講講座/CASIO HANJO TOWN


 

経験した日: 2018年09月21日

Ambassadorのプロフィール


リンクルージョン

私たちはミャンマーでマイクロファイナンスによる貧困削減をITで支援しています。農村やスラムに暮らす人々が、どのような生活をおくり、何を感じているのか。どのようなビジネスをしているのか。ニュースや統計データからは感じることができない、ミャンマーに生きる人々のリアルな姿をお届けします。

リンクルージョンさんが書いたノート


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