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- 新校開校に向けての新たな挑戦。その矢先に起こった、2016年7月1日ダッカでの悲劇【新校開設への挑戦②】
新校開校に向けての新たな挑戦。その矢先に起こった、2016年7月1日ダッカでの悲劇【新校開設への挑戦②】

2016年、私立校開校に向け動き出しました(この話の前記事はコチラ)。
調査に時間をかけ、生徒募集の戦略も立て、順調に進めている矢先……バングラデシュで大きな事件が起きました。
事件をきっかけに大きく運営方針を変更し、開校に向け再び動き出すまでを、書いていきます。
新校の大枠が続々と決まる

バングラデシュでは市場調査をしても、こちらが欲しい情報を得ることは難しいのですが、時間をかけバングラデシュの富裕層、中間層が求めるような学校像を描きました。ある程度見えてきたところで学校内容の大枠を決め、その後に生徒募集の戦略を決めていきました。
私たちが作る新しい学校は、幼稚園から高校生までの一貫校です。幼児期の教育は経験がありませんでしたが、基本的な生活習慣や自主性など、人間形成の土台をつくる良い機会だと思いチャレンジすることにしました。
また、既存のNGO校との差別化や、卒業後海外に進学する生徒、就職する生徒のことを考えて、新校ではすべて英語での授業を採用しました。
初年度は生徒を確実に集めることを考え、幼稚園からClass6(日本の中学1年にあたる)までの生徒を募集対象として進めることに。開校予定日は2017年1月。急ピッチで様々な取り組みを進めていました。
生涯忘れられないであろう事件が起きた

翌年の開校に向けて、生徒獲得のための広告・宣伝やイベントなどを本格的に仕掛けていきました。私も現地教員と一緒になり、多くの場所へ挨拶しに回っていたその矢先。2016年7月1日、ダッカでテロ事件が起きたのです。
今まで比較的治安が良いといわれてきたこの国で、日本人7名を含む20名の犠牲者を出す衝撃的な事件でした。襲撃されたレストランは現地在住の外国人にとって馴染みのあるお店で、私も週に一度は利用していた場所だったこともあり、精神的に大きなショックを受けました。
この日を境に、多くの日系企業やNGO団体がバングラデシュでの事業を撤退、及び一時避難のため国外へ出て行きました。国内に残る人に対しても、イスラム過激派が潜伏する可能性があるから不要な外出は避けるようにと促されました。
私たち自身、事件後は自宅待機を数日間した後、一時避難として約半年間帰国しました。
あれから2年経ちましたが、私の身近で起きたことの中で最も衝撃的な事件だったこともあり、未だについ先日のことのように頭に残っています。二度と起こってほしくない、本当に残念で悲しい出来事でした。
開校予定日…どうする?

新校開校の話も一時頓挫し、「バングラデシュから撤退する」という話も浮上しました。日本人メンバーの3人で自分たちの安全、学校の運営などについて改めて時間をかけて話をしました。ただ全員が考えていたことは同じで、「現地教員の仲間たちと子どもたちを中途半端で見捨てることはできない」ということ。継続して学校運営することを前提に、一度バングラデシュの治安回復を日本で避難し待つことにしました。
これをきっかけに2017年1月開校だった予定も新たに見直しました。大々的に学校の広告・宣伝をすれば、外国人がそこにいることを世間に教えているようなものです。自分たちに危険が及ぶ可能性だってあります。ただ、一方で広告・宣伝しなければ生徒は集まらず赤字経営で進めなければいけません。
そういったメリット・デメリットを整理し、まずは幼稚園と小学校のみ開校して、中学部のスタートは次年度に持ち越すという答えを出しました。
幼稚園生や小学生はまだ幼いので近隣から多く来ると予想し、大々的に広告を行うのではなく、学校から半径3km以内の場所にだけポスター掲示、チラシ配りするなどして宣伝を行ったのです。
この時、現地教員たちへの指示は、すべてリモートで日本から行っていました。そのぶん開校までのTO DOの進捗状況は細かくチェックすることで、なんとか遅延なく進めることができました。
あとは無事生徒が集まるかどうかです。次回はその結果をお伝えします。
【前編・続編はコチラ】
■バングラデシュで新たな私立校を作る!新事業を思いついたきっかけは、国の問題解決のため【新校開設への挑戦①】
■リモートワークで学校は作れるのか!?現地スタッフの挑戦【新校開設への挑戦③】
経験した日: 2018年08月31日
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by Nnn