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リモートワークで学校は作れるのか!?現地スタッフの挑戦【新校開設への挑戦③】

Posted on 2018年09月28日
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2016年ダッカでのテロ事件発生により、私たち日本人メンバーはバングラデシュを離れ、学校運営をリモートですることを余儀なくされました(前回記事:新校開校に向けての新たな挑戦。その矢先に起こった、2016年7月1日ダッカでの悲劇)。


不安が残る中でリモートでの学校運営はどうだったのか、そして新しい学校開校に向けた生徒募集の様子について、今回は書いていきます。


 


 

離れていたことによって生じた、現地スタッフの変化

タイ・バンコクでの風景


2016年7月1日にダッカでテロ事件が起こり、私たち日本人メンバーは安全を考慮して一時帰国しました。はじめは日本を拠点としてリモートでの運営をスタートしましたが、運営上何かあった場合にすぐ駆けつけられるよう、バングラデシュから飛行機で約2時間半のタイ・バンコクを拠点にするため移りました。


タイは私が学生時代、プロキックボクサーだった頃から何度も練習で訪れていた都市で、土地勘もあり、多くの友人もいたので全くストレスはなく、はじめから不便なく生活ができました。


 


こうしてリモートでの学校運営が始まりましたが、当初はまた多くの問題が出てくるだろうと覚悟していました。しかし、私が思っていた以上に現地スタッフは成長してくれていたようで、特に大きな問題は起こらなかったのです!


各部署マネージャーとの定期的なミーティングで学校の状況もよく分かりましたし、緊急の際は迅速に連絡を取り合うこともできたので、臨機応変に危なげなく対応できました。私が現地にいないことで、現地スタッフにより責任感が強く生じ、それぞれの役割を認識することで、更なる成長をする良いきっかけになったようです。これ以降、自主的に考え行動に移す人が多くなり、とても頼もしさを実感しました。


リモート運営を当初は心配していた私でしたが、もっとスタッフたちを信じるべきだった、と自省する良い機会にもなったのです。


 


 

しかし、生徒募集は…集まるのか?

募集時のチラシ


こうして大体安心しながら進められたリモートワーク期間中でしたが、ひとつだけ大変だったことがあります。私立校開校に向けた生徒募集です。
これまで現地教職員は生徒募集のために自ら動いたことがなかったため、イメージをもつこと自体難しかったのです。「生徒って募集するの? 勝手に集まってくるんじゃない?」と思っていた教員もいるほどでした。


本来であれば、直接彼らに生徒募集に対しての考え方をイチから教えたいところですが、リモートではなかなか困難でした。文章にまとめ伝えましたが、それが本当に彼らに響いたかどうかいまいち伝わらず、やきもきしていたのを覚えています。


また、リモートというのは、伝える側と受け取る側で多少なり認識の違いが生まれてしまいます。そのため仕事に支障をきたすこともありました。


 


ただ、その支障から生まれる損失は大したことなく、それ以上に現地スタッフが日々頑張ってカバーしてくれたことがとても有難かったです。


いつもの仕事が終わってから、各地域でチラシ配りをしたり、保護者と話をする機会を作ったり、保護者からの要望を聞いて私に提案をしてくれたりすることで、私もそれまで見えていなかった部分についての気づきを与えられたりしたのです。


そういった気づきのひとつとして、スタッフの提案から始まったスクールバスの導入があります。というのも、私たちがターゲットとしていた学校周辺の家庭だけでなく、遠方の方々も本校に興味を示してくれていたのです。スクールバスがあれば通いたいという情報を、興味をもってくれた保護者から現地スタッフが得たことで予算などを見直し、急遽スクールバス導入を決めました。現場の意見を吸い上げ形にすることが大切だということを再認識させられた出来事でした。


 


こうして、はじめは少なかった問い合わせや見学者、入学手続きに見える方々も日増しに多くなり、現地スタッフの努力が結果として少しずつ現れてきました。締切りまで残り数日というところで、目標人数達成できるかどうかギリギリのラインでした……。


 


 

なんとか開校!!生徒数は?

式典にて


入学手続きの締め切り日当日。入学生徒数は幼稚園・小学校合わせて125名でした。目標達成です!!(120名目標)


私が不在の中、現地スタッフが頑張って動いてくれて目標生徒数を達成することができました。保守的なバングラデシュでは新設校にはなかなか生徒が集まらないと言われていましたが、それを打破できたのもスタッフみんながひとつになり目標に向かってくれたからです。本当に頼もしいスタッフたちで、彼らには感謝しかありません。


 


2017年1月、開校式を開催しましたが、新入生や保護者だけでなく、日ごろお世話になっている市長や県長、そして大臣2名を招いて盛大に実施しました。


式典中、幼稚園児の中には泣いている子どももいましたが、その子どもたちを見ていて「やっとここまで来ることができた」と実感し、胸が高鳴りました。


 


これから、この子どもたちを本校の教育を通して世界で活躍する人材に育て上げていかなければならない。ようやくスタート地点、これからが勝負です。


その後どうなっていくのか学校の様子や新たな取り組みなどについて、また今後少しずつ書いていきます。


 



【新校開設への挑戦編 全3編】


①:バングラデシュで新たな私立校を作る!新事業を思いついたきっかけは、国の問題解決のため


②:新校開校に向けての新たな挑戦。その矢先に起こった、2016年7月1日ダッカでの悲劇


 

経験した日: 2018年09月28日

Ambassadorのプロフィール


Katsu

宮城県仙台市出身。大学在学中はプロキックボクサーとして活躍。卒業後は日本の私学教員をやりながらタイ、カンボジア、ネパール、ミャンマーなどアジアの教育支援に携わる。その後、とある公益財団法人の仕事としてバングラデシュでモデル校となる学校建設・運営を任され、生徒数約1000名の学校をバングラデシュで立ち上げる。

Katsuさんが書いたノート


バングラデシュ に関するノート