ABROADERS

  • HOME
  • バングラデシュでゴミ0(ゼロ)運動!?学校内だけでなく、周辺地域からもポイ捨てをなくす【教えて!噂の彼氏の海外事情】

バングラデシュでゴミ0(ゼロ)運動!?学校内だけでなく、周辺地域からもポイ捨てをなくす【教えて!噂の彼氏の海外事情】

Posted on 2018年04月06日
0
1205

2013年に開校して2年目から地域の方々からの相談が増え、学校が保護者をはじめとする地域の方々の相談所になりつつあります。


前回は、そこから始まったバングラデシュの伝統手芸ノクシカタのフェアトレードについて書きました。


■過去記事:バングラデシュの日本人校長が始めた、生徒のお母さんたちによるフェアトレード・プロジェクト(リンク)


今回は、地域に向けて取り組んだゴミ問題に書いていきます。


 


 

まずは校内からキレイに

以前、バングラデシュのゴミ問題について書きました(過去記事リンク)。


国としてインフラが整備されておらず、ゴミの回収や処理までのプロセスが明確に存在しません。そのこともありゴミに対する国民の意識も低く、ゴミはあちらこちらにポイ捨てするのが当たり前です。もちろん学校の中でもポイ捨ては日常茶飯事であり、ゴミが落ちていない学校などほとんどありません。


そういった中、本校では開校当初から、ゴミひとつ落ちていない学校をみんなで作っていくことを宣言しています。子どもたちには朝礼で何度も私たちの想いと考えを伝えています。ゴミを捨てないことは当たり前として、ゴミが落ちていたら拾える人間に育ってほしいと繰り返し伝えていました。また、ゴミに関する授業も実施。その甲斐あって、開校から1年かかりましたが、生徒と教職員にゴミに対する意識を植え付けることができ、校内はきれいな状態が保たれています。


 


 

地域清掃にも着手するが…

ある時、地域の方が相談しに来ました。


私たちの学校を見て「ゴミが落ちていない、こんな学校は初めて見た。この周辺にあるゴミも何とかなくすことはできないかな?」という相談です。まさか現地の方からこのような反響があるとは思っていなかったため、嬉しい反面驚きました。


私たちもゆくゆくは校内だけでなく、地域の清掃活動も行いたいと思っていたので、この方の後押しもあり、すぐに実施することにしました。


まずは学校周辺の清掃活動から着手しましたが、残念ことに状況は一向に良くなりません。清掃して1週間後にはもう道路のあちこちにゴミが散乱している状態が見られ、ゴミ問題の根本的な解決にはならなかったのです。


 


 

ゴミ箱を設置したら盗まれる?

地域の清掃活動により地域住民の意識が変わり、ゴミのポイ捨てが無くなる……と思っていたのですが、それは安易な考えでした。


そこで、もう一度地域の方々からの聞き取り調査から実施。すると、地域住民も、子どもたちが清掃活動しているにも関わらずポイ捨てするのは良くないことだということは分かっていましたが、他に捨てる場所がないのが現実だというのです。


バングラデシュには路上にゴミ箱が設置されていません。そのせいもあり、そこら中にポイ捨てしてしまうのです。役所になぜゴミ箱を設置しないのか尋ねてみたところ、本当かどうか分かりませんが、「ゴミ箱を設置したら、誰かがそれをもって帰り、売ってしまう恐れがある」のだそうです。


私たちはポイ捨て防止策としてゴミ箱の設置を考えましたが、資金も要るし盗まれる恐れもある。また地域住民にゴミをもち帰る習慣をつけさせる案も出ましたが、現実的に難しそうでした。


 


いろいろ悩んでいた時です。


ふと頭に思い浮かんだのが、ネパールでよく見た竹細工。現地の人々は竹を細く切り、編み籠などの工芸品を作っていました。


ゴミ箱が竹製なら盗んで売られることもないだろう。材料の竹ならあちこちにある。手作業で作ればお金もかからない。「これだ!」と思い、さっそく地域清掃担当の先生に相談しました。


まずはやってみようということで、家庭科教師に生徒たちへ竹の編み方を教えてもらいました。生徒たちはさすが飲み込みが早く、あっという間に竹細工のゴミ箱がいくつかできあがりました。さっそく、まずはトライアルということで、その竹製ゴミ箱を学校周辺にいくつか設置しました。


 


 

竹製ゴミ箱の成果は…

竹製ゴミ箱を設置後、地域の集会所でゴミ0(ゼロ)運動ということで、地域住民の方々に学校生徒たちからゴミ箱設置の経緯と目的を話す機会を作ってもらいました。そのゴミ箱に溜まったゴミは週2回、生徒たちが回収し、学校で分別します。


数日経っても、心配していたようにゴミ箱は盗まれていませんでした。またゴミ箱にはゴミがちゃんと溜まっていて、利用されているのが分かりました。


その後すぐ、この活動の影響で、ポイ捨てが少なくなっていくのが目に見えて分かりました。というのも、毎週実施している地域の清掃活動でのゴミの回収量がみるみる減っていったのです。その代わりに竹製ゴミ箱内のゴミが増えていきました。


成果が出てきたのに伴い、ゴミ箱設置の地域を拡大しました。拡大するにあたり、各地域の集会所で、生徒がその地域住民へゴミ箱の設置の趣旨を伝えることで協力を促して進めていきました。


 


この取り組みを始めてすでに4年経ちますが、私たちが目指す状態までに各地域がきれいになったとまではまだ言えませんが、以前よりも良くなっていることは確かです。


またこの活動が評価され、市長から表彰もされました。この表彰をきっかけに、学校で収集したゴミは役所のほうで回収していただけることにもなり、私たちが動いたことで地域の環境に大きな変化をもたらすことができています。まだまだ課題は多くありますが、できるだけ多くの地域にこの地域ゴミ0運動を広めていけるよう、現在も続けています。


 


このように、地域の方々の相談から始まったプロジェクトがいくつかあります。


学校としても、学校運営だけでなく、学校を取り巻く地域社会を良くする活動も大変重要だと考えています。今後もより良い地域社会を築ける活動をしていこうと思っています。


 


 

経験した日: 2018年04月06日

Ambassadorのプロフィール


Katsu

宮城県仙台市出身。大学在学中はプロキックボクサーとして活躍。卒業後は日本の私学教員をやりながらタイ、カンボジア、ネパール、ミャンマーなどアジアの教育支援に携わる。その後、とある公益財団法人の仕事としてバングラデシュでモデル校となる学校建設・運営を任され、生徒数約1000名の学校をバングラデシュで立ち上げる。

Katsuさんが書いたノート


バングラデシュ に関するノート